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英中銀イベントとポンドドルの見通しについて

本日、英中銀(BOE)が金融政策委員会(MPC)を開催する。今回の会合で注目すべきことは?そしてポンドドルの見通しと上下のテクニカルポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※ドル円の見通しについてはこちらのレポートをご覧ください


英中銀イベントの焦点とポンド相場の展望

今日はイングランド銀行(BOE、中央銀行)の金融政策委員会(MPC)が開かれる。市場では、BOEが0.25%の利上げを決定することを織り込んでいる。よって焦点は、今後のBOEの政策動向となろう。

現在のところ短期金融市場(OIS市場)では、追加の利上げを織り込む動きが見られる。

政策金利の予想推移

政策金利の予想推移 短期金融市場の織り込み状況 / 23年5月11日 14時点


英国のインフレ動向を確認すると、3月時点で10%台(前年比10.1%)と高い水準にある。コアのインフレ率も同比6%台(6.2%)で高止まりしている。

高インフレと利上げによる景気後退の懸念はくすぶっている。だが、その一方で同国のサービス業には改善の傾向が見られる。この点はBOEが追加利上げをサポートする要因になり得る。

賃金の動向も将来のインフレに大きな影響を与える要因である。3月の賃金(週平均賃金3ヶ月)は前年比で5.9%と高止まりしている。賞与を除いたベースでも同比で6.6%と高止まりし、賃金インフレの状況が続いている。

BOEは今後の金融政策について「データ次第」を強調してくる可能性が高いが、サービス業など一部の経済活動で改善の傾向が見られることを重視し、引き続きインフレ抑制に重きを置く姿勢を維持する場合は、追加利上げの期待が高まることでポンドは対米ドルや円で上昇することが予想される。

一方、BOEが景気の先行きリスクにも配慮する姿勢を示す場合は、追加利上げに対する市場の期待が後退することで、ポンドは対米ドルや円での調整売りが予想される。

英国のインフレ率と賃金の伸び率

英国のインフレ率と賃金の伸び率 月次:2020年以降

ポンドドルのチャートポイント

上昇局面でのチャートポイント

ポンドドル(GBPUSD)は現在、1.2670レベルの攻防となっている。

1.18レベルと1.24レベルの “サポート転換” が確認され、かつ21日MA(1.2508レベル)で下支えされながら上昇トレンドを形成してきた経緯を考えるならば、ポンドドルの地合いは強い。

このタイミングで今日の英中銀イベントがポンド買いの要因となれば、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.2948レベル(1.29ミドル)を視野にポンドドルの上昇幅拡大が予想される。

この水準(1.29ミドル)は、2022年前半に相場をサポートした経緯がある。ゆえに今日以降、ポンドドルが1.29ミドルの水準を目指す場合は、この水準の “レジスタンス転換” を警戒しておきたい。

なお、ポンドドルの1.28台への上昇とその水準の維持、そして反落局面での1.2670レベルの “サポート転換” が再度確認される場合は、ポンドドルの上昇トレンドが続くシグナルと捉えたい。

ポンドドルのチャート①

ポンドドルのチャート① TradingViewの日足:22年以降


下落局面でのチャートポイント

一方、英中銀イベントがポンド売りの要因となる場合は、レジスタンスとしての1.2670レベルが強く意識されるだろう。2022年5月下旬の相場ではこの水準の突破に失敗し続け、ポンドドルは下落トレンドを形成した。

ポンドドルが1.2670レベル、または直近高値1.2680レベルで上昇が止められる場合は、21日MA(1.2500レベル)を視野に下落することが予想される。この移動平均線(21日MA)をもあっさりと下方ブレイクする場合は、“サポート転換” が確認されている1.24レベルを視野に調整の反落が進行する展開を想定しておきたい。

ポンドドルが1.24台を下方ブレイクしても、1.2350レベルで推移している50日MAでサポートされる可能性がある。

この移動平均線(50日MA)のすぐ下の水準1.2345レベルは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる。今日以降、ポンドドルの下落幅が拡大する場合は、1.24前後の攻防に注目したい。

ポンドドルのチャート②

ポンドドルのチャート② TradingViewの日足:22年12月以降

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