今週のユーロ円の展望と注目のチャートポイントについて
日欧中銀の政策スタンスの差と日米の株高を受け、ユーロ円は重要チャートポイントの「152.07レベル」を完全にブレイクアウトした。目先は調整の反落は見られるだろう。しかし、現在の地合いの強さを考えるならば、ユーロ円は新たなレジスタンスの水準を探る状況が続くだろう。今週の展望は?注目しておきたい上値の水準は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今週のドル円の見通しについてはこちらのレポートをご覧ください
サマリー
・ユーロ円は日欧中銀の政策スタンスの差と日米の株高にサポートされている
・調整の反落をこなしながらユーロ円は新たなレジスタンスの水準を探る状況が続く
・ユーロ円の上昇幅が拡大する局面では2つの水準の攻防に注目したい
・それらの水準をもブレイクアウトすれば、159.67レベルが視野に入る可能性が高まろう
政策スタンスの差と株高でさらなる上値トライを想定
クロス円でも円安が進行している。特にユーロ円(EURJPY)は、IG為替レポートで何度も取り上げてきた重要レジスタンスポイントの水準152.07レベル(フィボナッチ・リトレースメント76.4%)を大陽線で完全にブレイクアウトし、さらなる上値トライのムードが高まっている。
ユーロ円のチャート:月足
先週、ユーロ円(EURJPY)の上昇幅が拡大したきっかけは、日欧中銀の政策スタンスの差だった(15日から16日にかけてユーロ円は2.3%上昇した)。
先週15日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では追加の利上げが決定された。6月会合の焦点は、7月以降の利上げ政策の動向にあったが、ラガルド総裁は7月の会合でも利上げを行う公算が極めて大きいことを示唆した。
一方、短期金融市場の方では、7月だけでなく9月の理事会でも利上げを織り込む動きが見られる(レポート執筆時点での利上げ確率は49%台)。
9月利上げに対する市場の思惑は、今後発表される経済指標(特にインフレ関連の経済指標)やECB要人の発言で揺れ動くだろう。
しかし、植田日銀が金融緩和政策の維持を決定したこと、そして次回7月の金融政策決定会合まで1ヶ月以上あることも考えるならば(7月27日-28日に開催)、日欧中銀の政策スタンスの差はもうしばらく意識されるだろう。
ゆえに、ドル円(USDJPY)と同じくユーロ円も調整の反落を挟みながら、新たなレジスタンスの水準を探る展開が続くと予想する。
目先の焦点は2つのレジスタンスポイント
今週もユーロ円(EURJPY)が上値をトライする場合は、2つの水準に注目したい。
ひとつは、V計算値の水準157.09レベルである。もうひとつの水準は、N計算値の水準158.67レベルである。
先週の15日以降、ユーロ円は2%超上昇している。他の主要な通貨ペアと比較し、対円で最もユーロ高が進行した。この動向は、日欧中銀の政策スタンスの差が相場に与える影響の大きさを示唆している(一番下のパフォーマンスチャートを参照)。
このタイミングで、こちらの分析レポートで取り上げた中国人民銀行(中央銀行)が今週利下げを行い、日米の株高がさらに進行すれば、ユーロ円は上で述べた2つのレジスタンスポイント(157.09レベルと158.67レベル)を今週中にトライする可能性が高まろう。
ユーロ円が後者の水準(158.67レベル)を完全にブレイクアウトする場合は、先週のIG為替レポートで何度も取り上げた159.67レベル(フィボナッチ・エクステンション161.8%)を視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい(上の月足チャートを参照)。
ユーロ円のチャート
ユーロ相場のパフォーマンス:6月15日以降
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