日本1-3月期GDPは年0.7%成長予想 17日発表 個人消費次第で円売りも
日本の2023年1-3月GDPは2四半期連続のプラス成長の見込み。個人消費が弱ければ、ドル円やユーロ円で円売り材料となる可能性もある。
内閣府が17日午前8時50分に発表する日本の2023年1-3月期GDP速報値は個人消費の動向が焦点だ。実質成長率に関する市場予想は前期比年率換算0.7%で、2四半期連続のプラス成長の見込み。ここで個人消費の強さも確認されれば、4-6月期以降は春闘での賃上げが個人消費を後押しする可能性も踏まえ、先行きの物価上昇を示唆する結果だといえる。ただし大規模金融緩和継続を表明している日銀も、当面は底堅い個人消費を想定しており、サプライズはないといえそうだ。これに対して個人消費の弱さがみられた場合は、大規模金融緩和長期化の可能性がさらに高まり、円売り材料になるシナリオも想定される。
日本の2023年1-3月期GDPは2四半期連続プラス予想
ロイター通信のエコノミスト調査によると、実質成長率は前期比で0.2%、前期比年率換算では0.7%と見込まれている。予想通りであれば年率換算0.1%の成長だった2022年10-12月期に続くプラス成長だ。
ただ、日本の成長率は2021年に入ってからプラスとマイナスを交互に繰り返しており、状況は予断を許さない。マイナス成長となった四半期はいずれも個人消費が力強さを欠いていた。2023年1-3月期でプラス成長を軌道に載せられるかどうかはやはり個人消費の力にかかっているといえる。
個人消費は年率1.6%成長の予想
エコノミスト調査では、個人消費の伸び率は前期比0.4%と予想されている。年率換算では1.6%に相当する数字で、2022年10-12月期の1.4%を上回る。2023年1月から再開された「全国旅行支援」や3月からマスクの着用が個人の判断に委ねられたことなどから、サービス分野を中心に需要が伸びたとの見方が多いようだ。伊藤忠総研は個人消費について「前期比0.9%」という高い伸びを予想している。
一方、個人消費が物価上昇という逆風を受けていることも確かだ。日本の消費者物価指数の伸び率は1月に前年同月比4.3%という1981年12月以来41年1か月ぶりの高さを記録し、その後も3%台の伸びが続いている。厚生労働省の毎月勤労統計によると、こうした物価上昇の影響を受けて、実質賃金の前年同月比増減率は3月の速報値まで12か月連続のマイナス。みずほリサーチ&テクノロジーズは「低所得者層を中心に支出の切り詰めを余儀なくされる状況が続いた」などとして、個人消費の伸び率は前期比0.2%だったと見込む。
日銀も堅調な個人消費を予想
1-3月期の個人消費が強かった場合は国内需要の強さが物価を押し上げ続ける筋道も考えられそうだ。連合は10日に傘下労働組合の春闘での賃上げ率が3.67%だったとする5回目の集計結果を発表しており、4-6月期も引き続き個人消費が底堅く推移するとの予想も成り立つ。
日銀が11日に公表した4月の金融政策決定会合での主な意見では、日本経済の先行きについて、コロナ禍で続いた買い控えの反動や高めの賃金が「消費を下支えすることが期待される」との見方があった。4月の展望リポートでも7-9月期までは経済が緩やかに拡大していくとしており、1-3月期の大崩れは想定していないもよう。強い個人消費は日銀の見立て通りの結果だといえる。
これに対して個人消費が弱かった場合は、金融市場で日銀が大規模金融緩和を早期に解除するとの見立てはさらに後退しそうだ。ドル円相場(チャート)やユーロ円相場(チャート)では日銀が大規模金融緩和の維持を決めた4月28日に、ドル円では1ドル=大きく円安が進んだこともあり、改めて円売りの流れが強まる可能性もある。
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