ポンド高の再燃も 英8月は物価加速予想 英中銀は利上げ観測優勢
イギリスの8月の物価上昇はBOEの想定の範囲に収まる可能性。ただ上振れた場合はポンド高の要因になる筋書きも。
イギリス統計局が20日に発表する8月の消費者物価指数(CPI)は総合指数の伸び率拡大が予想されている。また、イングランド銀行(BOE)が21日に発表する政策金利については引き上げ予想が大勢だ。ただ、BOEは英国の物価上昇が2022年秋のピークから低下傾向にあることを踏まえ、利上げが最終局面にあることも示唆してきた。8月のCPIの総合指数が想定内の伸びであれば、外国為替相場は円高ポンド安で反応する可能性がある。一方、英国の物価上昇率に強さが感じられた場合は、8月半ばまでのポンド高が再燃する局面も想定される。
イギリスの8月のCPI総合指数は7.0%上昇の予想
英国の8月のCPIは20日午前7時(日本時間20日午後3時)に発表される。ロイター通信のエコノミスト調査によると、総合指数の伸び率は前年同月比7.0%の予想で、7月(6.8%)から上昇が加速する見通し。一方、食品とエネルギー、酒類、タバコを除いたコア指数は6.8%の伸びが見込まれている。こちらは7月の6.9%から物価上昇の和らぎが予想されている形だ。
また、21日にBOEが発表する政策金利に関するエコノミスト調査では、65人中64人が0.25%の利上げを予想している。この通りになれば利上げは15回連続で、政策金利は5.5%に達する見通しだ。また、金融情報会社リフィニティブのデータでも、0.25%利上げについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間19日午後3時前の段階で約80%となっている。
ただ、CPIの総合指数の伸びは2022年10月(11.1%)をピークに低下してきた。8月に予想される総合指数の伸びは、BOEの見通しである、2023年7-9月期に6.9%、10-12月期に4.9%という水準に沿った内容だともいえる。BOEのアンドリュー・ベイリー総裁はこれまでの物価上昇の抑制を前向きに評価しており、6日の議会証言で「利上げサイクルの頂点により近づいてきた」と述べている。
こうした中、ポンド円相場(GBP/JPY)ではこのところ円高ポンド安が進行している。8月のCPIの結果が、BOEの想定通りだと受け止められれば、この流れが引き継がれそうだ。
一方、CPIをコア指数でみると、物価上昇の根強さも感じられる。コア指数は4月以降、6.8-7.1%の範囲での高止まりといえる状況で、8月のCPIの結果が予想よりも上振れた場合は、BOEの利上げサイクルがさらに長引く筋書きも意識されそうだ。ポンド円相場では7月下旬から8月半ばにかけて、176円台から186円台まで10円超の円安ポンド高が進んだこともあり、改めてポンド高が再燃する可能性もある。
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