【ドル円】今日の見通しとチャートポイント
米ドル高と円安が重なり、ドル円(USD/JPY)は154円台の攻防へシフトしている。円買い介入を警戒する必要はあるが、日米の利回り格差の動向を考えるならば、今のドル円は上値のトライを意識する状況が続いている。今日の展望は?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・根強いインフレ圧力と個人消費の底堅さを受け、米金利が上昇基調を維持
・外為市場では米ドル高が進行、ドルインデックスは106ポイント台へ上昇した
・円買い介入の可能性を意識しながらも、ドル円は上値トライの状況を維持している
・ドル円、注目のチャートポイントについて
米ドル高が進行
15日の外為市場は米ドル高が進行した。
この日発表された3月の米小売売上高は、オンライン売上高の急増を背景に前月比0.7%増と、市場予想(0.3%増)を上回った。2月の確報値も上方修正し、0.9%増とした。
3月の小売売上高で個人消費の底堅さが確認された後、米債市場では10年債利回りが4.6%台へ上昇した。
米金利の上昇にサポートされ、米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は、106ポイント台へ上昇した。米金利の上昇が抑制されても米ドル高が進行した状況は、リスク回避の米ドル買い需要の高まりを示唆している。
米国10年債利回りとドルインデックスのチャート:5分足 米国の小売売上高発表後の動き
円安も重なりドル円は154円台の攻防へ
一方、この日は円安優勢の展開となった。米ドル高と円安が重なり、ドル円(USD/JPY)はIG為替レポートで注目していた154.00レベルを難なく上方ブレイクした。そして154円台の維持にも成功した。
152円を上方ブレイクして以降、ドル円の上昇幅が拡大しており、円買い介入を警戒する局面にある。
しかし、根強いインフレの圧力と個人消費の底堅さを受け米債市場では利回りが反発の基調にあること、そしてこの動きを受け、日米の利回り格差が拡大の傾向を維持している状況も考えるならば、ドル円は上値のトライを意識する状況が続いている。
日米の利回り格差とドル円のチャート:日足23年以降
ドル円:今日の見通しとチャートポイント
上昇局面でのチャートポイント
ドル円(USD/JPY)は昨日、難なく154円台へ上昇した。そしてレポート掲載時点では154円台を維持し、日足のモメンタムは強気相場に勢いがあることを示唆している(下のチャート、緑丸枠を参照)。
このままドル円が154円台で底固めの展開となれば、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
今日もドル円が上昇トレンドを維持する場合、次の焦点は155円台への上昇となろう。昨日の高値154.44レベルの上方ブレイクは、155.00レベルを目指すシグナルの一つとなろう。
ドル円が155円台の攻防へシフトシフトする場合は、V計算値の水準155.28レベルの攻防となるか?この点に注目したい。
だが、4月10日に強固なレジスタンスとして相場の上昇を止め続けた152.00レベルを突破してから、ドル円の上昇幅が急速に拡大している。ゆえに155円台を目指す過程では、政府・日銀による円買い介入の可能性を意識する必要があろう。
ドル円のチャート:日足23年12月下旬以降
反落局面でのチャートポイントは?
円買い介入以外でドル円(USD/JPY)が下値をトライする場合、目先の焦点は154円台の維持となろう。
ドル円が153円台へ反落する場合は、調整の反落相場が進行する展開が予想される。このケースでは、153.30レベルのトライを想定しておきたい。この水準(153.30レベル)をもドル円が下方ブレイクする場合は、153円台の維持が焦点として浮上しよう。フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準は153.05レベルにあたる。テクニカルの面でも153円台の維持に注目したい。
ドル円が152円台へ反落する場合は、直近高安の半値戻し152.62レベルのトライを想定しておきたい。このチャートポイントは、先週12日のNY時間にドル円をサポートした経緯がある(下のチャート、黒矢印を参照)。なお、10日線が今日現在、152.60レベルまで上昇している(上の日足チャート、緑ラインを参照)。
分足や時間足のストキャスティクスとRSIでトレンドを追い、これらが買われ過ぎの水準でデッドクロスの状況にある時は、上で述べたサポート水準のトライを想定しておきたい。
一方、これらオシレーター指標が売られ過ぎの水準へ到達した後にゴールデンクロスの状況が確認される局面で、ドル円が上で述べたサポート水準をトライする場合は、反発相場を想定しておきたい。
ドル円のチャート:1時間足4月以降
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