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TSMC、成長加速見通し示せるか 17日決算 半導体株に影響も

TSMCのの17日の2024年7-9月期決算は実績に加え、10-12月期の見通しも焦点。成長期待が維持されるかは世界の半導体株の行方を左右する可能性がある。

TSMC、成長加速見通し示せるか 17日決算 半導体株に影響も 出所:ゲッティ

半導体受託製造で世界最大の台湾積体電路製造(TSMC)が17日に行う2024年7-9月期決算発表では、今後の成長見通しが焦点となりそうだ。9日発表の台湾ドルベースでの総収入の実績では、7-9月期は市場予想を超える成長を示した。しかし成長のペースは鈍化しており、17日に発表される米ドルベースの総収入での結果が注目される。また、10-12月期や2025年の成長に関する言及も、人工知能(AI)ブームの先行きを占う注目点。TSMCの成長への期待が維持されれば、世界の半導体株をめぐる投資家心理を明るくする可能性がある。

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TSMCの2024年7-9月期決算は米ドル建てで成長加速の見通し

TSMCは17日午後2時(日本時間17日午後3時)に決算会見を開く。LSEGのデータによると、TSMCの7-9月期に関する市場予想は、米ドルベースの総収入が前年同期比33.12%増の230億ドル。4-6月期の32.82%増からわずかに加速する見通しだ。

一方、TSMCは9日に9月の台湾ドルベースでの総収入を発表。これを踏まえた7-9月期の総収入は39.0%増の7596.92億台湾ドルとなった。市場予想の約7470億台湾ドルを超えたものの成長率は4-6月期の40.1%から減速しており、17日発表のドルベースでの総収入で市場予想を超えられるかが注目されそうだ。

また、TSMCがアメリカで上場している米国預託証券(ADR)ベースでの1株当たり利益(EPS)は、前年同期比36.43%増の1.76ドルと見込まれている。TSMCは過去14回の四半期決算のうち3回で総収入が市場予想を超えられなかった。1株当たり利益では14回すべてで市場予想を超えている。

TSMCの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

TSMCの株価は7月の最高値に接近中

TSMCのADRでの株価(TSM)は9日の終値で187.14ドル。7月10日につけた最高値(191.05ドル)が近づいている。TSMCの株価はこの最高値をつけた後、米国のドナルド・トランプ前大統領の台湾防衛をめぐる発言などで急落。8月5日には147.95ドルをつける場面もあったが、改めて最高値更新を目指している形だ。

LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は23.38倍。前回の決算発表前にあたる7月中旬の26倍程度から、やや割安になっている。また米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア、NVDA)の35.53倍や、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)の33.56倍と比べた場合でも、割安といえる。アナリストが提示する目標株価の平均は200ドル程度だが、10月に入ってからは250ドルに引き上げる動きもある。16人のアナリストのうち8人は強い買い、7人は買いを推奨。1人は維持を勧めている。

TSMCは10-12月期の成長が減速する予想 決算会見の内容にも注目

また、TSMCの決算発表をめぐっては、業績の今後の見通しも焦点となりそうだ。スマートフォンや高性能コンピューターに用いられる半導体を製造するTSMCの顧客には、エヌビディアやアップル(AAPL)などが含まれており、TSMCの成長見通しは世界の半導体株やハイテク株の業績を占う側面がある。

LSEGによると、金融市場の予想ではTSMCの10-12月期の総収入は247.55億ドルになる見通し。前年同期比では26.15%増にあたる水準で、成長の鈍化が見込まれていることになる。TSMCが17日に示す10-12月期の業績見通しがこの水準を超えることは、世界の半導体株にとっての最低限のハードルになりそうだ。また、魏哲家(シーシー・ウェイ)CEOが決算会見で、2025年の業績や半導体市場の見通しに言及すれば、投資家心理を揺らす可能性がある。

エヌビディアなどの世界の半導体株は9月から上昇基調

半導体市場の先行きをめぐっては、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング(ASML)が日本時間16日午後2時に発表する7-9月期決算も注目される。ASMLは半導体の回路の幅を数ナノメートルまで細くした最先端半導体の製造に必要なEUV露光装置で圧倒的なシェアを持ち、TSMCにも製品を供給している。

TSMCやエヌビディア、英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)、日本の半導体検査装置大手のアドバンテスト(6857)などの株価はそろって9月以降の上昇基調をたどっている。TSMCの業績見通しの明るさが維持されるかどうかは、AIブームの継続性への期待を左右し、世界の半導体株に影響しそうだ。

エヌビディア、アーム・ホールディングス、TSMC、アドバンテスト、ASML、東京エレクトロンの株価の推移

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