米長期金利 次の焦点は?/ ドル円は調整の反落を警戒 / ユーロドルは1.20の攻防が焦点
今日のポイント:『米金利の反発基調が続いている。焦点は1.2%前後の動き。米金利の反発はドル相場のサポート要因となっている。ドル円とユーロドルの焦点は?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米長期金利 次の焦点は?
米長期金利(以下では米金利)の反発基調が続いている。先週の後半から米金利が反発し始めたが、先月29日に発表されたコアPCE(前年同月比)が1.5%(予想1.3%)の伸びとなったことを受け、反発の勢いが強まっている。
FOMC前後で米金利には低下圧力かかったが、1.0%の水準を完全に割り込むことなく、逆に現在は1.13%台へ反発している。
これら一連の動きは、他国の長期金利と比較した米債の投資妙味と金利上昇リスクの両方を意識した投資家の思惑が交錯していることを示唆している。
目先の米金利の焦点は、再び1.2%前後まで上昇した時の動きとなろう。この水準で再び反発が抑制されるならば、現在の米債市場では金利の上昇リスクよりも、1.2%前後での投資妙味の方が強く意識されていることになる。
一方、1.2%の水準を突破するならば、FEDが許容する新たな金利の水準を探る展開となろう。
米金利が1.2%に向けて反発基調を維持すれば、実質金利もそれに連動して緩やかに上昇しよう。
実質金利の上昇は米ドル相場のサポート要因である。ドル円は戻り高値の水準、ユーロドルはサポートポイントの水準がどこになるのか?この点を見極めることが目先の焦点となろう。
米長期金利のチャート
ドル円は調整の反落を警戒
ドル円は底堅さを維持している。だが、市場の短期的な思惑を反映するリスクリバーサル(1週間)は低下基調へ転じている。ここ2日間のローソク足(日足)が市場の気迷いを示す小陽線であることも考えるならば調整の反落を警戒したい。
反落局面でのドル円の焦点は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%および38.2%の水準での攻防となろう。105円前後で推移している短期サポートラインのブレイクは、これらリトレースメントをトライするシグナルと想定したい。
米金利が大きく低下しない限り、104円ミドルの水準を維持すると予想する。104.80にはビッドが観測されている。
一方、米国市場で株高と金利上昇という典型的なリスク選好相場が続けば、短期レジスタンスラインの突破と直近高値105.17のブレイクが焦点となろう。105.20にはオファーの観測あり。
ドル円のチャート①
ドル円のチャート②
ユーロドルは1.20の攻防が焦点
ユーロドルは1.20の攻防が焦点となろう。昨日は安値1.2002まで下落する局面が見られた。
ここ2日間のローソク足は、長い下ヒゲが示現しての陰線引けとなっている。1.20レベルでの買い意欲は強いが、それ以上に下落の圧力が強いことを示している。
ドル円と同じく、ユーロドルのトレンドも米金利に左右されよう。
米債への投資妙味から金利が低下する場合、ひとまず1.20がサポートポイントとして意識されよう。このケースでは、今年に入り相場をサポートしてきた1.2050の突破が焦点となろう。
この水準の突破に成功する場合、次の焦点は21日MA(1.2129レベル)のトライとなろう。
一方、1.2050レベルがサポートからレジスタンスへ転換すれば、市場参加者にユーロドルの地合いの弱さを印象付けよう。このケースでは1.20のブレイクを常に意識したい。この水準を下抜ける場合は、50%戻しの1.1975レベルの攻防に注目したい。
1.1975の水準をも下抜ける展開となれば、昨年後半にユーロドルの上値を抑制した1.19を視野に下落幅の拡大を予想する。
ユーロドルのチャート
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