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最高値圏のNY金、FRB大幅利下げならさらなる高みへ 景気不安も金価格の押し上げ要因に

NY金価格は現在、先物とスポットでともに最高値圏の攻防にある。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)が0.5%の大幅利下げに踏み切る可能性が意識されている。FRBの利下げは金価格の押し上げ要因となろう。景気不安も金価格のサポート要因となろう。注目のチャート水準は?

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記事のポイント

・NY金価格は、先物とスポットでともに最高値圏の攻防にある
・FOMCでパウエルFRBが0.5%の利下げに踏み切る可能性が高まっている
・大幅利下げならば、金価格はさらなる高みを目指す展開が予想される
・また、景気不安も金価格の下支え要因となろう


スポット金価格のチャート水準

上値の水準(レジスタンス)

・2,600:レジスタンスポイント
・2,592:フィボナッチ・エクステンション76.4%
・2,589:フィボナッチ・エクステンション61.8%

下値の水準(サポート)

・2,560:サポート転換の可能性あり
・2,541:10日線
・2,530:サポート転換の可能性あり
・2,524:21日線


最高値圏の攻防にあるNY金

NY金の先物価格(12月物)は先週13日、1トロイオンス2610.7ドルと続伸した。一時は2614.6ドルまで上昇し中心限月として過去最高値を更新した。昨日は反落したが、下落幅は限定的で最高値圏での攻防を維持している。

一方、スポットの価格も上昇基調にあり、昨日は高値2,589.77まで上昇する局面が見られた(IGレート)。

米長期金利の低下と米ドル安の進行

アメリカの債券市場では、今年の4月下旬に4.7%台まで上昇した長期金利(10年債利回り)が、今は3.6%割れが目前に迫っている。長期金利の低下は米ドル安の圧力を高めている。

注目すべきは今年7月以降の動きである。下のチャートを見ると、アメリカの長期金利と通貨ドルがともに低下トレンドへ転じていることが分かる。その一方で、NY金価格の上昇幅が拡大している。つまり7月以降、これら3つの市場では逆相関の関係が鮮明となっている。

この関係は非常に重要である。インフレの鈍化や根強い米株高を受けても金価格のトレンドがアメリカの金利と通貨ドルに影響されている状況は、今後も金価格が上昇トレンドを維持する公算が大きいことを示唆しているからだ。

米長期金利、ドル指数、スポット金価格の動向:日足 2024年4月以降

米長期金利、ドル指数、スポット金価格の動向:日足 2024年4月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

あるか?FRBの0.5%利下げ

今週17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。先週、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とフィナンシャル・タイムズ(FT)の両紙が0.5%の大幅利下げの可能性について報じた。

CMEのFedWatch ツールによれば、0.5%利下げの確率が60%台まで上昇し、0.25%利下げの確率を上回る状況にある。

9月FOMCの利下げ確率

出所:CMEのFedWatchツール / 日本時間9月17日 11時時点

景気不安も金価格の上昇要因に

国際商品市況では、原油先物価格の下落幅が拡大している。北海ブレント先物価格は先週、70ドルを下抜ける場面が見られた。21年12月以来である。一方、NY原油先物価格は1年4ヶ月ぶりに65ドル台まで下落する局面が見られた。

下落の要因は、9月11日のIG米国株レポート「米国株は下落一服も根強い景気懸念、焦点は8月CPIと雇用関連指標、正念場のS&P500」で述べたとおり、石油輸出国機構(OPEC)が2024年と2025年の世界石油需要の見通しを引き下げたことにあった。

アメリカの長期金利と同じく、原油先物価格も景気の先行きを見越して動く特性がある。中東リスクとそれによる石油の供給懸念が意識されやすいなかで原油先物価格が下落している状況は、市場参加者が将来の景気不安の方をより重視していることを示唆している。この不安は安全資産としての金投資の妙味を高める要因である。

原油先物価格の動向:週足 2021年以降

原油先物価格の動向:週足 2021年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

スポット金は2600ドルの攻防が焦点に

9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエルFRBが0.5%の大幅利下げを決定する可能性があること、そして景気不安を意識したアメリカ長期金利の低下と原油先物価格の下落を考えるならば、スポット金価格(以下では金価格)は先物の価格に追随し、2,600ドル台へ上昇する可能性が高まっている。

金価格が2,600ドルを目指すサインとして、目先は2つのフィボナッチ・エクステンションの攻防に注目したい。最初の水準は、現在レジスタンスのラインとして意識されている61.8%戻しの2,589レベルである。

金価格が61.8%水準の突破に成功すれば、76.4%戻し2,592のトライが次の焦点として浮上しよう。これら2つのテクニカルラインを金価格が難なく突破すれば、2,600ドルのトライを予想する(下の15分チャート、赤ラインを参照)。

なお、すぐ下の水準2,598レベルは、フィボナッチ・エクステンション100%戻しにあたる。スポット金価格にとって2,600ドルの水準は、テクニカルの面でも重要なレジスタンスポイントである。ゆえに、2,600ドルをブレイクアウトすれば、さらなる高みを目指すシグナルとなろう。

スポット金価格のチャート:15分足 9月13日以降

スポット金価格のチャート:15分足 9月13日以降

出所:TradingView

分足(本レポートでは15分足を採用)のストキャスティクスとRSIで相場の過熱感をチェックし、これらが買われ過ぎの水準でデッドクロスへ転じる場合は、金価格の反落を意識したい。特に、金価格が上で述べたレジスタンスの水準をトライする局面では、反落相場を警戒したい。

一方、これらオシレーター指標が売られ過ぎの水準でゴールデンクロスへ転じる場合、特に金価格が下で取り上げているサポート水準をトライする局面では、金価格の上昇を想定しておきたい。

反落局面では押し目買いを狙いたい

今日は8月の米小売売上高が発表される。個人消費の強さが確認される場合は、アメリカの長期金利と通貨ドルの反発要因となろう。このケースでは、金価格の調整相場(反落)を想定しておきたい。

9月のFOMCでは0.5%利下げの期待が高まっている。このため、パウエルFRBが0.25%の利下げを決定する場合も、「米長期金利の反発→米ドルの買戻し→スポット金価格の下落」が予想される。

しかし、15日のIG為替レポート「ドル円の週間見通し 止まらぬ円高 米ドル安も進行なら138円が視野に 焦点はFOMCの利下げ幅」で述べたとおり、今年の後半は米ドル安が進行する可能性が高い。米ドル安は金価格の押し上げ要因となろう。

日足チャートでも金価格の地合いの強さがうかがえる。6月下旬を境に、上昇基調のトレンドチャネルを形成している。MACDはゼロラインを上回る水準でゴールデンクロスへ転じている。RSIは買われ過ぎの水準へ到達しているが、デッドクロスは確認されていない。10日線と21日線でゴールデンクロスが確認されていることも考えるならば、金価格の反落局面では押し目買いを意識したい。

今週、押し目買いの水準として注目したいのが2,560レベルと2,530レベルである(下の日足チャート、黒矢印を参照)。これら2つの水準は2,480レベルと同じく、サポートラインへ転換する可能性がある。10日線と21日線が後者の2,530レベルを挟んで展開していることを考えるならば、2,530の方がサポート水準として意識される可能性がある。

10日線は今日現在2,541レベル、21日線は2,524レベルでそれぞれ推移している。

スポット金価格のチャート:日足 2024年6月以降

スポット金価格のチャート:日足 2024年6月以降

出所:TradingView


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