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騰勢感が強まるNY金、米CPI後のビットコインの動きに注目、今日の見通し

NY金の騰勢ムードが強まっている。今日は11月の米CPIで大きく動く可能性があろう。注目はビットコインの反応である。今日の金価格の見通しと注目のテクニカルラインについて。

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NY金3日続伸、ビットコインにらみの状況が続く

NY金(金価格)が騰勢を強めている。先物価格(2月物)は前日比32.6ドル(1.2%)高の1トロイオンス2,718.4ドルと3日続伸し、2,700ドル台へ上昇した。スポット価格も2,700ドルを視野に騰勢を強めている。注目ポイントを以下にまとめた。

・金価格が騰勢を強めている要因は、ビットコインの下落にあると思われる(対米ドル)。週間の騰落率を見ると、今週はビットコインが調整売りに直面し下落している。対照的に金価格は上昇している

・11月以降の動向を見ても、ウクライナが長距離ミサイルでロシアを攻撃し欧州の地政学リスクが意識された11月の第3週以外は、「ビットコインの上昇 / 金価格の下落」というトレンドが見られる

金価格とビットコイン 週間の騰落率:11月以降

ビットコインと金価格の週間騰落率:11月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 11日午前9時時点

崩れる米ドルとの相関関係

外為市場では調整の米ドル安が一服し、再び米ドル買い優勢の展開へ転じている。ドル指数(DXY)は105.50 がサポートラインへ転換し3日続伸。昨日は、今月4日以来となる106.63まで上昇する局面が見られた。21日線を突破すれば、さらに上値をトライする可能性が出てくる

米ドル高は金価格の下落要因である。それでも金先物価格は3日続伸した。今の金価格は、米ドルよりもビットコインにらみの状況にあると言えよう

ドル指数のチャート:日足 9月以降

ドル指数のチャート:日足 11月以降

出所:TradingView

米CPI後のビットコインに注目、金価格の見通し

今日の金価格は、11月の米消費者物価指数(CPI)後に大きく動くことが予想される。ブルームバーグがまとめた市場予想では、前月比のコア指数が4ヶ月連続で0.3%増の見通しにある。前年同月比のコア指数も3.3%増と、9月から3ヶ月連続で横ばいの見通しにある。米CPI後の金価格の見通しについて。

米国 消費者物価指数(CPI)の動向:23年11月以降

米国 消費者物価指数(CPI)の動向:23年11月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

・米CPIでインフレの粘着性が確認される場合、来年以降の米利下げパスの不透明感を高める要因となろう。来年1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ確率をみると、本レポートの掲載時では20%台まで急低下している。米大統領選以降、利下げの思惑は後退の一途にある

米政策金利の予想確率:来年1月のFOMC

米政策金利の予想確率:来年1月のFOMC

ブルームバーグのデータで筆者が作成
※OISに基づく予想確率、11日 午前10時時点、マイナス表記:利下げ

・米CPIで利下げパスの不透明感が高まる場合は米金利の高止まり、または上昇の要因になり得る。また、外為市場では米ドルの買い戻しがさらに進行することが予想される

・現在の金価格はビットコインにらみの状況にある。強いCPIが米ドル買いの要因となれば、ビットコインの下落を想定しておきたい。ビットコインの下落は、金価格をさらに押し上げる可能性があろう

・一方、米CPIでインフレの鈍化が確認される場合は、米ドル売りとビットコインの上昇が予想される。このケースでは、米ドル安よりもビットコインの上昇が材料視され、金価格は利益確定売りに圧される可能性があろう


金価格、注目のテクニカルライン

レジスタンスライン

スポットの金価格は50日線、短期レジスタンスラインそしてフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻しのラインをことごとく突破している。日足のMACDとモメンタムも強気地合いの勢いが増していることを示唆する動きにある。今日も上値を目指す場合は、以下で取り上げているレジスタンスラインの攻防に注目したい。

フィボナッチ・リトレースメント76.4%戻しの水準2,730を完全に上方ブレイクすれば、10月31日の最高値2,790視野にさらに騰勢ムードが強まる可能性が出てくる。

・2,730:フィボナッチ・リトレースメント76.4%戻し(日足)
・2,721:11月25日の高値(日足)
・2,710:11月上旬のレジスタンスライン(日足)

サポートライン

1時間足のストキャスティクスとRSIはともに買われ過ぎの水準にある。ストキャスティクスが80、RSIが70を完全に下回り低下幅が拡大する局面では50日線を目先の下限と想定し、まずはフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。下落のきっかけとなり得るのが、今晩の米CPIである。

なお、上昇幅が拡大するごとにリトレースメントの水準も切り上がる。高値更新の局面では、その都度新たなリトレースメントの水準を確認したい。

・2,694:フィボナッチ・リトレースメント23.6%戻し(1時間足)
・2,687:フィボナッチ・リトレースメント38.2%戻し(1時間足)
・2,682:半値戻し(1時間足)
・2,677:フィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し(1時間足)
・2,670:50日線(日足)
※レポート掲載時点での水準


金価格のチャート

日足:24年9月以降

日足:24年9月以降

出所:TradingView

1時間足:12月6日以降

1時間足:12月6日以降

出所:TradingView


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