TATERUが急反落、融資資料改ざん響き最終60%減益
・個人の不動産投資が減少
・不動産株全般に売られる、シノケン4%超安
14日前場の東京株式市場でアパートの企画・施工管理のTATERU<1435>が急反落。2018年12月期が大幅減益となったことで売りが膨らんでいる。
午前9時50分現在、前日比13円(4.48%)安の277円。一時、275円まで下げ、昨年来安値を更新した。
13日の取引終了後に発表した18年12月期連結決算は、純利益が前の期比60.4%減の15億8100万円だった。アパート建築契約において社員が顧客の融資資料を改ざんしていた問題で受注の取り消しが相次いだことが響いた。
売上高は791億4900万円だった。従来は5円としていた期末配当を見送る。
同社社員が契約時、顧客の融資が通りやすくなるよう預金残高データを改ざんし、実際より多く見せかけて銀行に提出していたことが昨年8月に発覚。同社が9月に外部弁護士らで構成する特別調査委員会を設置してこの問題を調査した結果、営業部長を含む31人の従業員が不正に関与し、調査対象とした2269件の成約物件の15%に相当する350件で改ざんが見つかった。
TATERUは19年12月期の業績見通しは「合理的な予測な困難な状況である」として開示しなかった。
個人の不動産投資減少
スルガ銀行の不正融資の発覚などで、金融庁は地域金融機関を中心に不動産融資への監督を強化した。この結果、個人投資家への融資額は減少。不動産への投資が減り、TATERUのようなアパート企画会社の経営を圧迫している。
日銀が8日公表した統計「貸出先別貸出金」によると、国内の銀行136行による18年の不動産業向け新規貸出額は前年比5.7%減の11兆1125億円。2年連続で減少した。
とりわけ減少が顕著なのが個人の貸家業向け融資(個人投資家向けのローン)で、新規貸出額は前年比16.4%減の2兆8348億円。2年連続の減少で、減少率は調査を始めた09年以降では最大だった。
不動産投資関連株
TATERU以外の不動産投資関連株も下げている。シノケングループ<8909>は34円(4.48%)安の725円で推移している。
賃貸アパートで安全基準を満たさない物件が多数見つかったレオパレス21<8848>は2円(0.78%)安の253円。
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