JPモルガン、株価反転なるか 14日に決算発表 市場予想は24%増益
JPモルガン・チェースが14日に2023年1-3月期決算を発表する。予想を超える結果ならSVB経営破綻で落ちた株価に好材料となる。
JPモルガン・チェースが14日に発表する2023年1-3月期決算は増収増益が見込まれている。JPモルガンを含む米国の大手金融グループは3月10日のシリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻後、そろって株安に見舞われており、決算の数字が予想を上回れば投資家にとって安心材料となりそうだ。一方、米国経済の先行きが不透明感を増す中、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに転じる時期も近づく。高金利は銀行業界にとっては追い風だっただけに、FRBの方針転換は銀行業界にとって収益のマイナス要因となる可能性もある。
JPモルガン決算の市場予想は増収増益
金融情報会社リフィニティブのデータによると、JPモルガンの1-3月期決算に関する市場予想は総収入が前年同期比14.4%増の約362億ドル、1株当たり利益は23.7%増の約3.4ドルと見込まれている。JPモルガンは過去3年間12回の四半期決算のうち10回で事前の市場予想を上回る総収入を発表、9回で予想を超える1株当たり利益を発表している。
株価はシリコンバレーバンク経営破綻で下落
米国の金融株はSVB経営破綻の影響で、JPモルガン(チャート)のような大手銀行も巻き込んで下落してきた。JPモルガンの6日の終値は127.47ドルで、SVB問題が表面化する前の3月7日の終値から7.3%下落している。
リフィニティブによると、直近の株価と予想年間収益から算出される株価収益率(PER)は9.9倍で、同じ大手金融グループのゴールドマン・サックス・グループ(9.2倍、チャート)やバンク・オブ・アメリカ(8.2倍、チャート)に比べて高くなっている。アナリストが提示する目標株価の平均は154.07ドルで、27人のうち5人が強く買いを推奨、14人が買いを推奨している。
米国の金融業界はこのところ、FRBが2022年3月から続けてきた利上げが収益面でプラスに働いてきた。金利が上がれば、銀行は融資をする際の金利も上げやすくなり、収益を確保しやすくなるからだ。JPモルガンの金利収益は2022年4-6月期から急激に伸びており、10-12月期の実績は前年同期比で48.5%増となっている。
一方、米国経済は最近になって減速の兆しが強くなってきた。物価上昇の要因とされてきた労働市場の強さに関しても弱い数字が目立ち、6日に発表された失業保険関連の指標は季節調整手法の見直しの影響で、新規申請件数や総受給者数がこれまでよりも上振れしている。物価上昇率は依然として高い水準にあるが、FRBが利上げを打ち止めにし、利下げへと方針転換するタイミングも近づいているとみられる。
また米国では、SVBの経営破綻の結果、金融業界に対する規制強化の話題が持ち上がっている。しかしJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは4日に公開した株主あての書簡で、規制強化について慎重な立場を強調。「脊髄反射的だったり、場当たり的であったり、政治的な意図に動かされているような対応」をとることを戒めている。金融業界にとって規制強化は経営の自由度を大きく損ねるおそれもあり、業績への懸念が持ち上がる場面も想定される。
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