米金利2.0%の攻防と米株急落リスク
11月に入り、外為市場では再び米ドル買い圧力が高まっています。その土台となっているのは米金利の上昇です。しかし、これがリスク要因となる可能性があります。そのリスクとは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
・米金利は2.0%の攻防へ
11月に入り、再び米ドル高圧力が高まっている。この土台となっているのは、米長期金利(以下米金利)の上昇である。その米金利だが、節目の2.0%突破が焦点として浮上してきた。これを達成する場合、米金利との相関性が再び高まっている米ドル相場には上昇圧力が高まろう。米雇用統計後に米金利の反発圧力が高まった事実を考えるならば、2.0%突破の鍵は米指標データの内容次第である。注視すべきは明日以降のインフレ指標、小売売上高そしてNY連銀製造業景気指数だが、これら指標データが総じて市場予想を上回る内容となれば、FEDによる追加利下げの観測が後退することで米金利は2.0%の水準を突破しよう。米金利の上昇に追随し、米ドル相場も米ドル高優勢の展開が予想される。このケースでのドル円は節目の110.00トライが焦点となろう。ユーロドルは1.09ミドルレベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。
一方、上述した米指標データが総じて市場予想を下回るケースでは、米金利の低下を予想する。低下幅の拡大要因として注視すべきは米中通商協議のネガティブ報道ではなく、米株の急落リスクである。
【米長期金利の動向】
・米株のボラティリティ・パターン
現在の米株は史上最高値圏にあり、反落しても値幅は限定的である。このようなリスク選好相場が続く状況で筆者が米株の急落リスクを警戒する理由は、ボラティリティ・パターンにある。ベンチマークであるS&P5000指数のボラティリティを確認すると「低すぎる水準」の6%台まで低下している。2018年以降、ボラティリティがこの水準まで低下すると、その後急拡大するパターンが見られる。ボラティリティが低下するということは、日々の変動幅が縮小していることを意味する。最高値圏で日々の変動幅が縮小するということは、株式市場で高値警戒感が高まっていることを示唆している。このタイミングでの冴えない指標データは、最高値圏で売り抜けようとしている投資家に利確を促す絶好の材料となろう(そして安くなったところで押し目買いを仕掛けることができる)。また、米金利の上昇が米株の反落リスクを高める可能性も意識しておくべきだろう。金利の上昇は米ドル相場にとってはポジティブでも、緩和相場に浸かり過ぎている米株にとってリスク要因であることは、昨年10月および12月の下落相場が示唆している。
【S&P500とボラティリティ】
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