円安が進む中、日経平均株価が下落
日経平均株価は6月や7月の高値から下落傾向が続いている。円安にも関わらず下落したことや、景気減速時に上昇する株が値上がりしたことで、投資家の不安を呼んだ。
日本株の主要指数は下落を続け、日経平均株価 は均衡を保てなくなってきている。17日の日経平均株価は0.44%下落し、2日連続の値下がりとなった。6月から7月にかけての33年ぶりの高値からはさらに乖離する動きとなった。
中国の景気減退懸念や米国株の健全さへの不安が、投資家の日本に対する考えに波及しているようだ。また、長引く円安は日本株にとって新たな問題となる可能性もある。
低迷する日本株
歴史的に堅調な米国株を日経平均株価が超え、投資家たちが祝杯をあげていたのは、今となってはかなり前のことのように感じられる。
日本の主要株価指数は7月頭の高値から6%以上も下落している。8月のわずかな回復も水の泡となり、6月上旬の水準に戻っている。
一方、東京電力(9501)など、景気減退時に人気が出る株は7月に大きく株価を伸ばした。電力供給量はこの1ヶ月間で16%以上上昇しており、日経平均株価の下落と反比例する形となっている。
日本株の成長を阻んでいる要因は、国外からのものだとみられている。1つ目に挙げられるのが、中国経済がデフレとなったことだ。中国のインフレ率は7月に0.3%下落し、内需の減速を表している。消費者は将来的な値下がりを期待して買い控えをするため、デフレ経済は危険とされている。
また、デフレは日本を含む海外からの輸入品の需要減を示唆することもある。
米国株は2023年前半は好調だったものの、今後は同じような成長が期待できないとの懸念が高まっている。
円安でも低迷する日経平均株価
好材料も出てきている。例えば、中国からの団体旅行解禁は、一部の旅行関連株の2桁成長に繋がっている。東京国際空港(羽田空港)を運営する日本空港ビルデング(9706)の株価は、中国が日本向け団体旅行を解禁した同日に9.8%上昇した。
これらの銘柄は、円安によって後押しされたとも言える。米国の経済が安定したことで、米ドル/円相場はこの1ヶ月間で6%も円安が進んだ。円相場は対ドルで2022年10月以来の円安をつけている。
円安は経済の不安定さを示す可能性がある一方、日本株の魅力を高める一因ともなる。大企業の多くはグローバル市場で存在感を見せているため、円安は外需の高まりにつながることがある。
しかし、円安にも関わらずほとんどの株価は急激な下落を見せている。これは投資家が市場間で投資マネーを移動させたがっておらず、安全な市場に留まっていることを示唆している。
このような国外からの日本経済や日本株への影響は、国内で問題を勃発させる引き金ともなり得る。
日本のインフレ率は諸外国と比べて低いものの、7月のインフレ率3.3%は日本銀行の目標を上回るものであった。日本の物価上昇は米国ほど減速しておらず、デフレ傾向で知られる日本のインフレ率は米国の3.2%を上回るものとなっている。
さらに、日本株の株価は未だ最高値付近を推移しているため、トレーダーや投資家は日本株のさらなる下落を恐れている可能性がある。
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