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NTTドコモの4~6月期決算、コロナと楽天参入の影響に注目

ドコモが8月3日に4~6月期決算を発表する。コロナの感染拡大や楽天の通信事業への本格参入による影響が注目される。

Source: Bloomberg

NTTドコモ<9437>が8月3日に2020年4~6月期決算を発表する。新型コロナウイルスの感染拡大や楽天グループ<4755>の移動通信事業への本格参入による影響が注目される。

利益見通し

ドコモの4~6月期連結経常利益の市場予想は2457億円。前年同期の2853億円から13.9%の減少が見込まれる。

ドコモは21年3月期の自社の業績予想について、新型コロナの影響により合理的な算定が困難として公表を見送った。今後の業績への影響を慎重に見極め、合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示するとしているが、現時点ではまだ公表に至っていない。

配当については継続性を考慮し、21年3月期の配当予想を20年3月期と同水準である1株あたり120円としている。自己株式の取得については弾力的な実施の検討を表明した。

コロナの影響

新型コロナの感染拡大が経済に深刻な影響を及ぼしているが、情報・通信業は業績が比較的安定しており、他業種に比べて打撃は小さい。

販売代理店が6月にかけて休業や営業時間の短縮を余儀なくされたため、携帯端末の販売が減少した可能性はあるが、販売奨励金などの費用の抑制により影響は限定的とみられている。6月は代理店が通常営業に戻り、端末の販売も改善している。

楽天の参入

楽天の通信事業である楽天モバイルが4月に移動通信事業に本格参入。月々2980円、さらに回線エリア内におけるデータ通信は無制限という戦略的な料金プランを提示して消費者の注目を集めた。

もっとも楽天モバイルは問題が頻発しており、不安定なイメージを払拭できずにいる。通信障害は累計で4回、総務省による行政指導も同5回に達した。基地局建設も想定されたほどには進んでいない。

楽天モバイルの本格参入により、料金競争の激化が懸念されるが、ドコモは現時点で対抗的な料金値下げは公表しておらず、静観の構え。これまでのところ、競争の影響は受けていない。

一方、KDDI<9433>とソフトバンク<9434>はメインブランドには手をつけずに、それぞれのサブブランドにおいてプラン改定を打ち出した。

KDDIは今後、UQコミュニケーションズから「UQモバイル」の譲渡を受けて自社に統合して競争力の強化を目指すという。ドコモはこれまでサブブランドの導入を否定してきたが、戦略の再考を迫られるかもしれない。

株価は割安

29日の東京株式市場でドコモは前日比5.5円(0.18%)安の2974円で取引を終えた。

1日に2815.5円まで下げた後に反発したが、この2週間は3000円の節目を前に足踏みが続いている。証券各社の目標株価の平均は約3200円で、足元は割安な状態にある。


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