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【NY金】ビットコイン下落も今後は米ドル高が重石に、米PCEを警戒 今日の見通し

米利下げペースの鈍化が意識され、FOMC後は米ドル高が進行している。ビットコインは調整相場にあるが、今後は米ドル高が意識されNY金の上値が重い。今日の金価格は、米PCE価格指数で上下に動くことが予想される。

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上値の重いNY金、米ドル高が重石に

NY金の上値が重い。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25年の利下げペースが鈍化する観測が高まった。金(ゴールド)に与えている影響を以下にまとめた。

・米債市場では長期金利が4.5%の水準を突破し、4.6%が視野に入る。長期金利の上昇は米ドル高を促し、ドル指数は22年11月以来の高値水準108.48ポイントまで上昇している

・米ドル高を受け、ビットコインは調整売りに直面している。しかし、NY金のスポット価格は2,600ドルを割り込んでいる。戻りも弱い。先物価格は6日続落の展開となった。FOMC前までは、ビットコインの上昇がNY金の上値を抑制した。しかしFOMC後は、米ドル高がNY金の重石となっている

NY金の騰落率:日次 24年12月以降、19日まで

NY金の騰落率:日次 24年12月以降、19日まで

ブルームバーグのデータで筆者が作成

米PCE価格指数とNY金の展望

今晩、11月の米個人消費支出(PCE)価格指数が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想では、インフレの粘着性が示される見通しである。注目ポイントと金相場の展望について。

・FOMCの参加者による最新の政策金利の見通しでは、25年末の予想中央値が3.9%(3.875%)だった。前回9月の見通しから0.5ポイント上方に修正され、来年想定される利下げの回数が4回から2回に半減した。“タカ派の”見通しは、パウエルFRBのインフレ再燃に対する警戒レベルの高さを示している

・パウエルFRBが物価の動向を注視するなか、PCE価格指数でインフレの粘着性が示される場合は、米ドルの上昇要因となろう。米ドルの動きを意識しているNY金は、さらなる下値のトライを想定したい。

・一方、PCE価格指数が予想外に下振れる場合は調整の米ドル売りを想定したい。NY金は買い優勢の展開が予想される

米国 個人消費支出(PCE)価格指数:23年11月以降

米国 個人消費支出(PCE)価格指数:23年11月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

買い越しに転じる投機筋だが

投機筋が買い越しに転じている。米国商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、アメリカ大統領選挙前後の買い越し額(ネットロング)は減少の傾向にあった(下の棒グラフを参照)。しかし、11月下旬以降は買い越し額が増加へ転じている。

投機筋の買いは、相場の下支え要因になり得る。しかし、現在の地合いの弱さを考えるならば、NY金が反発しても、上昇幅は限られる展開を想定したい。

非商業部門の動向:11月以降、12月10日まで

非商業部門の動向:11月以降12月10日まで

CFTCとブルームバーグのデータで筆者が作成


金価格の見通しとテクニカルライン

3つのレジスタンスライン

NY金のスポット価格(金価格)は昨日反発した。しかし上値は重い。今日の海外時間では、3つのレジスタンスラインで反落する展開を警戒したい。

・10日線がレジスタンスラインとなり、現在は2,600ドルを下方ブレイクしている。日足のMACDとモメンタムは金価格が弱気地合いにあることを示唆している

・今日現在、100日線が2,605で推移している。この水準はレジスタンスラインへ転換する可能性がある(15分足を参照)。戻りの局面で100日線がレジスタンスラインへ転換すれば、地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう

・100日線を突破しても5日線での反落を警戒したい。すぐ上の水準は、レジスタンス転換のムードが高まっている2,620ドルである。10日線とともにレジスタンスゾーンを形成する展開を想定したい

レジスタンスラインのまとめ

・2,620:レジスタンス転換の可能性あり(日足)
・2,615:5日線(日足)
・2,606:100日線(日足 / 15分足)


3つのサポートライン

19日の日足ローソク足では長い上ヒゲが示現し、金価格の上値の重さを印象付けた。今日の東京時間でも買い戻しが見られるが、2,600ドルを下回る状況が続いている。海外時間で下値をトライする場合は、3つのサポートラインの攻防に注目したい。

・11月の米PCE価格指数でインフレの粘着性が示される場合は、金価格の下落を想定したい。このケースでは2,580ドルの維持が最初の焦点となろう

・2,580ドルを下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・エクステンション76.4%の水準2,573のトライを想定したい。このテクニカルラインを維持すれば、短期的な反発が予想される。一方、下方ブレイクする場合は、来週以降、11月14日の安値2,536ドルを視野に下落幅が拡大する展開を警戒したい

サポートラインのまとめ

・2,583:フィボナッチ・エクステンション61.8%(15分足)
・2,580:サポートライン(日足)
・2,573:フィボナッチ・エクステンション76.4%(15分足)


金価格のチャート

日足:10月以降

日足:10月以降

出所:TradingView

15分足:12月18日以降

15分足:12月18日以降

出所:TradingView


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