NVIDIA、AI関連の新サービスを発表 企業の開発や活用をクラウドで後押し
エヌビディアが大規模言語モデルや生成系AIを用いた新サービスを発表。顧客企業は独自のデータでエヌビディアのAIを訓練できる。
米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)は21日、人工知能(AI)を活用しようとする企業向けの新しいクラウドサービスを発表した。企業は新サービスを使って、自前のデータセットを使って大規模言語モデルや生成系AIをトレーニングし、独自の機能をこなせるよう開発することができる。画像処理半導体(GPU)製造で強いエヌビディアは、AI関連事業用でも圧倒的なシェアを持つとされる。2月に発表した2022年11月-2023年1月期決算は振るわなかったものの株価は上昇しており、AI関連事業の強化で投資家の期待を集めている形だ。
大規模言語モデルや生成系AIを提供
新サービスは、膨大な言語データを学習して文章を生成する「大規模言語モデル」向けの「NVIDIA NeMo」と、画像や動画、3D映像用の生成系AI向けの「NIVIDIA ピカソ」。いずれもエヌビディアのクラウドサービス上でブラウザを通じて使うことができる。また、新薬創造向けの「NVIDIA バイオNeMo」の新モデルも発表された。
NeMoは事前に訓練された大規模言語モデルを備えており、企業は自社で用意した最新のデータセットを学習させることができる。大規模言語モデルを市場調査や顧客向けのサービスに活用する際、より実践的で正確な働きが期待できるようになるという。
エヌビディアは発表文の中で、金融情報サービスのモーニングスターがNeMoを使って、より先進的な情報サービスの開発を目指していることを紹介。モーニングスターは「企業の財務関連文章などの情報を幅広く収集して要約し、市場動向に関わる知見を素早く引き出す」といった目的でNeMoを活用しているという。
また、ピカソでも、エヌビディアのAIモデルを企業が自社のデータで訓練することが可能。AIモデルに文章で指示を出すことで、画像や動画、3D映像を作り出すことができる。バイオNeMoでは、研究者が生成系AIを用いてタンパク質や生体分子の構造や機能を再現することで、新たな医薬品の開発を加速させることが期待できるという。
アドビやゲッティとの協業も
エヌビディアはこのほかにも、次世代生成系AI開発に向けてアドビとの共同研究開発を強化することや、文章から画像や動画を生成するAIモデルの訓練についてゲッティ・イメージと提携することも発表。さらにエヌビディアのスーパーコンピューターをAI開発企業向けにレンタルする新サービスなども発表した。
エヌビディアが2月22日に発表した2022年11月-2023年1月期決算は、売上高が前年同期比21%減、純利益は53%減という減収減益だった。ただ、売上高や利益の水準は投資家の事前予想を上回り、あわせてAI関連事業の強化が発表されたこともあり、株価は値上がりを続けている。
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