急浮上してきたFEDによる3月利下げの可能性
短期金融市場では、FEDの金融政策が3月にも大きく動く可能性を予測しています。これがユーロドルの上昇をサポートしている第3の要因になっていると思われます。その要因とは?そしてドル円のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
急浮上する米3月利下げの思惑
このレポートでは、外為市場の動向を予測する上でインプライド・ボラティリティとリスク・リバーサルを重視している。まずインプライド・ボラティリティ(1週間)の動向を確認すると、ドル円とユーロドルは上昇基調を維持している。今後1週間、両通貨ペアが上下に振れる可能性を市場は意識していることになる。一方、リスク・リバーサル(1週間)は全く逆の動き、つまり向こう1週間はドル円の下落とユーロドルの上昇を通貨オプション市場の参加者は予測している。現状、実勢レートはリスク・リバーサルの予測に沿って変動している。リスク回避局面では円買いと同時に米ドル買い圧力が高まり易い。しかし、今回はユーロに対して米ドルが下落し、これまでに見られないパターンが示現している。この点について27日のレポート「現在のユーロ相場と短期的な展望」では2つの要因が絡んでいると指摘した。そのうちのひとつ米長期金利(以下米金利)が過去最低水準まで急低下している現状は、第3の要因があることを示唆している。それは、3月のFOMCでFEDが再利下げに踏み切る可能性を外為市場の参加者が急速に織り込み始めたことである。短期金融市場の動向から算出される予想利下げ確率を確認すると、0.25%のそれは96.3%と急上昇している(利下げ自体は100%織り込んでいる)。数日前までの市場は6月の利下げを予測していた。しかし、その予測が一気に3月に前倒しされている現在の状況は、新型ウイルスによる米国経済へのネガティブインパクトに対する市場の警戒レベルが上昇していることを意味する。
3月米利下げの確率(市場予測)
インプライド・ボラティリティ(1週間)
リスク・リバーサル(1週間)
ドル円は109円台の維持が焦点に
さてドル円だが、今月26日のレポート「拡大する米株のボラティリティ」で指摘した109.50レベルを本日早朝に下方ブレイクした。これより目先の焦点は109円台の維持へシフトしている。このレベルはフィボナッチ・プロジェクションの中でも重要な水準と考えられている161.80%の水準にあたる。また、イランリスクが意識された時の安値107.63レベルを起点とした短期サポートラインも109.00レベルで交錯している。今日のトレンドも米株次第となろう。調整の反発となればドル円の下落圧力も一時的に後退しよう。このケースでは109円台の維持を予想する。だが、上述したリスク・リバーサルが低下局面にあるタイミングで米株がさらに下落する場合、109円割れの展開を警戒したい。VIXが39ポイント台、VXNが41ポイントまで急上昇している状況を考えるならば、その可能性は十分にある。尚、109.00にはビッドの観測あり。
ドル円のチャート分析
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