円安けん制の効果なくドル円は127円台の攻防へ / ユーロドルは1.07ミドルのトライ&ブレイクが焦点に
ドル円は本日朝に127円台へ上昇。国内からは円安をけん制する言動が相次いでいるが効果は限定的。ドル円は引き続き上昇トレンドを意識する局面にある。ユーロドルは1.08を完全に割り込む展開に。目先の焦点は1.07ミドルのトライ&ブレイク。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
円安けん制の効果なくドル円は127円台の攻防へ
【サマリー】
・国内からは円安けん制の言動が相次ぐも効果なし
・ドル円は上昇トレンドの維持を想定
・現状、ドル円の反落要因は米金利の低下くらい
・ユーロドルは1.07ミドルのトライ&ブレイクが焦点に
・ユーロドルの反発局面では1.08のレジスタンスポイント転換を確認
・相次ぐ円安けん制も効果なし
国内からは、急速に進行している円安についての懸念とその動きをけん制する言動が相次いでいる。鈴木俊一財務相は先週12日と13日に「急激な変動は望ましくない」と述べ、松野博一官房長官も13日に「為替の安定は重要であり急速な変動は望ましくない」と指摘した。そして18日の衆議院決算行政監視委員会では黒田日銀総裁が「急速な円安の場合はマイナスが大きくなる」と発言した。政策のキーマン達から円安をけん制する言動が相次いでいるが、ドル円(USDJPY)は本日9時前に127円台へと上昇した(高値127.223まで上昇)。
日米の金融政策スタンスの差が、今のドル円上昇の土台になっていることを考えるならば、今後円安けん制の言動が聞かれても、その効果は限定的と想定しておきたい。仮に効果がある場合は、ドル円の買い場を提供する要因となることが予想される。
ドル円のチャート
・ドル円は上値トライ継続を意識する局面に
株安や円安けん制の言動を受けてなお、ドル円(USDJPY)が上昇し続けている今の状況を考えるならば、今日以降は127円台の攻防を想定しておきたい。
次に注目すべき上値のポイントは、18日のレポートで指摘した1997年5月高値の127.51レベルのトライ&ブレイクとなろう。だが、この水準は過去に付けた高値というだけのことであり、多くのトレーダーや投資家が注目しているテクニカルポイントではない。
原油先物相場が再び上昇していることを考えるならば(価格が高止まりする可能性があることも考えるならば)、インフレのリスクと米FRBの金融引き締めペースの加速を意識した利回りの上昇は続くことが予想される。よって、現状では127.51レベルのブレイク、そしてさらなる上値トライを意識する局面にある。
一方、ドル円が反落する要因は少なく、目下のところ米金利の低下くらいしか見当たらない。米国株が下落しても米金利が上昇トレンドにある現状を考えるならば、今は原油安を米金利の低下要因として意識しておきたい。
ドル円のチャート
ユーロドルは1.07ミドルのトライ&ブレイクが焦点に
・完全に1.08レベルを割り込んだユーロドル
ユーロドル(EURUSD)は、完全に1.08を割り込む展開となっている。昨日のNYタイムの戻りの弱さ(1.0780台で反発が止められた状況)を考えるならば、1.08レベルがサポートからレジスタンスのポイントへ転換する可能性が出てきた。実際にこの状況が確認される場合、市場参加者にユーロドルの地合いの弱さを印象付けよう。
・焦点は1.07ミドルのトライ&ブレイク
対資源国通貨や新興国通貨でもジワリと米ドル買いの圧力が高まってきた状況を考えるならば、ユーロドル(EURUSD)は下値トライを意識すべき局面にある。この点は、通貨オプション市場のリスクリバーサルも示唆している。1週間のそれはユーロ・プットへ傾いている。
ユーロドルが続落する場合、目先の焦点は、先週14日の安値1.0757レベルのトライ&ブレイクである。テクニカルの面(フィボナッチ・プロジェクション)で重要な1.07ミドルの水準で2度下値がサポートされる場合は、1.08レベルがレジスタンスポイントへ転換するかどうか?を確認したい。
逆に1.07ミドルをも完全に下方ブレイクする場合は、18日のレポートでも指摘したとおり1.07、1.06およびフィボナッチ・プロジェクション100%の水準1.0493(1.05レベル)のいずれかで反転するかどうか?この点が焦点となろう。
ユーロドルのチャート
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