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NY金価格が2400ドル割れ、投機筋の買い、目先の見通しは?

スポット金価格(XAU)は25日、2,400ドルの水準を完全に下抜けた。さならる下値のトライを警戒する局面にあるが、投機筋の動向を考えるならば、金価格の下落局面では短期の押し目買いを意識したい。目先、注目しておきたいサポート水準は?

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記事のポイント

・25日の市場でスポット金価格が2,400ドルを完全に下抜けた
・米ドルの根強い買いと中国の利下げが売り要因と見られる
・金買いを仕掛ける投機筋の動きは下支え要因に
・金価格の下落局面では、短期の押し目買いを考えたい


金価格のチャート水準

上値の水準(レジスタンス)

・2,400:レジスタンスの水準
・2,390:レジスタンス転換を意識する水準
・2,380:レジスタンスの水準

下値の水準(サポート)

・2,354:75日線
・2,350:サポートの水準
・2,340:フィボナッチ・リトレースメント76.4%

根強い米ドル買いが金の下落要因に

スポットのNY金価格(XAU、以下では金価格)は25日、2,400ドルの水準を完全に下方ブレイクした。金価格の下落要因として注目したいのが、米ドル相場の動向である。

直近の金価格とドル指数(DXY)の動きを比べると、米ドル高の局面で金価格が下落する一方、米ドル安の局面で金価格が上昇する従来の関係(逆相関の関係)にある。

直近のドル指数は上値が抑制されている。しかし、根強い米ドル買いにサポートされ104ポイント以上の水準を維持し高止まりしている。長期ゾーンを中心とした米金利の反発が、米ドル買いの要因となっている。

金価格とドル指数の動向:45分足 7月15日以降

金価格とドル指数の動向:45分足 7月15日以降

出所:TradingView

中国の景気不安と資源需要への思惑

今週の金価格(XAU)の下落要因として指摘されているのが、中国人民銀行(中央銀行)の利下げである。

中国人民銀行は22日、事実上の政策金利とされる最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)の1年物を0.1%引き下げ、3.35%とした。住宅ローン金利などの目安となる期間5年超の金利も0.1%引き下げて3.85%とした。

中国の国家統計局が15日に発表した4〜6月の実質国内総生産(GDP)は前年同期比4.7%増と市場予想の同比5.1%を下回り、1〜3月比で0.6ポイント縮小した。また、季節調整済みの前期比では1〜3月の1.5%から4〜6月は0.7%へ鈍化した。長引く不動産不況で個人消費も縮小している(こちらのIGコモディティレポートを参照)。

22日の利下げは、中国企業への貸し付けや不動産市場へ資金を供給することで、景気を下支えする狙いがあると見られる。

中国 政策金利の動向:月次 2019年8月以降

中国の政策金利:月次 2019年8月以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成


中国の景気不安は、安全資産である金の投資妙味を高める要因である。その一方で、中国の内需と消費が低迷している状況は、金を含めた資源需要を縮小させる要因にもなる。22日の利下げは、後者の懸念を市場参加者に強く意識させた可能性がある。

事実、年初来のCRB指数(国際商品市況のトレンドを示す指数)と金価格(XAU)の動向を日足チャートで確認すると、トレンドがほぼ一致していることが分かる。

7月以降の動向に注目すると、中国のさえないGDP統計が発表された7月の中旬以降、CRB指数の下落幅拡大にともない、金価格が下落基調へ転じていることが分かる。「中国の景気不安→資源需要の縮小懸念」に連動した動きと考えることができる。

CRB指数と金価格:年初来

CRB指数と金価格:年初来 ブルームバーグのデータで筆者が作成

金価格、目先の見通しとチャート分析

中銀の買い

金価格(XAU)の上値は重い。短期的には下落相場を警戒する状況が続こう。しかし中長期的にみれば、金価格は上昇基調を維持する公算が大きいと筆者は考えている。

その理由の一つが、中銀の買いである。BRICSを主導する中国は、米ドル一強体制からの脱却を志向している。ゆえに、今後も金の保有量を増やすと思われる。アメリカと対立するロシアなどの国々も経済安全保障の観点から、中国と同じく金の保有量を増やしていくと思われる。

投機筋の買い

投機筋の動向も重要である。2023年以降、投機筋の買いが金価格の上昇要因となってきた。

直近の投機筋の動向を米国商品先物取引委員会(CFTC)のデータで確認すると、金を買い増したことが分かる(下のチャート、緑矢印を参照)。投機筋の動向は、短期的な金価格の下支え要因として注目したい。

投機筋の動向:2023年以降

投機筋の動向:23年以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成

目先のサポート水準は?

金価格(XAU)は下落相場を意識する状況にある。日足のMACDとRSIの動きもこの点を示唆している(下の日足チャート、赤矢印を参照)。

しかし、上で述べた投機筋の買いを考えるならば、下落の局面では押し目買いを考えたい。その水準として注目したいのが、2,354レベルである。今日現在、この水準には75日線が推移している。昨日の下落を止めた経緯があるだけに、75日線を今日のサポートラインとして注目したい(下のチャート、青矢印を参照)。

金価格のチャート:日足 24年2月以降

金価格のチャート:日足 24年2月以降

出所:TradingView

金価格が75日線を下方ブレイクする場合は、7月上旬に相場を下支えした2,350レベルの攻防に注目したい(下の4時間足チャートを参照)。

金価格が2,350レベルを下方ブレイクする場合は、2,340の維持が焦点として浮上しよう。この水準はサポートラインへ転換する可能性がある。また、テクニカルの面では直近高安のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる。2,350とともにサポートゾーンを形成する展開を想定しておきたい。

金価格のチャート:4時間足 6月20日以降

金価格のチャート:4時間足 6月20日以降

出所:TradingView

反発局面での焦点は?

今日は、6月のアメリカ個人消費支出(PCE)価格指数が発表される(こちらのIG為替レポートを参照)。インフレの鈍化傾向が示される場合は「米金利の低下→米ドル安」の展開が予想される。米ドル安は金価格(XAU)の押し上げ要因となろう。

金価格が反発する場合、今日は3つの水準での攻防に注目したい。ひとつは、昨日から相場の反発を止めている2,380レベルである。この水準を突破する場合は、2,390レベルのトライを想定しておきたい。後者の水準はレジスタンスのラインへ転換する可能性がある。

また、2,380と2,390でレジスタンスゾーンを形成する展開も想定しておきたい(いずれも上の4時間足チャート、赤ゾーンを参照)。

金価格がこのレジスタンスゾーンを完全に突破すれば、再び2,400ドル台の攻防となる展開を予想する。


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