金融政策の方向性を意識する状況に / ドル円とユーロドルのチャートポイント
サマリー:「9月のFOMC以降、米金利は上昇トレンドにある。利回りの上昇は米ドル相場のサポート要因となっている。しかし、各通貨ペアでパフォーマンスに違いが見られる。その理由とは?ドル円とユーロドルのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
金融政策の方向性を意識する状況に
・FOMC以降の米金利
米債市場では、利回りの上昇が続いている。長期金利(10年債利回り)は昨日、6月下旬以来となる1.51%台まで上昇する局面が見られた。金融政策の方向性に敏感な2年債と5年債の利回りの上昇も目立つ。
9月FOMC(21~22日開催)以降、利回りの上昇が続いている状況は、米金融政策の正常化に向けFRBのスタンスが徐々にタカ派寄りになっていることを意識した動きと言える。
そしてドルインデックスが93ポイント台をしっかり堅持している状況を考えるならば、利回りの上昇は米ドル相場のサポート要因となっている。
米金利の動向
・米ドル相場のパフォーマンス
米金利の上昇に加えて、米国の株式市場がひとまず反発のムードにあることで、外為市場では日本円が売られやすい状況にある。この点を米ドル相場の年初来パフォーマンスで確認すると、対円(JPY)で米ドル高が進行していることがわかる。豪ドル(AUD)やユーロ(EUR)に対しても米ドル高が進行している。
対照的にNZドル(NZD)、ノルウェークローネ(NOK)、英ポンド(GBP)そして加ドル(CAD)での米ドル買いは限定的である。これら通貨ペアに共通しているのは、すでに利上げに踏み切っているか、これから量的緩和の縮小(テーパリング)や利上げといった金融緩和政策からの脱却に向けて動き出す可能性の高い国の通貨であるということだ。
米債市場と同じく、外為市場でも金融政策の方向性を意識した状況にあることを下のパフォーマンスチャートは示唆している。
米ドル相場の年初来パフォーマンス
ドル円とユーロドルのチャートポイント
・ドル円
ドル円(USDJPY)は昨日、111円台へと到達した。
日足チャートを見ると、111.00で上昇が止められていることがわかる。よって、今日の焦点は111.00の突破とその水準の維持となろう。
ドル円が111円台へしっかりと乗せてくる場合、次の焦点は7月2日の高値111.65レベルのトライおよび突破である。米金利が上昇トレンドにあることを考えると、111.65トライの鍵は米株の動向にある。今日の米国市場が典型的なリスク選好相場(金利上昇 / 株高)となれば、111.65を視野にドル円のさらなる上昇を想定しておきたい。
逆に、金利と株式のどちらか一方が低下(下落)する場合は、111.00前後で調整の反落を警戒したい。このケースでは、直近高安のフィボナッチ・リトレースメントの水準での攻防に注目したい。昨日は23.6%のすぐ下の水準(110.52レベル)で反転した。また今日現在、半値戻しの水準には21日EMAが推移している。
ドル円のチャート
・ユーロドル
昨日のレポートで指摘したとおり、ユーロドル(EURUSD)は下落トレンドを維持している。
FRBとECBの政策スタンスの違いに加えて、今はドイツ政治の停滞リスクも意識されやすい状況にある。また、先週のさえない欧州指標データの内容も考えるならば、今日もユーロドルは下値をトライする展開を意識しておきたい。
目先の焦点は、1.1680レベルの攻防である。今月22日以降、この水準がサポートポイントとして意識されている。
1.1680レベルを下方ブレイクする場合、次の焦点は8月20日の安値1.1662レベルの攻防となろう。
一方、米金利の低下などでユーロドルが反発する場合は、10日EMAのトライが焦点となろう。今月22日以降、10日線はレジスタンスラインとして意識されている。このEMAは今日現在、1.1728レベルで推移しているが、この水準は昨日の高値レベル(1.1726)と重なる。
ユーロドルのチャート
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