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米1-3月期成長率が上方修正 個人消費上振れ 金利上昇がドル高圧力に

米国の2023年1-3月期GDP改定値の成長率が1.3%に上方修正された。物価上昇率も速報値から高まっており、ドル高を後押ししている。

出所:ブルームバーグ

米国経済の底堅さが改めて確認され、ドル高圧力が増している。米商務省は25日、2023年1-3月期GDP統計を速報値から上方修正する形で改定。同時に発表した1-3月期の物価上昇率も食品とエネルギーを除くコア指数で伸び率が拡大される方向で見直された。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを継続するとの見方は次第に強まっており、金利の先高観から2年物米国債の利回りは8営業日連続で上昇し、2か月超ぶりの高さになっている。

米国の2023年1-3月期成長率は1.3%

1-3月期GDP改定値の成長率は前期比年率換算で1.3%となり、速報値の1.1%から上振れた。ロイター通信のエコノミスト調査での事前予想(1.1%)も上回り、想定以上の経済の強さが明らかになったといえる。GDP全体の7割を占める個人消費の伸びが3.7%から3.8%へと修正されたことが影響した。設備投資の伸び率も0.7%から1.4%へと見直された。

米国の2023年1-3月期GDPの改定値と寄与度の推移

こうした経済活動の底堅さは物価の動きにも影響している。1-3月期の個人消費物価支出(PCE)物価指数は、コア指数の伸び率が5.0%となり、速報値の4.9%から上方修正された。総合指数は速報値と同じ4.2%だった。

2年物米国債利回りは地銀破綻時以来の高さに

25日の米国の金融市場では、FRBによる1年以上にわたる利上げにも関わらず米国経済が十分に減速していない状況を踏まえ、FRBが6月13、14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げするとの見方が再燃している。金融情報会社リフィニティブのデータによると、政策金利の影響を反映しやすい2年物米国債の利回りは25日に4.51%まで上昇。2年物国債の利回りは15日には4.004%だったが、16日から8営業日連続で前日から金利水準が上がる状況となっている。4.5%台はシリコンバレーバンクが経営破綻した3月10日以来だ。

この間、ドル円相場(チャート)もドル高基調が続いている。リフィニティブによると、ニューヨーク外国為替市場の円相場は25日に一時、1ドル=140.23円をつけた。140円台をつけるのは2022年11月23日以来となる。

2年物米国債利回りとドル円レートの推移

CMEグループのデータによると、6月のFOMCでの0.25%利上げについて、投資家の動向から算出される確率は、日本時間26日午前9時すぎの段階で51.7%となった。その後は40%程度まで下がっているが、10日に4月の消費者物価指数(CPI)が発表された際に強まった利上げ見送り観測は大きく後退している。

一方、26日に日本の総務省が発表した5月の東京都区部の消費者物価指数(CPI、中旬速報値)の伸び率は、生鮮食品を除くコア指数で前年同月比3.2%。市場予想の3.3%を下回り、3月、4月と続いてきた予想からの上振れはなかった。日本銀行の植田和男総裁はこのところの報道各社とのインタビューで、大規模金融緩和の継続姿勢を強調している。

26日に発表される4月のPCE物価指数では、コア指数の伸び率は前年同月比4.6%とみられているが、上振れした場合は改めて日米の金利差が意識される可能性もある。


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