【ポンドドルとポンド円】今日の展望とチャートポイント
今日のポンド相場は、英国の賃金関連指標で上下に振れる展開が予想される。ポンドドル(GBP/USD)は現在、下値トライを警戒する局面にある。対照的にポンド円(GBP/JPY)は上値トライを意識する状況にある。それぞれの展望と注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・今日のポンド相場は、賃金関連の指標で上下に振れる可能性がある
・下値のトライを意識するポンドドル、目先の焦点は1.24レベルの攻防
・一方、反発の局面では1.25レベルと10日線のトライに注目したい
・底堅さを維持するポンド円は、短期レジスタンスラインのトライが焦点に
・ドル円が崩れない限り、ポンド円の下落幅は限定的となることが予想される
焦点は賃金の動向
今日は英国の雇用関連指標が発表される。賃金関連の経済指標がポンド相場に影響を与える可能性がある。
英国の賃金インフレは抑制の傾向にある(下のチャートを参照)。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が後退する状況で英国の賃金インフレが市場の予想通りに抑制の傾向を維持する場合、ポンドは対米ドルで下値をトライする展開が予想される。
英国の賃金動向:23年以降の動向
ポンドドル:今日の展望とチャートポイント
ポンドドル(GBP/USD)のリスクリバーサルの動向を確認すると、ポンドプットへ急速に傾く状況にある。
リスクリバーサルの動きに連動し、ポンドドルも下落トレンドを形成している。
根強いインフレ圧力と経済の底堅さを受けた米金利の反発と米ドル高の影響を受け、昨日は1.25を完全に下方ブレイクした。
ポンドドルとリスクリバーサルのチャート:日足23年10月以降
次に日足チャートでポンドドル(GBP/USD)の動向を確認すると、下落基調のトレンドチャネルを形成しつつあることが分かる。そして現在は、トレンドチャネルの下限を下方ブレイクしている。また、日足のモメンタムはゼロラインを下回る状況にある。
テクニカルの面でも弱気相場のムードが漂うなか、今日の雇用関連指標がポンド売りの要因となれば、ポンドドルは1.24レベルの下方ブレイクと、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.2385レベルのトライを想定しておきたい。
この水準(1.2385レベル)は、昨年11月下旬にサポート転換が確認されている(下のチャート、黒矢印を参照)。ゆえに、今回の反落を止める可能性がある水準として注目したい。
ポンドドルが1.2385レベルをも難なく下方ブレイクすれば、1.23レベルのトライが次の焦点として浮上しよう。
ポンドドルの反発局面では、1.25レベルの攻防に注目したい。昨日はこの水準で見事に相場の戻りが止められた(下のチャート、赤矢印を参照)。1.25レベルがレジスタンスへ転換する場合は、ポンドドルの地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。
一方、ポンドドルが1.25台へ反発する場合は、10日線のトライが焦点として浮上しよう。この移動平均線は今日現在、1.2568レベルで推移している。現在の外為市場は米ドル高の状況にある。米ドル高を受けポンドドルが10日線の上方ブレイクに失敗する場合は、やはりポンドドルの地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。
ポンドドルのチャート:日足23年10月以降
ポンド円:今日の展望とチャートポイント
ポンド円(GBP/JPY)は、上値のトライを意識する状況にある。ドル円(USD/JPY)の上昇にサポートされ、昨日は21日線と10日線を一気に上方ブレイクした。
日足のモメンタムでは強気相場の勢いが増している状況を確認できないが、ゼロラインを上回る水準を維持している。また、ストキャスティクスとRSIでは相場の過熱感(買われ過ぎの状況)が意識される状況にはない。
昨日、突破に失敗した短期レジスタンスラインを上方ブレイクする場合は、直近の高値193.53レベルのトライが焦点として浮上しよう。
一方、上で述べた英国の雇用関連指標がポンド売りの要因となれば、ポンド円の反落を想定しておきたい。しかし、ドル円が大きく崩れない限り、ポンド円の下落幅は限定的となることが予想される。
ポンド円の反落局面では、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準190.36レベルを目先のサポート水準と想定しておきたい。昨日はこのテクニカルポイントが意識された(下のチャート、黒矢印を参照)。
21日線(今日現在191.55レベル)の下方ブレイクは、191.00レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。そして191.00の下方ブレイクは、190.36レベルをトライするシグナルになり得る。
ポンド円のチャート:日足23年12月以降
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