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ゴールドまでが売られる混乱相場も金価格の強気見通し維持、米国株弱気相場入り、高まる米利下げ期待

トランプ関税リスクを受け、ゴールドまでが売られるほど混乱する世界の金融市場。しかし金価格の下落局面は、押し目買いの好機と考えたい。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事のサマリー

トランプ米関税による世界的な貿易戦争が激化し、リスク資産だけでなく安全資産の代表格である金(ゴールド)までが売られるほど世界の金融市場が混乱している。だが、NY金の下落局面は押し目買いの好機と考えたい。弱気相場入りした米国株と米FRBの利下げ期待がゴールドの下支え要因になり得るからだ。金価格の見通しと注目のサポートラインについて。


目次


ゴールドが売られるほどの混乱相場、スポット金は3,000ドル割れ

トランプ米政権の相互関税とそれに伴う世界的な貿易戦争の激化が世界の金融市場を揺るがしている。

その影響は安全資産の金(ゴールド)にも及んでいる。スポットの金価格(以下では金価格)は3日続落の展開に。ブルームバーグのデータによれば、4月2日に付けた終値ベースの最高値3,134.17ドルからの下落率が4.8%に拡大している(7日時点、終値ベース)。チャート分析の観点では、節目の3,000ドルを下方ブレイクし50日線が視野に入る。50日線をも下方ブレイクする場合は、調整売りが続く可能性がある。

換金売りに加えて、追加の証拠金(マージンコール)など投資損失を補填するためにゴールドが売られているとの観測がある。

スポット金価格の日次変動率:3月以降

スポット金価格 日次変動率:3月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成


米国株弱気相場入りと米FRBの利下げ期待、金価格の強気見通し維持

ゴールドまでが売られるほどのリスク回避相場だが、筆者は金価格の強気見通しを維持している。

トランプ米政権は関税政策によって、これまでの世界貿易体制の見直しを意図している。ゆえに、そう簡単にかつ短期間でトランプ関税相場が下火になる可能性は低いだろう。

この点を意識しているのが米国の株式市場である。7日のIG米国株レポートで述べたとおり、ナスダック総合指数は昨年12月の高値から20%超下落し、弱気相場入りした。

また昨日の市場では、多くの機関投資家が運用のベンチマークにするS&P500が取引時間中に一時5,000ポイントの大台を割り、2月19日の終値ベースの最高値6,144.15ポイントから21.3%下落した。安値ベースでは弱気相場入りのサインが点灯した。その後反発し5,000ポイント台を維持して終えたことで終値ベースでの下落率は17.6%だったが、日足ローソク足で長い上ヒゲが示現した状況も考えるならば、今後も不安定な状況が続くことが予想される。米株式市場の不透明感は、金価格の下支え要因となろう。

ナスダック総合指数とS&P500の下落率

ナスダック総合指数とS&P500の下落率

出所:TradingView

金価格の強気見通しを維持する理由がもう一つある。それが米利下げ期待である。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、利下げを慎重に進める姿勢を維持している。一方、短期金融市場では今年12月の政策金利の予想水準が3.4%前後まで低下している。一時は3.3%台へ低下する局面が見られた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の参加者は今年2回の利下げを想定しているが、短期金融市場では最大で4回利下げの可能性を織り込み始めている。この状況は、今後景気不安がさらに強まることで米FRBが想定を超える利下げに踏み切らざるを得ない可能性を意識した状況と考えることができる。

短期金融市場の予想が正しいかどうかは別として、市場参加者が4回利下げの可能性を意識し始めている状況もまた、金価格の下支え要因となろう。

米政策金利の予想推移

米政策金利の予想推移

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / OISに基づく予想推移 / 8日午前7時時点


金価格、目先の見通しと注目のテクニカルライン

焦点は2,900ドルの維持、押し目買い狙い
日足チャートで金価格のトレンドを確認すると、昨年12月30日の安値を基点とした短期サポートラインをかろうじて維持している。だが、MACDとモメンタムのトレンドを考えるならば、調整売りまたは反発局面での戻り売りを意識したい。

目先、注目のサポートラインは以下の4つとなろう。最初のラインは、昨日の下落を止めたフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準2,960ドルである。このテクニカルラインを下方ブレイクする場合は、50日線の維持が焦点となろう。この移動平均線は今日現在、2,947ドル付近で推移している。

金価格が50日線を下方ブレイクする場合は、それだけ現金志向-Cash is kingの志向が強まっているシグナルになり得る。このケースでは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準2,911ドルを視野に下落幅の拡大を想定したい。このテクニカルラインのトライは、2,900ドルの維持を見極める重要な攻防となろう。

目先は上記のサポートラインで反発が確認される場合は、押し目買いを狙いたい。

サポートライン:日足
・2,960:61.8%戻し
・2,947:50日線
・2,911:76.4%戻し
・2,900:サポートライン

金価格のチャート:日足 2024年12月以降

金価格のチャート:日足 2024年12月以降

出所:TradingView

一方、金価格の反発局面では、節目の3,000ドル突破が最初の焦点となろう。3,000ドル台へ再上昇した後は、以下にまとめたフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。いずれもレジスタンスラインへ転換する可能性がある水準である。

半値戻しの3,061ドルは、日足一目転換線の水準と重なる。61.8%戻しの突破は3,100ドルをトライするサインと考えたい。

レジスタンスライン:30分足
・3,086:61.8%戻し
・3,061:半値戻し
・3,036:38.2%戻し
・3,000:節目のライン

金価格のチャート:30分足 4月2日以降

金価格のチャート:30分足 4月2日以降

出所:TradingView


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