円高の加速を警戒する1週間
今週の外為市場は、円高の加速を警戒する1週間となるでしょう。特に考えるべきは米中対立リスクが与える影響です。このリスクは株安要因であると同時に実は米ドル高要因(日本円やスイスフランを除く)でもあります。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
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Analysis Highlights
・円高の加速を警戒する1週間
今週の外為市場は円高の加速を警戒する1週間となろう。そう考える理由は2つ。第1の理由は、パウエルFRB議長が23日の講演で、追加の利下げに前向きなスタンスを示したことである。第2の理由は、米中の関税報復合戦により、両国の対立リスクが長期化する可能性がさらに高まったことである。
FEDによる追加の利下げ観測(第1の理由)は、言うまでもなく米長期金利(以下米金利)の低下要因である。国際金融市場のボラティリティが拡大した昨年10月以降、米金利がドル円のトレンド決定要因となっていることはこのレポートで再三指摘してきた。今年前半の株高局面においてドル円が上昇トレンドを描くことができなかった事実も、米金利低下の影響力の大きさを示唆している。市場は9月FOMCでの追加利下げを織り込み始めているが、第2の理由である米中対立リスクがさらに激化する報道がさらに散見されるならば、9月のみならず10月以降の利下げ観測が早くも台頭しよう。また、9月以降はECBも利下げを決定する可能性が高く、他国の中銀も欧米に追随し追加の利下げを実施してくるだろう。ジャクソンホール会議を経て「緩和安競争=通貨安競争」の加速が確実視される中、黒田日銀の切れるカードは少なく、且つそれらの効果は限定的である。市場関係者はこの相場環境を「円高環境」と判断するだろう。また、米中対立リスクは株安要因であり且つ主要な新興国通貨に対する米ドル高要因でもある。「株高→円安」の関係が薄れている一方、「株安→円高」の関係は未だ健在である。米金利の低下に加え、米株をはじめとした株式市場が不安定化する可能性も考えるならば、ドル円は104円トライ&ブレイクを警戒したい。一方、クロス円 ―特に新興国通貨対日本円― は、米中対立の激化を背景とした「米ドル買い / 新興国通貨売り」による下落幅の拡大を警戒したい。
【米長期金利(10年債利回り)】
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・ドル円とユーロドルの展望
今週のドル円は下値トライを警戒する1週間となろう。焦点は引き続き米金利の動向だが、米中対立がさらに激化するならば、株安を背景とした円高圧力も加わり104.00トライを警戒したい。104.00にはオプションバリアの攻防があろう。一方、上値の焦点は21日MA(106.52前後)を上限と想定し、まずは105.00がサポートポイントからレジスタンスポイントへ転換するかどうか、この点を確認することが重要である。
ユーロドルは引き続き米金利にらみの展開が続こう。先週23日の上昇は、米中対立リスクが「米金利低下→ユーロ買い」要因であることを示唆している。だが、9月ECB理事会で利下げが確実視されている状況やイタリアの政治リスク等も考えるならば、上値は限定的と予想する。まずは短期レジスタンスラインの突破が焦点となろう。これを達成する場合は1.1240-50ゾーンおよび1.1280の各レジスタンス水準での攻防を注視する展開となろう。1.1120から1.1260にかけては断続的にオファーが観測されている。一方、良好な指標データ等による米金利の反発局面では、1.1060および1.1050の攻防が焦点となろう。これらの水準にはビッドの観測あり。
【ドル円】
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【ユーロドル】
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