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NY金、ようやく反発するも取り巻く状況は厳しさを増す、今日の見通し

NY金の先物価格が7営業日ぶりに反発した。スポットの金価格は2,600ドル台を回復する大幅反発となった。目先は短期の調整買いを意識したい。しかし、金(ゴールド)を取り巻く状況は厳しさを増している。

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記事のポイント

・米金利上昇の一服と調整の米ドル売りがNY金の反発要因となった
・トリプルレッドに米利下げパスの不透明感、厳しさ増す金相場を取り巻く状況
・金価格、今日の見通しとテクニカル分析


米金利上昇の一服と調整の米ドル売りがNY金をサポート

18日の国際商品市況でNY金先物価格が7営業日ぶりに反発した。スポットの金価格は2,600ドル台を回復する大幅反発となった。NY金が反発した要因は米金利の上昇が一服し、それに伴い外為市場で米ドル売りが続いたことにあった。

・米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)では、調整の反落ムードが漂う。しかし、9月下旬以降から約7%上昇している状況を考えるならば、今の状況は上昇局面の「調整」といえる

・米ドル高の調整(米ドル安)が続く場合は、10日線とフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準105.43レベルをトライする展開を想定しておきたい

・だが、下で述べる米国の政治情勢と利下げパスの不透明感を考えるならば、米ドルは調整売りをこなしながら、年末に向けて上昇トレンドを維持する可能性があると筆者は考えている

ドル指数:日足 24年9月以降

ドル指数:日足 24年9月以降

出所:TradingView

トリプルレッドに米利下げパスの不透明感、厳しさ増す金相場を取り巻く状況

4%台で推移する現在の利回りは、米国債を買い戻す魅力的な水準と言える。しかし、今のところ米金利の低下幅は限定的である。その理由を以下にまとめた。

・アメリカの大統領選挙と議会選挙でトランプ候補と共和党が躍進し、「トリプルレッド」となった。米議会でトランプ政策がスムーズに成立する可能性が各段に高まったことで、今後はインフレの再燃が米債市場のメインテーマとなろう。インフレ再燃の懸念は、米金利が高まりする要因となろう

・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日の講演でアメリカ経済の強さに言及し、「利下げ急がず」の姿勢を示した。短期金融市場では12月の追加利下げ確率が40%へと急速に後退している。また、来年の利下げパスについても不透明感が強まっている。今後の経済指標でこの不透明感-利下げペースの後退観測がさらに高まれば、米金利が高まりする要因となろう


金価格、今日の見通しとテクニカル分析

調整の反発

先物価格のカーブ分析によれば、先週末と比べて弱気の見通しが後退している。しかし、アメリカ大統領選挙が行われた今月5日の見通しと比較すれば、強気相場へ転じたと判断するのは早計だろう。
だが、スポットの金価格(以下では金価格)は18日、2,600ドル台を回復する大幅反発となった。今日も反発が続く場合は、以下で取り上げているレジスタンスラインを視野に、調整の反発を意識したい。

金価格の見通し

金先物価格の見通し

ブルームバーグのデータで筆者が作成

・日足のMACDでは低下が一服したものの、ゼロラインを下回る状況にある。モメンタムも同じ状況にある。上で述べた見通しも考えるならば、金価格は未だ弱気相場が続いていると考えたい

・とはいえ、10月31日の高値2,790ドルから短期間で一時9%下落した。昨日の急反発も考えるならば、50日線を視野に短期の買い戻しを想定しておきたい

・最初の関門は、10日線などのテクニカルラインが重なる2,620レベルとなろう。今日のアジア時間にこの水準を突破する局面が見られる(下の1時間足チャート、黒矢印を参照)

・50日線をトライするサインとして、半値戻しとフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準が重なる2,644レベルの攻防に注目したい

レジスタンスライン
・2,655:50日線(日足)
・2,644:半値戻しとリトレースメント61.8%(1時間足)
・2,618-23:10日線(日足)、リトレースメント38.2%と半値戻し(1時間足)

下落の局面では底固めの確認が焦点に

一方、金価格が下落する局面では、以下で取り上げるサポートラインの攻防が焦点となろう。

・1時間足のMACDはデッドクロスへ転じるムードにある。買われ過ぎの水準にあるRSIでもデッドクロスが確認され、かつ70のラインを下回る場合は金価格の反落を警戒したい

・2,575ドルと2,590ドルの水準はともにサポートラインへ転換する可能性がある。サポートゾーンとして相場を下支えする展開も想定しておきたい

・金価格が2,575を完全に下方ブレイクすれば、11月の下落相場をひとまず止めた100日線の再トライを想定しておきたい

・金価格が下落しても今回取り上げたサポートラインで何度も反発する場合、特に100日線が再びサポートラインとなる場合は、底固めのサインと捉えたい

サポートライン
・2,590:サポート転換の可能性(1時間足)
・2,575:サポート転換の可能性(1時間足)
・2,550:100日線(日足)

金価格:1時間足 11月4日以降

金価格:1時間足 11月4日以降

出所:TradingView

金価格:日足 24年7月以降

金価格:日足 24年7月以降

出所:TradingView


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