米金利の上昇にサポートされる米ドル相場 / ポンドドルとドル円のチャートポイント
今日のポイント:『米ドル相場は金利の上昇にサポートされる展開となっている。ポンドドルは下値を目指す展開を想定したい。一方、ドル円は戻り高値の水準を見極める展開に』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利の上昇にサポートされる米ドル相場
昨日の米債市場では、長期金利(以下では米金利)が1.1480%まで上昇する局面が見られた。
ジョージア州の決選投票でホワイトハウスも議会も民主党が支配する『ブルーウェーブ』となることが決定して以降、米金利に対しては上昇圧力が高まっている。
米金利の上昇は実質金利の押し上げ要因である。事実、ここ数日の米金利の上昇に連動し、実質金利は反発の基調にある。
米金利の動向
そして実質金利の上昇は、米ドル相場の押し上げ要因である。
米ドル相場の年初来パフォーマンを確認すると、今月の6日を境にしてドル高トレンドへ転じていることがわかる。特に対英ポンドと日本円で米ドル高の展開となっている。
現在、英国では新型コロナウイルスの感染が拡大している。外為市場では感染拡大が英国経済に与える影響だけでなく、イングランド中央銀行(BoE)がマイナス金利を導入する観測も浮上している。
そしてタイミング悪く米金利に上昇圧力が高まっていることで、ポンドドルは年初から1%以上下落する(=米ドルは対英ポンドで1%以上上昇)する展開となっている。
一方、ドル円は昨年の後半以降、米金利との相関性がいち早く見られた通貨ペアである。昨日の米株は下落したが、それでも金利が上昇した事実を考えるならば、目先は戻り高値の水準を探る展開となろう。
米ドル相場の年初来パフォーマンス
ポンドドルのチャートポイント
ポンドドルは現在、短期レジスタンスラインを形成しながら下値を目指す展開となっている。昨日は21日MA(今日現在1.3541)をローソク足の実体ベースで下抜けた。
しかし、1.3450レベルでサポートされ長い下ヒゲが示現した状況を考えるならば、この水準でのポンド買い意欲の強さがうかがえる。よって、本日は1.3450レベルの攻防が下値の焦点となろう。
上で述べたように、現在はポンド売りの圧力が高まりやすい状況にある。この状況下で米金利の上昇が続けばポンドドルは1.3450を下方ブレイクし、50日MA(1.3390前後)を視野に下落幅の拡大を予想する。
一方、米金利の上昇が後退する場合は、ポンドドルの反発を予想する。このケースでは、短期レジスタンスラインのトライが焦点となろう。このラインは今日現在1.3600で推移している。
ポンドドルのチャート
ドル円のチャートポイント
目先のドル円は、戻り高値の水準がどこなのか?この点を見極める展開となろう。
テクニカル面で注目されるのが、昨年7月の高値108.16を起点とした短期レジスタンスラインの攻防である。このラインは今日現在、104.50レベルで推移している。
また、89日MAも短期レジスタンスラインと重なって推移している。昨年の夏以降、このMAはドル円の上値を抑制し続けてきた経緯がある。
これら重要ラインが重なり合う104円半ばの水準でドル円の上昇が抑制される場合、戻り高値の候補として注目したい。
104.50レベルを完全に突破する場合、次の焦点は105円台の上昇、そして昨年11月の上旬に相場の戻りを抑制した105.65前後が、次の上値の焦点として浮上する展開を予想する。
ドル円のチャート
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