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【為替】ドル円の週間展望、日米会合の見通し不透明、米ドル安・円高を意識も「急反発」には要警戒

今週のドル円は米ドル安・円高を意識しながらも、不意打ちの「急反発」を警戒したい。不透明な日米財務相会合の焦点とドル円の週間見通し。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事のサマリー

トランプ関税リスクを意識した米ドル安が止まらない。対日本円では月初来で5%超下落する状況にある。日米財務相会合を巡り今週24日(現地時間)で最終調整が行われているとの報道がある。為替議論の内容次第で円相場の反応が分かれるだろう。
今の外為市場で注視すべきは、米ドル安である。2つの理由から今週も米ドル安の進行を意識したい。ドル円の週間予想レンジの下限は138.00レベル。ドル円が急反発する場合は、145円台への再上昇が焦点となろう。週間予想レンジの上限は145.30レベル。


止まらない米ドル安、対日本円で月初来5%下落

トランプ関税リスクに起因する米ドル安が止まらない。米ドルの大まかなトレンドを示すドル指数(DXY)は先週11日に99.01と、2022年4月上旬以来の米ドル安水準まで下落する局面が見られた。月初来では約4.8%下落している。

通貨別では、南アフリカランドやブラジルレアルといったリスク性の高い新興国通貨を除き、主要通貨で米ドル安が進行している。対日本円では5%超下落する状況にある(4月18日時点)。

米ドルの月初来変動率

米ドルの月初来変動率

ブルームバーグの為替データで筆者が作成 / 4月18日時点の動向


注目の日米財務相会合、見通し不透明、予想されるシナリオ

米国のワシントンで開かれる世界銀行と国際通貨基金(IMF)の春季総会(21日~26日開催)に合わせて、日米が財務相会合の開催を巡り現地時間24日で最終調整しているとの報道がある。

米国のトランプ大統領は自国の製造業復活と輸出促進を目的とした米ドル安を志向している。スコット・ベッセント米財務長官は今月7日(日本時間8日未明)、自身のSNSアカウントで「通貨問題(currency issues)」に言及した。米ドル安が進行するなか、日米会合で米国側から円安の是正を強く求める言動がある場合、今週のドル円(USD/JPY)はさらに下値をトライする展開が予想される。

しかし、18日付の読売新聞の報道によれば、スティーブン・ミラン米大統領経済諮問委員会委員長は関税を巡る交渉について、「外国為替市場でのドル高に関する問題は核心ではない」と述べた。また、通貨問題に言及したベッセント氏は9日、Fox Businessで直近の円高については「好調な日本経済とインフレ期待の高まりによるものであり、このため日銀は利上げを行っている。これは当然のことだ(so all that’s natural)」と、最近の動きを評価しているとも取れる発言をした。

米国側は、日本政府と日銀が円安による物価の上昇を警戒していること、また円安の是正で取れる手段が限られていることを理解しているだろう。よって通貨問題が議題となっても、日米経済のファンダメンタルズを重視した現在の政府・日銀の金融政策姿勢を支持することで、今の円相場の動きに特段の懸念を表明しない可能性がある。円安の是正を巡り米国側から強いプレッシャーがなければ日米会合を無風で通過するか、円高へ振れても投機的かつ一過性の動きで終わる展開を想定しておきたい。


米ドル安継続を意識する2つの理由

今週もドル円(USD/JPY)が下値をトライするのかどうか?この点を考える上で重要なのが、米ドル安の継続にあろう。筆者は今週も米ドル安を想定している。そう考える理由が2つある。その一つが米債市場と米ドルの関係である。直近の動きで注視すべきは、金利の上昇局面での米ドル高の相関性が崩れた一方で、金利の低下局面での米ドル安の相関性が続いていることである。

米国市場が混乱してもトランプ米政権は関税交渉で強硬姿勢を貫く姿勢を見せている。よって、今後の関税交渉では各国との対立が先鋭化する状況を想定しておく必要があろう。安全資産である米国債を買う動きが続けば、「米金利の低下→米ドル安」を想定したい。一方、米金利が不安定な上昇を見せる局面では、「米国売り」の米ドル安を警戒したい。

米国10年債利回りとドル指数:1時間足 4月4日~18日

米国10年債利回りとドル指数:1時間足 4月4日~18日

出所:TradingView

米ドル安を想定するもう一つの理由が、投機筋の動きである。米国商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、非商業部門のICEドル指数のロング(買い)ポジションが急速に縮小している。一方、ショート(売り)ポジションは小幅ながらも増加した。ネット(ロングーショート)では、米ドルの売り越し(ネットショート)が目前に迫っている。トランプ関税リスクによる米ドル安の進行を警戒する動きと言える。

IMM通貨先物 非商業部門のポジション動向:ICEドル指数、週次 2024年10月以降

IMM通貨先物 非商業部門のポジション動向:ICEドル指数、週次2024年10月以降

CFTCとブルームバーグのデータで筆者が作成 / 4月15日時点のデータ


ドル円の週間見通しとテクニカルライン

米ドル安・円高を想定も「急反発」には要警戒
今週もドル円(USD/JPY)は、米ドル安・円高を意識する状況が続くと予想する。しかし、不意打ちの「急反発」には警戒が必要だろう。そう考える理由の一つが、短期間でドル円の下落幅が拡大している状況である。冒頭で述べたとおり米ドルは4月に入り、対日本円ですでに5%超下落している。昨年7月に約6.8%下落したが、それ以来の大幅下落である。

ドル円の月次変動率:2024年以降

ドル円の月次変動率:2024年以降

ブルームバーグの為替データで筆者が作成 / 2025年4月の変動率:18日までの動向

通貨オプション市場の動きにも注目したい。リスクリバーサルの動向を確認すると、1週間と1ヶ月はともにドルプット(円コール)の傾きが一服し、拡大から縮小へ転じている。同時に予想変動率も低下している。これらの動きは、ひとまずドル円の下落相場が一服し、調整の反発の可能性を示唆している。

日米会合で米国側からさらなる円安是正の要求が無い場合は、ドル円が急反発する要因になり得る。また、また4月の米経済指標-購買担当者景気指数(PMI、速報値)やミシガン大学消費者態度指数(確報値)が予想外に上振れする場合もドル円の反発要因になり得る。

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:日足 2024年6月以降

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:日足 2024年6月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 4月18日時点

節目の140.00下方ブレイクなら138.00が視野に
日足のMACD、DMIそしてADXはいずれもドル円(USD/JPY)が弱気地合いにあることを示唆している。一目均衡表は三役逆転の状況を維持している。また、週足では13週線と52週線がデッドクロスへ転じ、2023年以降の上昇トレンドを象徴するサポートラインを完全に下方ブレイクする状況にある(下の週足チャート、赤ゾーンを参照)。テクニカルの面では今週もドル円の下値トライを意識したい。

ドル円の下落局面で注目したいのが、節目の140.00の攻防である。このラインは、2023年12月と2024年9月に二度の下落相場を止めた経緯がある。今回の下落相場も止めトリプルボトムとなれば、強い反発(調整)のシグナルとなろう。しかし、現在の外為市場ではトランプ関税リスクに起因した米ドル安トレンドが進行している。この流れが変わらない限り、140.00ブレイクの方を警戒したい。

今週、ドル円が140円以下の攻防となる場合は、昨年9月16日の安値139.58レベルの攻防に注目したい。このサポート水準の下方ブレイクは、2022年の後半から2023年の夏にかけてサポートとしてもレジスタンスとしても意識された経緯のある138.00レベルを視野に下落幅が拡大するサインと捉えたい。このラインを今週の予想レンジ下限と想定したい。

サポートライン
・141.61:4月17日の安値(日足)
・141.00:サポートライン(日足)
・140.00:心理的な節目(週足)
・139.58:昨年9月16日の安値(週足)
・138.00:予想レンジの下限(週足)

145円台までの反発を想定、予想レンジの上限は145.30レベル
上で述べたとおり、今週のドル円(USD/JPY)は不意打ちの「急反発」を警戒する必要がある。

反発相場では、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。週間の予想レンジ上限は145.30レベル。この水準は、3月28日の高値と4月17日安値のフィボナッチ・リトレースメント38.2%戻しの水準にあたる。

ドル円の反発局面で最初に注目したいのが、レジスタンスラインへ転換する兆しが見られる143.00レベルの突破である。ドル円がしっかりと143円台へ上昇する場合は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準143.88レベルと10日線の攻防を想定したい。これらテクニカルラインの突破は、ドル円が144円台の攻防へシフトするサインとなろう。

日足の一目転換線が145.00手前で推移している(4月18日時点で144.95レベル)。このテクニカルラインの突破はドル円の145円台への上昇、および今週の予想レンジ上限145.30レベルをトライする重要なシグナルとなろう。

現在、日足の一目基準線が半値戻しの水準146.40レベルと重なって推移している。筆者の予想以上にドル円の反発圧力が強まる場合は、146.40台を視野に上昇幅が拡大する展開も想定しておきたい。

上で述べたとおり、今の外為市場では米ドル安が進行している。よって、ドル円の反発局面では、今回取り上げたレジスタンスラインでの「急反落」を警戒したい。

レジスタンスライン:日足
・146.41:半値戻し、一目基準線(4月18日時点)
・145.30:38.2%戻し、予想レンジの上限
・144.95:一目転換線(4月18日時点)
・143.88:23.6%戻し
・143.00:レジスタンスライン


ドル円のチャート

日足:今年の2月下旬以降

日足:今年2月以降

出所:TradingView

週足:2022年11月以降

週足:2022年11月以降

出所:TradingView


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