アメリカのハイテク株明暗 S&P500の原動力失速 半導体が主役に
マグニフィセント・セブン内で明暗が出てきた。7社中3社の株価は2024年に値下がり。半導体株との一部主役交代を印象づけている。
アメリカの株価上昇を引っ張ってきた大手ハイテク企業の株価で明暗が分かれている。「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる7社のうち、半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の勢いは鮮明。これに対して7社のうち3社は2024年に株価が値下がりしている。一方、半導体株の中ではマグニフィセント・セブンを超える値上がりを記録している銘柄も目立ち、S&P500種株価指数の牽引役の一部交代の印象が強い。マグニフィセント・セブンのうち4日の取引で値上がりしたのはエヌビディアだけで、今後も半導体株の人気が高まっていけば、マグニフィセント・セブン内の優勝劣敗がさらに明らかになる筋書きも考えられる。
マグフィニセント・セブン内の3社は2024年に株価が下落
2023年以降の米国株上昇の立役者はエヌビディアだ。エヌビディアの株価(NVDA)の4日の終値は852.37ドルで、前日比3.60%高。2024年に入ってからの上昇率は72.12%となり、S&P500構成銘柄の中でトップとなっている。エヌビディアの株価は2023年上半期に2.9倍になった後、下半期は17.07%高に減速していたが、再び勢いを取り戻した。
ただ、マグニフィセント・セブンの中では明暗もはっきりしてきた。電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA)の株価は2024年に入って24.28%安。アップル(AAPL)は9.05%安、アルファベット(GOOGL)は4.54%安と失速している。残る3社の中では、アマゾン・コム(AMZN)が16.88%高と健闘。マイクロソフト(MSFT)は10.34%高だ。一方、メタ・プラットフォームズ(META)は2月1日に2023年10-12月期の好決算と初めての配当金支払いを発表して株価を押し上げ、2024年の値上がり率は40.75%という高い数字になっている。
さらにS&P500には含まれていないものの、イギリスの半導体大手で日本のソフトバンクグループの子会社であるアーム・ホールディングス(ARM)の株価は2024年に入って83.66%上昇。エヌビディアをしのぐ力強さだ。
人工知能(AI)の本格普及への期待が半導体株を押し上げ
こうした半導体株値上がりの背景にあるのは人工知能(AI)の本格普及への期待だ。マグニフィセント・セブンの中でも、エヌビディアやメタともに堅調さを維持しているアマゾン・コムやマイクロソフトは、AIサービス展開の基盤となるクラウドサービスの規模が大きい。
4日の取引ではマグニフィセント・セブンのうちエヌビディア以外の6社が値下がりしたが、中でもテスラ(7.16%安)、グーグル(2.76%安)、アップル(2.54%安)の下落率が大きかった。投資家の関心がAIの開発や普及に不可欠な半導体に向かえば向かうほど、マグニフィセント・セブン内での明暗がはっきりしていく可能性もありそうだ。
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