【ポンド円 (GBP/JPY)】今日の変動要因は雇用関連指標 / 注目のチャートポイント
外為市場では円安優勢の状況が続き、主要なクロス円は上値をトライするムードにある。ポンド円(GBP/JPY)はテクニカルの面でさらに上値をトライするかどうか?の分岐的に差し掛かっている。今日は雇用と賃金に関連した経済指標がポンド円の変動要因となる可能性がある。注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・円安の進行を受けポンド円は、185円台へ反発している
・今日も上値をトライする場合は、186.20台の突破が焦点となろう
・ポンド円が反落する場合は、10日線の攻防に注目したい
・今日は雇用と賃金関連の経済指標が、ポンド相場の変動要因となる可能性がある
上値の焦点は186.20台の攻防
円安基調にサポートされ、主要なクロス円は底堅さを維持している。
その中でもポンド円(GBP/JPY)は現在、テクニカルの面でさらに上値をトライするかどうか?の分岐点にある。
その分岐点の水準とは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準186.22レベルである。このテクニカルポイントは、先週11日に相場の上昇を止めた経緯がある(下のチャート、緑矢印を参照)。
しかし、根強い円安を受け調整の反落は短期で終息し、昨日は高値185.75レベルまで反発した。
183.00レベルが新たなサポート水準として意識され、大陽線で184.00レベルを難なく上方ブレイクした状況に加えて(下のチャート、黒矢印を参照)、ドル円(USD/JPY)が再び146.00レベルの攻防となっていることも考えるならば、目先のポンド円の焦点は186.20台のトライそして上方ブレイクにあろう。
ポンド円が186.20台の突破に成功する場合は、187.00レベルのトライが焦点として浮上しよう。
チャート分析の観点でより注目したいのが、187.50レベルの攻防である。昨年の11月下旬にこの水準は、相場の反発を止めた経緯がある(下のチャート、赤矢印を参照)。
ポンド円のチャート:日足 23年11月以降
変動要因は雇用と賃金の経済指標
今日は、英国の雇用に関連する経済指標が発表される。失業率の低下や失業保険申請件数の減少が確認される場合は、ポンド買いの要因になり得る。
この場合は、上で述べた重要レジスタンスポイントの186.20台をトライするかどうか?トライする場合は、完全に突破できるかどうか?に注目したい。
英国 失業保険申請件数と失業率の動向:月次 23年以降
しかし、ベイリー英中銀(BOE)中銀総裁は引き続きインフレ抑制重視の姿勢を維持し、BOEの利下げ開始時期について市場の思惑が交錯している状況も考えるならば、インフレの動向に大きな影響を与える賃金動向の方が、今日のポンド相場とポンド円(GBP/JPY)の変動要因となる可能性がある。
週平均賃金の市場予想(前年比)を確認すると、賞与を除く賃金も含めて賃金インフレが鈍化する見通しとなっている。予想以上に賃金の上昇率が低下する場合は、利下げ期待を受けてポンド相場は売りで反応する可能性がある。
英国 賃金上昇率の動向:23年以降
反落の局面では10日線の維持が焦点に
雇用関連の経済指標を受けてポンド売りの圧力が高まる場合は、ポンド円(GBP/JPY)の反落相場を想定しておきたい。
ポンド円が下値をトライする場合は、10日線の攻防に注目したい(一番上の日足チャート、青ラインを参照)。この移動平均線は今日現在、184.27レベルで推移している。
10日線の下方ブレイクは、サポート水準へ転換する可能性のある184.00レベルをトライするシグナルとなろう。
ポンド円の反落局面で184.00レベルのサポート転換が確認される場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
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