焦点はECBイベントとユーロドルの動向
英ポンド相場については今週のレポートで指摘したとおり選挙後の上下動、特に反落リスクに要注意です。そして今日はECBイベントが予定されていることから、ユーロ相場の動向にも注視する必要があるでしょう。今回の理事会の焦点は?ユーロドルのチャートポイントは?マーケットレポートをご参照ください。
・FED以上にハト派の市場予測
米連邦準備理事会(FRB)は11日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、大方の予想通り現行の金融政策を維持することを決定した。今回の焦点は最新の経済およびFF金利の見通しにあったが、前者については失業率の改善(3.7%→3.5%)以外、9月時点から大きな変化は見られなかった。より注視すべきは後者だったが、来年のFF金利予測中央値(ドットチャート)が1.6%と、9月時点から横ばいだった。つまりパウエルFRBは「来年の利下げはなし」と予測していることになる。しかし昨年10月以降、「市場に後追いするパウエルFRB」という状況が続いている。連続利下げに追い込まれた今年後半の状況も考えるならば、ドットチャートよりも短期金融市場の動向をベースとした市場予測の方を重視すべきだろう。その市場予測を確認すると、インプライド・レートは来年4月以降、現行のFFレート下限1.50%を割り込んでいる。そしてインプライド・レートをベースに実際の利下げ確率を計算すると、6月もしくは7月にもパウエルFRBが利下げする可能性があると市場は予測している。FEDの緩和スタンスが継続し、さらに来年も利下げに踏み切る局面が来るとの予測がある以上、この予測を覆す程の経済成長が確認できない限り、米金利の上昇幅は今後も限られるだろう。事実、良好な雇用統計が確認され米株が史上最高値圏を維持する状況下においても、金融政策に敏感に反応する2年債利回りは1.5~1.7%台で膠着状態となっている。一方、景気動向に敏感な10年債利回りは1.7%~1.8%台でキャップ状態が続いている。
【インプライド・レート】
・ECB理事会、利上げ確率の推移そしてユーロドル1.1180の攻防
ユーロドルは1.11台へ再び上昇し、且つNYクローズ時点で1.11台の維持に成功した(11日終値:1.1128)。現状、ファンダメンタル面でユーロを買う材料はない。しかしユーロドルが上昇したということは、他の押し上げ要因があると考えるべきである。FOMC後にユーロドルが1.11ブレイクとなった事実を考えるならば、その要因のひとつが米欧金融政策の差異と考えられる。ECBによる将来の利下げ(=中銀預金金利のマイナス幅拡大)の可能性をインプライド・レートで確認すると、来年12月の理事会までマイナス0.4%台で推移している。現行のマイナス0.5%内で収まっている状況は、現時点でECBによる利下げを市場が意識していないことを意味する。実際に利下げ確率を確認すると、最も高い数値は来年10月理事会の44.1%であり、50%を超える数値は今のところ確認できない。本日のECB理事会を受けてなおこの予測が維持されるならば、ユーロドルは底堅さを維持する展開を予想する。米金利の上昇幅が抑制されているタイミングで今後、英国政治の安定化(=ユーロ買い要因)と米中貿易懸念の後退(=米ドル売り要因)が重なれば、ユーロドルは緩やかな反発基調を形成するだろう。1.11台の回復に成功したことで、目先の焦点は重要レジスタンスポイント1.1180レベルの突破である。1.1150の上方ブレイクは1.1180トライのシグナルとして捉えたい。1.1150にはオファーが観測されている。一方、下値の焦点は1.11台の維持となろう。下方ブレイクしても21日MA(1.1058前後)および短期サポートラインをブレイクしないかぎり、緩やかな反発基調が続こう。
【ユーロドル】
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。