【ドル円】今日の見通しとチャートポイント
強弱まちまちの内容となった8月の米CPIに対して、米金利は低下で反応した。しかしドル円は上昇トレンドを維持している。今日の見通しは?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・8月の米CPIは強弱まちまちの内容となった
・8月CPIに米金利は低下で反応するもドル円は底堅さを維持している
・ドル円は今日も米経済指標にらみの展開が続くだろう
・注目しておきたい上下のチャートポイントについて
8月の米消費者物価指数と市場の反応
米労働省が13日に発表した8月の消費者物価指数(CPI)によれば、前月比は0.6%で市場予想と一致した。前年比は3.7%と予想の3.6%を上回り、前月の3.2%から加速した。
一方、コア指数は前月比で03%と予想の0.2%を上回ったものの、前年比は4.3%と市場予想と一致し前月の4.7%から鈍化した。
強弱まちまちの内容となった8月CPIに対して、米金利は低下で反応した。これは、前年比のコア指数の鈍化を重視した反応と捉えることができる。
この日の外為市場は対円やユーロで米ドル買い優勢となるも、米金利の低下が相場の重石となり、一部の新興国通貨では米ドルが下落した。
米ドル相場の動向:9月13日
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
上値の焦点は147.80の攻防
ドル円(USD/JPY)は、上値をトライする状況が続いている。
昨日の米債市場では2年債、5年債そして10年債の各利回りが小幅ながらも低下し上昇が抑制された。それでもドル円が陽線引けとなった状況は、地合いの強さを示唆している。
だが、日足ローソクは上影陽線のかたちとなっている(下の日足テクニカルチャートを参照)。高値圏での上影陽線は反落の可能性を示唆している。この点については、ドル・プットへの傾きが続いているリスクリバーサルの動向も示唆している。
ドル円とリスクリバーサルのチャート:日足 5月以降
今日もドル円が上昇トレンドを維持する場合、目先の焦点は147.80レベルの突破となろう。この水準を上方ブレイクする局面は見られるが、日足ローソク足の実体ベースでは突破に失敗し続けている。昨日は147.74レベルで上昇が止められ、147.80台での上値の重さがあらためて示された。
ドル円がこの水準(147.80台)を完全に突破する場合は、148.00レベルのトライそしてブレイクアウトが焦点として浮上しよう。
ドル円のチャート:日足 7月以降
今日の注目材料は8月の米小売売上高
イエレン米財務長官は10日、労働市場に大きな打撃を与えることなくインフレを抑制できること、そして景気後退(リセッション)の回避について非常に良い感触を持っていると述べた。
イエレン氏が言及した米国景気の先行きを考える上で、個人消費の動向は非常に重要である。今日は8月の米小売売上高が発表される。堅調な個人消費が確認される場合は、「米ドル買い→ドル円の上昇」を想定しておきたい。
また、週間の新規失業保険申請件数で労働市場の堅調さも同時に確認される場合、ドル円(USD/JPY)は147.80台だけでなく148.00をブレイクする可能性が高まろう。
逆に、8月の小売売上高が市場予想を下回れば景気の先行き懸念が意識され、米金利には低下の圧力が高まることが予想される。このケースでは、「米金利の低下→米ドル安→ドル円の反落」を予想する。
さえない8月の小売売上高に加えて、週間の新規失業保険申請件数が労働市場の軟化を示す場合は、米金利の低下幅が拡大しよう。このケースでは、ドル円の下落幅が拡大することが予想される。
米国の小売売上高の動向:月次 22年8月以降
反落局面でのチャートポイントは?
ドル円(USD/JPY)の反落局面では、147円台の維持が最初の焦点となろう。
ドル円が146円台へ下落する場合は、フィボナッチ・エクステンションの各水準での攻防に注目したい。
半値戻しの水準146.75レベルのすぐ下には、短期サポートラインが推移している(今日現在146.70レベル)。また、61.8%の水準146.52レベルのすぐ下には、21日線が推移している(上の日足チャートを参照)。
ドル円が76.4%の水準146.23レベルを下方ブレイクする場合は、146.00トライのシグナルと想定しておきたい。またこのケースでは、今週11日の安値145.90レベルの攻防が焦点として浮上しよう。
この水準(145.90レベル)が再びドル円をサポートする場合は、147.80レベルや148.00レベルをトライする状況が続く展開を想定しておきたい。
逆に、ドル円がこの水準(145.90レベル)を完全に下方ブレイクする場合は、さらなる下値トライのシグナルとなろう。
ドル円のチャート:1時間足 9月以降
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