米国株、急落継続リスク S&P500衝撃コロナ級 エヌビディア大幅安
S&P500は週次で9.08%安。新型コロナ禍以来の急落となった。最高値からの下落率は17%に達しているが、さらなる下落も想定される。

アメリカの株式市場の急落が止まらない。S&P500種株価指数の4日の終値は1週間前比で9.08%安となり、新型コロナウイルスの感染拡大期にあたる2020年3月以来、約5年ぶりの下落率を記録。ドナルド・トランプ大統領が2日に発表した相互関税の厳しさがショックとなり、半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の株価が週次14%安になるなど、大手ハイテク株も総崩れとなっている。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は4日、高い物価上昇と低成長が同時に進むことへの警戒を表明。投資家心理は一気に冷え込んだ。一方、S&P500の急落は割安感につながっているが、米国経済の見通しが暗転する中、底値が見えない状況は続く。コロナ禍に見舞われた2020年のS&P500は高値から3割超下落しただけに、S&P500の今後の見通しをめぐっては、急落がさらに続くことも想定されそうだ。
アメリカのS&P500は週次9.08%安 新型コロナ禍以来5年ぶり下落率
S&P500(SPX)の4日の終値は前日比では5.97%安の5074.08。2024年5月2日(5064.20)以来、11か月ぶりの安値となった。前日の4.84%安に続く急落で、2月19日につけた最高値(6144.15)からの下落率は17.42%となっている。週次での9.08%安は世界保健機関(WHO)が新型コロナ感染拡大についてパンデミックを宣言した翌週にあたる2020年3月16-20日週(14.98%)以来の下落率だ。トランプ氏が2日に発表した相互関税はコロナ禍以来の衝撃を株式市場に与えたといえる。

4日にはトランプ氏が火をつけた貿易戦争がエスカレートする兆候も出た。ブルームバーグによると、中国は10日から米国からの輸入品すべてに34%の関税を課すと発表。トランプ氏は4日、自身のSNSトゥルース・ソーシャルへの投稿で「中国は対応を誤った。パニックに陥っている」と応戦している。
エヌビディアは週次14.01%安 最高値からは36.89%安の水準に
株式市場ではS&P500への影響度が大きい大手ハイテク株も総崩れとなっている。人工知能(AI)ブームを象徴する銘柄であるエヌビディアの株価(NVDA)は4日までの週次で14.01%安の94.31ドルとなり、3週続落。1月6日の最高値(149.43ドル)からの下落率は36.89%安となった。このほかアップル(AAPL)は週次13.55%安、メタ・プラットフォームズ(META)は週次12.49%安、アマゾン・コム(AMZN)は週次11.27%安で、いずれも10%を超える急落だ。同様に電気自動車大手(EV)のテスラ(TSLA)は週次9.15%安、アルファベット(GOOGL)は週次5.66%安、マイクロソフト(MSFT)は週次5.01%安となっている。

FRBのパウエル議長が米国経済の見通しに警鐘 VIX指数も5年ぶりの高さに
こうした中、FRBのパウエル議長は4日の講演でトランプ氏の高関税政策について「想定よりもかなり大きなものになるだろうということが明らかになってきた」と言及。「高い物価上昇率や成長率の低下といった経済への影響についても同様だ」として、米国経済の見通しに強い警戒を示した。
米国経済が物価上昇再燃と景気後退の同時進行にさらされるとの危機感は投資家心理を記録的なレベルまで悪化させている。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の4日の終値は前日比50.93%高の45.31。2020年4月21日(45.41)以来の高さとなっている。

S&P500の割高感はさらに緩和 3月雇用統計は労働市場の堅調さを示す結果
一方、S&P500の急落は株価の割安感につながっている。ブルームバーグによると、S&P500の水準と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は4日時点で約18.9倍となっており、2020年以降の平均(約20.7倍)を下回っている。

また4日に発表された3月雇用統計は労働市場の堅調さを示した。非農業部門の就業者数は前月比22.8万人増で、2月の11.7万人増(改定値)から増加ペースが加速。ブルームバーグがまとめた市場予想(14.0万人増)を大きく上回った。パウエル氏は4日の講演で就業者数が3か月平均で15.2万人増のペースで増えていることなどを踏まえ、「経済は今なおよい状態にある」としている。3月の失業率は4.2%で市場予想(4.1%)よりも悪い結果。平均時給の伸び率は前年同月比3.8%で、2024年7月(3.6%)以来の低さだった。

相互関税で企業業績の見通しはつかず コロナ禍期はS&P500の34%下落の記録も
ただ、株価の割安感を裏付ける企業業績はトランプ氏の相互関税という通商政策の大転換で見通しがつかなくなっている。新型コロナ禍が世界的に人間の移動を妨げ、企業活動や消費に大きな影響が出るとの懸念が高まった2020年3月には、S&P500の予想PERは14.0倍程度まで下がっており、足元の予想PERの低さが投資家の買い意欲を高める水準だとは言い難い。
2020年はS&Pが2月19日に当時の最高値(3386.15)をつけた後、株価は下落。WHOによるパンデミック宣言を経て、3月23日には最高値から33.92%安の水準まで下落した。トランプ氏の相互関税が引き起こした世界経済の混乱は世界の金融市場の中心である米国が震源地なだけに、企業業績に対する期待の回復に時間がかかる可能性もある。今後のS&P500の見通しをめぐっては、さらに急落が進んでいくとの見通しも成り立ちそうだ。

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