米金利の低下でドル安優勢 / ドル円とポンドドルの焦点
サマリー:「パウエル証言で米金利は再び低下。外為市場では米ドル安優勢の展開に。ドル円とポンドドルは移動平均線の攻防が焦点に」。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利の低下でドル安優勢
14日の海外外為市場は、金利の低下を受け米ドル安優勢の展開となった。
パウエルFRB議長はこの日、米下院委員会に出席し証言をした。事前原稿では、経済の回復について資産購入ペースを縮小させるだけの進展はまだ見られないと指摘。労働市場については最大雇用までの道のりは遠いとし、インフレの加速については「一時的」であり、今後数か月で鈍化するとの認識を示した。
一連の発言を受け、米債市場では2年債利回りと10年債利回りが低下した。利回りの低下は米ドル売り要因となり、ドル円(USDJPY)は110円割れの展開に。安値109.93レベルまで下落した。
ユーロドル(EURUSD)は1.1838レベルまで反発。しかし、10日EMA(今日現在1.1843レベル)の手前で上値が抑制された。
ポンドドル(GBPUSD)も反発したが、21日EMA(今日現在1.3887レベル)で上値が抑制された。
米金利のチャート
ドル円の焦点
反発基調にあった米金利だが、パウエルFRBの慎重スタンスを受け、再び低下の圧力が高まっている。
米金利との連動性が高いドル円(USDJPY)は大陰線の示現で、50日EMA(今日現在109.93レベル)を再びトライしている。米金利の低下が続く場合は、7月上旬の下落トレンドを止めた109.50レベルの攻防が焦点となろう。
ドル円が50日線を下方ブレイクする場合は、89日EMA(109.23レベル)の攻防に注目したい。109.20前後は6月上旬のサポートポイントである。
今日は、7月のニューヨーク連銀製造業景気指数と同月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表される。これら景気の先行指標が総じて市場予想を上回る場合、米国市場ではリスク選好相場(株高/金利上昇)の展開となる可能性がある。このケースではドル円の反発を予想する。上値の焦点は110.70レベルのトライとなろう。先週8日以降、ドル円はこの水準で上値が抑制されている。
110.70レベルの突破に成功する場合は、111.00のトライが焦点として浮上しよう。
ドル円のチャート
ポンドドルの焦点
パウエルFRBの慎重スタンスと6月CPIの上昇を受け、昨日のポンドドル(GBPUSD)は1.38台で堅調地合いとなった。しかし、21日EMA(1.3887レベル)で上値が抑制された。すぐ上には、レジスタンスラインとして意識されている89日EMA(1.3908レベル)も控えている。今日はこれら移動平均線での攻防が焦点となろう。
本日も米金利の低下基調が続く場合、ポンドドルは21日線をブレイクし89日線をトライする可能性がある。しかし、このEMAで上昇が抑制され続ける場合、ポンドドルの上値の重さを市場参加者に印象付けよう。
逆に89日線の突破に成功し、かつこのラインがレジスタンスからサポートへ転換することが確認される場合は、短期的にレジスタンスラインの突破および1.40レベルをトライする可能性が出てくる。
一方、下値の焦点は1.3800レベルの維持となろう。直近2日は、この水準で下値がサポートされている。1.37台の攻防となる場合は、1.3740レベルの維持が焦点として浮上しよう。
ポンドドルのチャート
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