低下基調の米金利 横ばいの実質金利 / ドル円とユーロドルのチャートポイント
サマリー:『米金利が低下しても実質金利は横ばいで推移。ゆれに米ドル売りは限定的。ドル円とユーロドルはレンジ相場を予想。上下のチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
低下基調の米金利 横ばいの実質金利
昨日の米債市場で長期金利(以下米金利)は、1.51%台まで低下する局面が見られた。しかし期待インフレ率も低下基調にあるため、米ドル相場のトレンドに影響を与える実質金利(10年)はマイナス0.8%台での横ばい推移が続いている。
昨日の動向は、期待インフレ率が低下基調にある状況で米金利が低下しても、米ドル相場への影響は限られるということである。事実、昨日のドルインデックスは小幅に反発した。
だが、米ドル相場が反発基調へ転じるためには、やはり米金利の上昇が条件となろう。米金利が反発するかどうか?まずは10日の5月CPI(消費者物価指数)の反応が焦点となろう。
実質金利とドルインデックスのチャート
ドル円とユーロドルはレンジ相場を予想
外為市場は、ECB理事会、米CPIそしてFOMC(6月15-16日)待ちのムードとなっている。よって、今日も主要な通貨ペアはレンジ相場を予想する。
▶ドル円(USDJPY)
今日のドル円(USDJPY)は下限を50日EMA(今日現在108.95レベル)、上限を110.30台としたレンジ相場を予想する。
50日線をトライするシグナルとして注目したいのが、104.40(2/10安値)を起点とした短期サポートラインの下方ブレイクである。このラインは今日現在、109.22レベルで推移している。今週に入り109.20前後では相場をサポートする局面が見られる。
なお、50日線のすぐ下の水準108.91レベルには、標準偏差回帰分析バンドの下限が推移している。一方、モメンタムは低下基調にあるが、ゼロラインより上の水準で推移している。
これらの動向を考えると、ドル円は短期サポートラインをブレイクする可能性はあるが、50日線とバンドの下限が重なる108.95 前後の維持には成功すると予想する。
一方、上値の焦点は110円台への再上昇となろう。110円台へ上昇する場合、110.30台で反落する展開を想定したい。標準偏差回帰分析バンドの上限は、今日現在110.36レベルで推移している。
ドル円のチャート
▶ユーロドル(EURUSD)
ECB理事会を控えていることから、今日のユーロドル(EURUSD)もレンジ相場を予想する。
ユーロドルは現在、21日EMA(1.2164レベル)の攻防となっている。モメンタムは反発基調にあるが、ゼロラインを明確には上回っていない。また、上で述べた米実質金利の動向と昨日発表された独指標データのさえない内容も考えるならば、今日は21日線を下方にブレイクし、50日EMA(1.2106レベル)を視野に下落する展開を警戒したい。
だが、特段のユーロ売りや米ドル買いの材料がない中では、4月の中旬以降、ユーロドルをサポートし続けている50日線をブレイクする可能性は低い。
一方、21日線にサポートされる展開が続く場合は、1.22のトライが焦点となろう。
しかし、反発に勢いが見られない状況を考えるならば、1.2260をトライする可能性は低い。
今月3日の大陰線高値1.2215レベルで上値が抑制される展開を想定しておきたい。1.2215のレベルは、今月2日の反発(ユーロ買戻し)を抑制した経緯もある。
ユーロドルのチャート
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