ECB、6月利下げ見通し示唆か 11日理事会 ユーロ相場静観?
11日のECB理事会は政策金利維持の見通し。6月利下げを示唆しても、金融市場は想定通りと受け止める可能性がある。
欧州中央銀行(ECB)の金融政策が節目に近づいている。11日に開く理事会は政策金利維持が濃厚だが、ユーロ圏の物価上昇率は減速が進んでおり、利下げ環境が整いつつある。金融市場ではECBが6月に利下げに踏み切るとの見通しが強く、ECBが11日の理事会に際して今後の金融政策についてどのような情報発信を行うかが注目点だ。ただ、FX市場では利下げの織り込みが進んでいるもようで、ECBの6月利下げの確度が高まってもユーロ安にはつながらない可能性もある。
ECBは11日の理事会では政策金利維持の見通し
ECBはドイツ時間の11日午後2時15分(日本時間11日午後9時15分)に理事会の結果を発表する。ロイターがまとめた調査機関へのアンケートでは77社すべてが政策金利の維持を予想している。LSEGのデータでは、政策金利維持について投資家の動向から算出される確率は日本時間10日午前11時段階で97%となっている。
ただ、ユーロ圏では物価上昇率の低下が進んでおり、利下げの見通しは強まっている。3日に発表されたユーロ圏の3月の消費者物価指数(CPI)の伸び率は、総合指数で前年同月比2.4%となり、事前予想(2.6%)を下回る結果。食品、エネルギー、酒類、タバコを除いたコア指数の伸び率も2.9%となって、予想(3.0%)を下回った。総合指数は3か月連続、コア指数は8か月連続での物価上昇減速だ。
ECBが6月利下げを示唆しても「想定通り」の受け止めか
こうした中、金融市場では6月利下げ観測が浸透している。LSEGによると、金融市場で見込まれる6月までの利下げ確率は93%程度で、1日段階の約80%から大きく上昇した。さらに現在4.00%に設定されている中銀預金金利(政策金利の下限に相当)は12月理事会後には3.15%程度になるとみられており、年内に0.25%幅の利下げが3-4回行われると想定されている形だ。
このため11日の理事会後の声明や、クリスティーヌ・ラガルド総裁の記者会見で6月利下げへの情報発信が行われたとしても、FX市場では想定通りだと受け止められる可能性がある。実際、ユーロ圏の3月CPIで物価上昇の弱まりが確認された3日のユーロ円相場(EUR/JPY)ではユーロ高が進んだ。ユーロ圏の物価動向よりも、この日、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した米国の3月のサービス業の景況感指数が予想よりも弱かったことなどが材料視され、ユーロドル相場(EUR/USD)でユーロ高が進んだ結果だ。10日のユーロ圏相場は1ユーロ=164円台後半で取引されている。
一方、ECBが市場の見通しに反して利下げに慎重姿勢を示した場合はユーロ高が進むと想定される。また、ECB理事会の1日前にあたる日本時間10日午後9時30分に発表される米国の3月CPIの結果が上振れしてドル高が進めば、ECB理事会を待たずしてユーロ安が進む筋書きも想定されそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。