ポンド安さらに進行か 英9月物価は減速予想 利上げ見送り観測拡大も
イギリスで18日に発表される9月のCPIは物価上昇率が減速しそうだ。8月以降の円高ポンド安が強まる可能性がある。
イギリス統計局が18日に発表する9月の消費者物価指数(CPI)は物価上昇の減速が見込まれている。予想通りになれば、イギリスの中央銀行にあたるイングランド銀行(BOE)の見立て通りといえ、11月の金融政策委員会(MPC)での利上げ見送り観測が拡大しそうだ。ポンド円相場では8月以降に円高ポンド安の流れが続いており、9月のCPIを機にこうした流れが加速する可能性がある。
イギリスの9月のCPIは総合、コアともに上昇減速の予想
英国の9月のCPIは18日午前7時(日本時間18日午後3時)に発表される。ロイター通信のエコノミスト調査によると、総合指数の伸び率は前年同月比6.5%で、8月の6.7%から減速する予想。エネルギー、食品、酒類、タバコ除いたコア指数の伸び率は6.0%と見込まれ、こちらも8月(6.2%)から減速する見通しだ。
英国の物価上昇率のピークは、総合指数が2022年10月(11.1%)、コア指数が2023年5月(7.1%)。9月の数字が予想通りであれば、どちらの指標でみても物価上昇の減速傾向が崩れていないことが確認される。BOEは物価上昇の沈静化を狙い、8月のMPCまで14会合連続で政策金利を引き上げてきたが、9月は政策金利を5.25%で据え置いた。今後の物価上昇については「短期的にはさらに大きく下落する」との見通しを示しており、9月のCPIはこうしたBOEの見立てを裏付ける結果になる可能性がある。
イングランド銀行の今後の利上げは「1回未満」か
この場合、金融市場ではBOEが11月2日に結果が発表されるMPCで、2会合連続の利上げ見送りを決めるとの観測が強まりそうだ。金融情報会社リフィニティブのデータによると、11月の利上げ見送りについて、投資家の動向から算出される確率は日本時間16日正午ごろの段階で約76%。今後の政策金利の見通しでも、利上げは1回未満とみられ、2024年8月以降は利下げ方向の動きが想定されている。
こうした中、ポンド円相場(GBP/JPY)では8月半ばに1ポンド=186.76円を付けた後、円高ポンド安の流れが続いてきた。ドル円相場が1ドル=150円台に突入した後、為替介入への警戒感から円高が急進した3日には、ポンド円相場でも一時、178.28円までポンドが売られて円が買われた。その後は182円を挟んだ値動きとなっている。
一方、9月のMPCでの利上げ見送り決定は、9人の投票者中5人の賛成で決められ、残りの4人は0.25%利上げを支持していた。英国の物価動向や政策金利の先行きは不確定要素が多く、9月のCPIが予想に反して強かった場合は、ポンド円相場がポンド高に振れる可能性もありそうだ。
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