訪日観光客増加とコロナ5類移行によりJALとANAの株価が上昇
訪日観光客数の増加や、政府が新型コロナウイルスの5類への引き下げを予定していることから、JALやANAの株価が上昇している。また、日本最大のホテルREIT (リート)が分配金の倍増を発表した。
日本航空株式会社(JAL)(9201)とANAホールディングス株式会社(ANA)(9202)の株価は、正月の訪日中国人観光客の増加や、岸田政権が提案した新型コロナウイルス感染症の分類変更により、1月17日から上昇傾向にある。また、ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)は前期(22年12月期)の経常利益を上方修正し、配当金も増額した。
米国では、タカ派として知られる連邦準備制度理事会(FRB)のクリストファー・ウォーラー理事が、次回会合で利上げ幅を0.25%に縮小する可能性を示唆した。この発表を受け、米国市場では1月20日(金)にS&P500指数が1.89%上昇し高値引けとなった。
訪日外国人客数が急激に回復
パンデミック以前の日本では観光ブームに沸き、2019年の訪日外国人旅行者数は過去最高の3188万人を記録した。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により約3年間、日本政府は観光客の入国を制限していた。そして2022年10月11日、日本政府は個人旅行とビザ免除措置を再開した。
2023年1月18日、日本政府観光局(JNTO)は、2022年12月の訪日外国人旅行者数が、前月比1.5倍の137万人だったと発表した。この数字は、2022年通年の訪日客数383万1900人と比べても多いといえる。12月は韓国からの訪問者数が大幅に増加し、タイや米国からの訪問者数も回復の兆しを見せている。航空便数はまだコロナ前の水準を下回っているが、こちらも回復傾向にある。
新型コロナの5類引き下げと中国の経済活動再開が航空・ホテル業界を後押し
1月27日、岸田首相は新型コロナウイルス感染症法上の位置づけを、季節性インフルエンザと同じ5類感染症に引き下げると発表した。この変更は大型連休明けの5月8日に実行されることが決定し、日本のパンデミック規制を大きく転換させるきっかけになると見られている。
パンデミック以前の訪日観光ブームの中心的存在であった中国人観光客は、再び勢いを増している。1月21日~27日までの春節(旧正月)を前に、トレーダーは航空会社の株を買い始めた。そのため、同期間にかけてANAの株価は2,735円から2,872円に、JALの株価は2,549円から2,720円に上昇した。円高の一服やエネルギー価格の下落も、航空会社の株価上昇に拍車をかけそうだ。
1月20日の市場引け後、国内最大のホスピタリティREIT (リート)のジャパン・ホテル・リート投資法人は、2022年12月期の経常利益を従来予想の11億5000万円から26億7000万円に上方修正した。これに伴い、1口当たりの分配金を従来計画の2倍以上となる、333円から682円に大幅増額修正した。今回の上方修正は、10月の全国旅行支援開始による国内レジャー需要の増加や出入国規制の緩和による訪日旅行者数の増加などによるものだ。
なお、観光庁は2022年11月の会合で、2025年までに訪日観光客をパンデミック前の水準に戻すことを目指すと表明した。
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