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円高進行152円台 FRB追加利下げ見通し トランプ氏の人事も影響

ドル円相場は27日午前に152円台まで円高が進行。FOMC議事要旨を受けた利下げ観測拡大や財務長官指名後の長期金利低下が影響している。

円高進行152円台 FRB追加利下げ見通し 米財務長官指名も影響 出所:ブルームバーグ

ドル円相場で円高が進行している。27日午前の東京市場での取引では一時、1ドル=152円台半ばをつけ、2週間半ぶりの円高水準となっている。ドル円相場を動かしたのは米連邦準備制度理事会(FRB)の12月利下げ見通しの強まり。26日に公開された11月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が、緩やかな利下げ継続を裏付ける内容だったことが材料視された。またドナルド・トランプ次期大統領が22日に発表した財務長官人事も米国の長期金利(10年物米国債利回り)低下につながっており、日米金利差は縮まり始めている。ただ、FRBの金融政策の見通しは引き続き、経済指標で左右される可能性があり、ドル円相場の今後の見通しをめぐっては物価や労働市場の動きが注目されそうだ。

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ドル円相場は一時、152.51円 2週間半ぶりの円高水準

ドル円相場(USD/JPY)は日本時間27日午前の取引で一時、1ドル=152.51円をつけた。ブルームバーグによると、8日につけた152.14円以来の円高水準だ。前日の取引では154.49円をつける場面もあったことを踏まえれば、2円近い円高が進んだことになる。

ドル円相場の日足チャートと主な出来事のグラフ

FOMC議事要旨は段階的な利下げを示唆 12月利下げ確率は63%に

ドル円相場での円高の背景には26日に公表された11月6、7日のFOMCの議事要旨がある。議事要旨によると、11月FOMCでは、物価上昇率が持続的に2%へ向けて下がっていき、米国の労働市場の強さが維持されていれば、「より中立的な政策金利へと段階的に向かうことが適切だとみられる」との見方が共有された。

こうした議事要旨の内容を受け、金融市場では12月17、18日のFOMCでの追加利下げ見通しが強まっている。CMEグループのデータによると、12月利下げについて投資家の動向から算出される確率は日本時間27日午前11時段階で63%程度。12月利下げはFRBのジェローム・パウエル議長が14日の講演で利下げを急ぐ必要はないとの立場を示し、日本時間25日朝には利下げ確率が51%まで下がっていたが、期待が持ち直したといえる。

トランプ氏の財務長官人事で米長期金利低下 日米金利差は3.2%ポイント台に

また金融市場では米国の長期金利低下も始まっている。ブルームバーグによると、ニューヨーク債券市場での25日の取引では一時、4.260%をつけ、15日につけた4.501%からの低下傾向が出てきた。トランプ氏が22日夕方に財務長官に指名すると発表した、著名投資家のスコット・ベッセント氏が財政規律に厳格な立場だと受け止められていることが要因だ。米国の財政状況悪化見通しが和らぐことで米国債の価格が上がり、長期金利低下として現れている。

こうした中、日米の長期金利の差は25日終値では3.206%ポイントとなり、10月18日(3.177%ポイント)以来の小ささとなった。金融市場で日銀が12月18、19日の金融政策決定会合で利上げするとの見通しが強まっていることも背景のひとつだ。

日米の長期金利差とドル円相場の推移のグラフ

10月PCE物価や失業保険申請件数でドル円相場の見通しに変化も

こうした中でドル円相場の今後の見通しをめぐっては、米国の物価や労働市場の状況の重要度を増しそうだ。米商務省が27日午前10時(日本時間28日午前0時)に発表する10月の個人消費支出(PCE)物価指数の伸び率は、ロイターがまとめた市場予想では総合指数で前年同月比2.3%、食品とエネルギーを除いたコア指数で2.8%となる見通しだ。いずれもパウエル氏が14日の講演で示した予想と同じ水準で、9月から物価上昇が加速する形となる。実績がさらに上振れれば、金融市場でFRBの利下げ見通しが弱まることもありえる。また、27日には週次の新規失業保険申請件数も発表される。

米国のPCE物価指数の伸び率の推移のグラフ

同時に米国は28日がサンクスギビングデーの休日にあたり、FX市場の取引量が低下することも想定される。このためドル円相場での値動きが激しくなることも考えられそうだ。


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