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【ドル円の週間見通し】二転三転のトランプ関税に日米交渉の思惑、米ドル安・円高を意識、反発局面での「急反落」を警戒

今週のドル円も下落相場(米ドル安・円高)を意識したい。反発の局面では「急反落」を警戒したい。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事のサマリー

トランプ米政権が相互関税を発表して以降、外為市場では米ドル安が進行している。対照的に日本円とスイスフランが選好されている。今週のドル円も米ドル安・円高を意識する状況が続くと予想する。週間予想レンジの下限は節目の140.00レベル。ドル円の反発局面では「急反落」を警戒したい。週間予想レンジの上限は148.40レベル。


米ドル安進行、受け皿となる日本円とスイスフラン

外為市場で米ドル安が進行している。トランプ米大統領が相互関税を発表した4月2日(日本時間4月3日早朝)以降、明確に米ドル高と言えるのは対ノルウェークローネのみで、それ以外のG10通貨では横ばいもしくは米ドル安優勢の状況にある。

米ドルの変動率:対G10通貨、4月3日~11日

米ドルの変動率:4月3日以降

ブルームバーグの為替データで筆者が作成

米ドル安の受け皿となっているのが日本円である。4月3日以降、対G10 通貨で日本円は円高優勢の状況にある。対米ドルでは4%上昇している。

日本円以上に選好されているのがスイスフランである。対スイスフランで日本円は3.8%下落している。日本円とスイスフランはリスク回避の局面で上昇する傾向にある。これら通貨が同時に買われる今の状況は、投資家心理の悪化を示唆している。

日本円の変動率:対G10通貨、4月3日~11日

日本円の変動率:4月3日以降

ブルームバーグの為替データで筆者が作成


米国債も米ドルも「リスク資産」に

ブルームバーグのデータによれば、米国の10年債利回りは先週11日の市場で、4.586%まで上昇する局面が見られた。9日の市場では20年債と30年債が同時に5%へ到達する局面が見られた。先週の米債売りについて市場では、デリバティブ取引による売りや日本などの海外金融機関の売りなどの憶測が流れている。

今後注視すべきは中国政府の動きとなろう。先週8日に3年債、9日に10年債の米国債入札が行われたが、中国は参加しなかったとの情報が流れた。米財務省の対米証券投資統計によれば、中国政府は今年の1月時点で米国債を7,608億ドル保有している。昨年12月の7,590億ドルから増加した。しかし2014年以降、中国政府は米国債の保有を徐々に減らしている。米中間では関税の報復合戦が激化している。インフレ再燃のリスクが意識されるなか、中国が米債売りのカードを切る可能性も考えるならば、今週も米債市場の不安定な動きが続くことを警戒したい。

安全資産である米国債が「リスク資産」として意識されている今の状況は、米ドルの「リスク資産」化の要因となっている。米ドル相場の大まかなトレンドを示すドル指数(DXY)は先週、節目の100ポイントを一気に下方ブレイクし、2022年4月上旬以来のドル安水準99.01レベルまで急落する局面が見られた。

ドル指数と米10年債利回りの動向:1時間足、4月2日~4月11日

ドル指数と米10年債利回りの動向:1時間足

出所:TradingView


ドル円 今週の見通しと注目のテクニカルライン

二転三転のトランプ関税、日米交渉の思惑、今週も米ドル安・円高を意識
米国の税関・国境取締局は11日、トランプ米政権がスマートフォンやコンピューターなどの電子機器を相互関税の対象から外したと発表した。一方、ラトニック米商務長官は13日の米ABCテレビのインタビューで、相互関税の対象外とされた電子関連の製品について、国家安全保障の観点から今後導入される半導体関連の関税対象に含まれると述べた。1〜2カ月後に打ち出される可能性があるとの見通しも示した。二転三転するトランプ関税は米債市場の不安定化を促す要因となろう。外為市場では米ドル安を警戒したい。

相互関税を巡る交渉のため、赤沢亮正経済財政・再生相が17日にも訪米しベッセント財務長官と協議する予定である。ベッセント氏は関税だけでなく、通貨問題についても議論する意向を示している。通貨(為替)は財務省の分野である。加藤勝信財務大臣は今月下旬にもベッセント氏と協議の場を設ける意向を示しているが、日米交渉を巡り円安是正を先取りする動きが出る可能性がある。円高の進行を警戒したい。

通貨オプション市場では、リスクリバーサルのマイナスが拡大している(ドルプットオーバー)。1週間と1ヶ月のリスクリバーサルはともに、昨年夏のリスク回避相場の水準にある。(1週間:-3.100、1ヶ月:-3.375、11日時点)。一方、予想変動率は上昇している。特に1週間のそれは11日時点で19%と、昨年8月のリスク回避相場の水準まで上昇している。ドル円の下落を意識する状況が続いている。

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:日足 2024年6月以降

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:日足 2024年6月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 4月11日時点 / デルタ:25%

今週のサポートライン、予想レンジの下限は140.00レベル
ドル円(USD/JPY)のトレンドを日足チャートで確認すると、右肩下がりのトレンドチャネル内で推移している。日足のMACD、DMI、ADXのトレンドや週足の13週線と52週線のデッドクロスは、いずれもドル円が弱気地合いあることを示唆している。上で述べた二転三転するトランプ関税と日米交渉に対する市場参加者の思惑、そして通貨オプション市場の動向も考えるならば、今週のドル円も下値トライ(米ドル安・円高)を警戒したい。

ドル円の下落局面では、先週11日の安値142.05レベルの攻防に注目したい。143.00の下方ブレイクは、142.05をトライするサインと捉えたい。142.05の下方ブレイクする場合は、141.00を視野にドル円の下落幅が拡大する展開を想定したい。

ドル円が140円台へ下落する場合は、2023年1月と2024年7月高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準140.49レベルの攻防が焦点に浮上しよう(週足チャートを参照)。このテクニカルラインの下方ブレイクは、節目の140.00をトライするサインと考えたい。このラインを今週の下限と想定したい。

サポートライン
・143.00:サポートライン
・142.05:4月11日の安値(日足、週足)
・141.00:サポートライン
・140.49:61.8%戻し(週足)
・140.00:予想レンジの下限、心理的節目(週足)

今週のレジスタンスライン、予想レンジの上限は148.40レベル
今週、米ドルの買い戻し要因として注目したいのが、16日の3月小売売上高である。ブルームバーグがまとめた市場予想では、国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア指数(コントロール・グループ)を含め、3月の個人消費は堅調な伸びを示すことが見込まれている。

米国 小売売上高:直近1年間

米国 小売売上高:直近1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成

3月の米小売売上高が米ドル買いの要因となりドル円が反発する場合は、日足と週足のチャートにまとめたフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。特に、日足の一目転換線、基準線そして10日線がすぐ下の水準で展開している日足チャートのフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準146.92レベルは、レジスタンスラインとして意識される可能性がある。このテクニカルラインの突破に成功すれば、147円台の攻防へシフトしよう。

現在のドル円は、変動幅が拡大しやすい状況にある。反発相場に勢いが増し147円台へしっかりと上昇する場合は、日足の半値戻しであり週足の38.2%戻しでもある148.40レベルまでの反発を想定したい。この水準を今週の予想レンジの上限と想定したい。しかし、今のドル円は弱気地合いにある。反発の局面では今回取り上げたレジスタンスラインでの「急反落」を警戒したい。

レジスタンスライン
・148.48:38.2%戻し(週足)
・148.43:半値戻し戻し(日足)
・146.92:38.2%戻し(日足)
・146.02:23.6%戻し(週足)
・145.06:23.6%戻し(日足)


ドル円のチャート

日足:2025年以降

日足:2025年以降

出所:TradingView

週足:2023年7月以降

週足:2023年7月以降

出所:TradingView


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