米ドル相場の状況とドル円のチャートポイント
週明けのグローバル市場は大荒れの展開となりました。米株のボラティリティの高止まりが続く限り、投資家のリスク回避的な売買は続くでしょう。このような状況下での外為市場の焦点は?ドル円のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご参照ください。
これまでのリスク回避局面とは違うこと
現在のグローバル市場が、リスク回避局面にあることは誰の目にも明らかである。しかし、外為市場では2018年以降発生してきたリスク回避局面 -米中貿易リスクやFEDの政策リスク- とは違う点がひとつある。それは主要な先進国通貨で米ドル安が急速に進行していることである。この点を月初来の騰落率で確認すると、原油安ショックに直面しているカナダドル以外の通貨で、米ドルは売り優勢の展開となっている。
米ドル相場のパフォーマンス
対日本円やスイスフランで米ドル安が進行するのは、過去に何度も見られたパターンである。しかし、対ユーロでも米ドル安が進行している状況は、米長期金利(以下米金利)とユーロドルとの相関関係が急速に高まっているからである。実際に比較チャートで確認すると、2月下旬以降、米金利に対して低下圧力が高まると、米ドルは対ユーロで下落幅が拡大している。新型コロナウイルスの感染拡大と世界経済の減速という両リスクが意識され続ける限り、米金利には低下圧力がかかり続けよう。今週のユーロドルは、調整を挟みながら「米金利低下→米ドル安」を土台に上昇トレンドを維持すると予想する。
米独利回り格差とユーロドル
ドル円のチャートポイント
通貨オプション市場のリスクリバーサルも米ドル安の進行を警戒すべきフェーズにあることを示唆している。主要通貨ペアの中で最も米ドル安が進行する可能性が高いと思われるのがドル円であることを、以下のチャートおよび上記のパフォーマンスチャートは示唆している。
目先の焦点は、昨日相場をサポートした101.17レベルの維持である。だが、金利の低下による米ドル安と株安による円買いという2つのプレッシャーに直面している状況を考えるならば、注視すべきは100円台への攻防シフトだろう。目先は100.65-70レベルの攻防に注目したい。この水準は2011年の安値75.50レベルと2015年の高値125.85のリトレースメント50%の水準にあたる。この水準をも下方ブレイクする場合は、節目の100.00トライのシグナルとして警戒したい。101.00にはビッドが観測されている。100.50にもビッドの観測あり。
一方、株式市場の一時的な反発でドル円の下落圧力が後退する局面では、昨日の東京タイム後半から上値をレジストし続けた103.00の突破が焦点となろう。103.00にはオファーが観測されている。
リスクリバーサルの動向
ドル円チャート
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