調整売りでNY金価格が下落、再び買いを仕掛ける投機筋、目先の見通し
スポットのNY金価格(XAU)は現在、調整の反落局面にある。連日で高値を更新してきた状況を考えるならば、目先の焦点は新たな下値の水準を見極めることにある。しかし、投機筋が再び買いを仕掛けている状況を考えるならば、下落の局面では押し目買いを考えたい。目先、注目の下値水準は?
この記事のポイント
・調整ムードのNY金価格、新たな下値水準の見極めが焦点に
・再び買いを仕掛ける投機筋、下値では押し目買いを狙いたい
・目先、注目しておきたい下値の水準について
NY金価格、注目のチャート水準
上値の水準(レジタンス)
・2,483ドル:17日の高値
・2,450ドル:レジスタンスへ転換する可能性あり
・2,440ドル:レジスタンスの水準
下値の水準(サポート)
・2,415ドル:半値戻し、10日線
・2,400ドル:フィボナッチ・リトレースメント61.8%
・2,390:サポート水準
金価格、今日の見通しとチャート分析
調整売りと押し目買い
NY金先物価格(8月物)は17日に一時2488.4ドルと、中心限月として連日で最高値を更新した。その後は高値警戒感から利益確定売りが優勢となった。
スポットのNY金価格(XAU、以下金価格)も2,483ドル付近まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。
連日の高値更新ということもあり金価格は現在、調整の反落ムードにある。19日の東京時間で2,440ドルを下方ブレイクした(下の日足チャートを参照)。
10日線と2,400ドルの攻防
金価格(XAU)の日足チャートをみると、RSIでデッドクロスを形成するムードにある。一方、モメンタム(14日)も低下トレンドへ転じ、強気相場の勢いが衰えていることを示唆している。ゆえに、今日も調整の反落相場を警戒したい。
スポットNY金価格のチャート:日足 24年2月以降
出所:TradingView
注目のサポート水準
金価格(XAU)が反落相場を維持する場合、目先の焦点は10日線の攻防となろう(上のチャート、青ラインを参照)。この移動平均線は2,413レベルで推移している。すぐ上の水準2,416は直近高安の半値戻しにあたる(下の1時間足チャートを参照)。
1時間足のストキャスティクスとRSIは売られ過ぎの水準でゴールデンクロスへ転じている(下の1時間足チャート、緑矢印を参照)。重要なテクニカル水準が重なる2,415前後で、一度反発する可能性があろう。
一方、金価格が2,415レベルをあっさりと下方ブレイクする場合は、節目の水準2,400ドルを目指す展開を予想する。2,400ドルは直近高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる(下の1時間足チャートを参照)。テクニカルの面でも2,400ドルを重要なサポート水準として意識しておきたい。
すぐ下の水準2,390ドルでは「サポート転換」が確認された。2,400ドルとともにサポートゾーンを形成していると考えることもできる。
なお、来週以降も調整の下落相場が続く場合は、21日線(18日時点で2,372レベル)およびフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準2,365レベルの攻防が焦点として浮上しよう(上の日足チャートを参照)。
スポットNY金価格のチャート:1時間足 7月4日以降
出所:TradingView
反発局面での注目ポイントは?
18日米債市場でアメリカの10年債利回りが反発した。この動きが金価格(XAU)の調整売りを促す一因となった。
しかし、今年の5月を境にして米債市場では長期金利が低下の基調へ転じている。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエルFRBが利下げに踏み切る確率が90%まで織り込まれている状況を考えるならば、米債市場では今後長期金利の上昇が抑制される公算が大きい。
今日の米債市場で長期金利が再び低下すれば、金価格の押し上げ要因となろう。このケースでは、2,440ドルの突破とこの水準の維持に注目したい(上の1時間足チャートを参照)。特に2,440ドルの維持を達成すれば、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
金価格が2,440を突破した後も上昇基調を維持する場合、次の焦点は2,450ドルのトライとなろう。この水準は「レジスタンス転換」を意識する水準である(上の1時間足チャートを参照)。
再び買いを仕掛ける投機筋
投機筋の動きは、金価格(XAU)のトレンドを左右する。この点について、米国商品先物取引委員会(CFTC)のデータで投機筋のポジション動向と金価格の動きを確認すると、投機筋の買いが金価格を押し上げるパターンが見られる。
その投機筋は直近で再び金の買いを仕掛けており、ネットロング(買い)は増加の傾向にある。この動きに連動し金価格が最高値を更新した状況を考えるならば、現在の状況は調整の反落相場と想定しておきたい。
上で述べたサポート水準で金価格が反発する場合は、直近の最高値2,483レベルを視野に底堅さ維持する展開を予想する。
投機筋のポジション動向:週次ベース 23年以降
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