ワクチン承認と治療薬取得のニュースで武田薬品の株価が上昇
武田薬品工業の株価は、欧州でのデング熱ワクチンの承認と、米国での阻害薬取得の発表を受け、高値で取引されている。
12月に入ると武田薬品工業(4502)の株価は、2つの重大な発表を受けて上昇した。12月8日、同社は「QDENGA®」ワクチンの使用が欧州連合で承認されたと発表した。また、12月13日には、米国の新興企業ニンバス・セラピューティクスからTYK2阻害薬の権利を取得したと発表した。
武田薬品工業は1781年に設立され、日本、米国、欧州、カナダなどの世界各地で、医薬品の研究開発、製造、販売に従事している。同社は、世界中で数多くの共同研究を行い、ワクチン分野では米国の新興バイオ企業と提携している。
例えば、ノババックス社の新型コロナウイルスワクチンである「ヌバキソビッド(Nuvaxovid)」を山口県の光工場で製造しているほか、モデルナ社の「スパイクバックス(Spikevax)」を輸入し、日本で販売している。同社の研究開発部門は、がん、希少疾患、神経精神疾患および消化器系疾患の4つの治療領域に重点を置いている。
武田のデング熱ワクチン「QDENGA」がEUで承認
先週、欧州委員会がEUでのデング熱ワクチンの販売認証を武田薬品工業に与えたとの発表を受け、投資家やトレーダーは同社の株式を買い始めた。2022年1月、世界保健機関は、デング熱の世界的な発生率が過去20年間で8倍に増加したと指摘した。
同社のグローバルワクチンビジネス部門のプレジデントを務めるゲイリー・ダブリン(M.D.)は、「EUの多くの地域にQDENGAを導入できることを誇りに思う。これにより、EU内の患者や流行地域への渡航者のためのデング熱予防の新しいツールを、医療従事者に提供できる」と述べている。ワクチンの承認が将来の業績を押し上げるとの期待から、投資家は同社の株式を購入している。また、景気の動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄へのシフトも同社の株価の追い風となっている。
さらなる好材料はニンバスの阻害薬取得
12月13日、武田薬品工業はニンバス・セラピューティクス社からNDI-034858を取得するという、ポジティブなニュースを発表した。NDI-034858は、複数の自己免疫疾患の治療薬として評価されている経口阻害薬である。
同日のニュースリリースで、同社は本契約の条件を以下のように定めている。「武田薬品工業はニンバスに契約一時金40億ドルを支払い、年間の売上高が40億ドルおよび50億ドルに達した時点でマイルストーンとしてそれぞれ10億ドルを支払う(すべて米ドル)。契約一時金の支払いには主に手元資金を充当する予定で、取引は2022会計年度末までに完了する見込みだ」
武田薬品工業は2022年の日本株で人気銘柄のひとつとなり、2022年11月の取引額は4260億円を超えている。12月の取引額はさらに多くなりそうだ。不安定なマクロ経済の状況にもかかわらず、株価は9月末の3,767円から12月30日(大納会の日)には4,111円まで上昇し、四半期で9.1%の上昇を記録している。また、年初来では31%の上昇となっている。
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