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ドル円の週間見通し、焦点は日銀会合後の反応 FOMCの注目ポイント

7月の外為市場は、「円高の1ヶ月」となっている。この動きがさらに進行するのかどうか?今週その鍵を握るのが、日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)である。今週のドル円の見通しは?注目のチャート水準は?

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記事のポイント

・今週の円相場は、日銀金融政策決定会合に対する反応が焦点となろう
・FOMCが米ドル安の要因となれば、ドル円の下落幅拡大を警戒したい
・ドル円、152円以下の攻防で注目しておきたいサポート水準
・ドル円の反発局面では、156.00レベルのトライが焦点となろう


7月は「円高の1ヶ月」に

為替介入の観測による円買いやトランプ氏の「通貨問題」発言を受け、7月は円高が進行する1ヶ月となっている。対米ドルでは4%超円高が進行する状況にある。

今週も円高が続くのかどうか?この鍵を握るのが、今週30~31日に開かれる日銀金融政策決定会合となろう。

円相場の動向:月初来

円相場の動向:月初来 ブルームバーグの為替データで筆者が作成

日銀金融政策決定会合の注目ポイント

長期国債購入の減額計画と追加利上げの同時決定

日銀は30~31日に金融政策決定会合を開く。6月の会合で日銀は、長期国債の買い入れを減らしていく方針を決めた。7月の会合で、今後1〜2年程度の具体的な減額の計画を決定する。

日銀は足元で月約6兆円規模の長期国債の購入を続けてきた。それを1年後に約4兆円、2年後に約3兆円程度まで減額するとの報道が見られる。いずれにせよ、市場を混乱させる減額計画を決めることはないだろう。そしてこの件については各市場がすでに織り込んでいるため、すでに報道されているとおりの内容ならば材料視される可能性は低い。

今回の会合の焦点は、追加の利上げを同時に決定してくるのかどうか?この点にある。

追加利上げの鍵を握るのが個人消費の動向だが、総務省が5日に発表した5月の家計調査では、2人以上世帯の実質消費支出(物価変動の影響を除いた支出)が1世帯当たり290,328円と、前年同月比で1.8%減少した。項目別では、消費支出の3割を占める食料が3.1%減、教養娯楽が8.4%減、そして家具・家事用品が10.0%減となった。物価高が支出抑制の要因となっている状況を示唆する結果となった。

日本の実質消費支出(2人以上世帯):23年5月以降

日本の実質消費支出(2人以上世帯):23年5月以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成


個人消費の力強さが欠けることから、市場では利上げ見送りの見方が優勢である。しかし、日銀関係者は個人消費について「底割れすることはないだろう」との見方を示したとの報道がある(7月26日の日経新聞「日銀、追加利上げ時期探る 7月論も浮上」)。マイナスで推移している実質金利、定額減税、そして賃上げの広がりが今後の消費を下支えするという。

植田和男日銀総裁は6月18日の国会で、7月会合での追加利上げについては、データ次第で「十分にあり得る」と述べた。政治サイドからの円安是正を求める声も強まっている。7月会合で長期国債購入の減額計画と追加利上げが同時に決定される可能性は否定できない。

日銀イベントに対する円相場の反応

日銀が、長期国債購入の減額と追加の利上げを同時に決定する場合は、円相場の反応を注視したい。具体的には、冒頭で述べた7月の円高がすでに「同時決定」を織り込んだ動きなのかどうか?この点を見極めたい。ここまでの円高が同時決定を織り込んだ動きならば、日銀会合後は円安で反応する展開が予想される。

植田総裁の定例会見にも注目したい。依然として金融緩和的な姿勢を維持していると外為市場で捉えられる場合は、やはり円安で反応することが予想される。

一方、7月の円高が「同時決定」を完全に織り込んでおらず、植田総裁の会見もタカ派的と市場で捉えられる場合は円高の進行を予想する。ドル円(USD/JPY)は、下で述べるサポート水準のトライを想定しておきたい。


ドル円の週間見通しとテクニカル分析

152.00以下の攻防

上で述べたとおり、今週のドル円(USD/JPY)は日銀金融政策決定会合の内容を受けて、上下に大きく振れる展開が予想される。

目先の焦点は、サポート水準として意識されている152.00レベルの攻防となろう。日銀会合が円高イベントとなる場合は、152.00レベルだけでなく200日線の下方ブレイクを想定しておきたい(下のチャート、緑ラインを参照)。この移動平均線は今日現在、151.54レベルで推移している。

また、152.00レベルがレジスタンスのラインへ転換するのかどうか?この点も確認したい。152.00前後が相場の反発を止める場合は、ドル円の地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。

日足のMACDとRSIはともに、ドル円の地合いの弱さを示唆している(下のチャート、赤矢印を参照)。ゆえに、日銀イベントの前にドル円が152.00レベルをトライそして下方ブレイクする可能性もあろう。このケースでは、200日線までの下落を想定しておきたい。

日銀イベント後にドル円が152円以下の攻防へシフトする場合は、今後数カ月をかけてサポート水準への転換が意識される「146.00」を視野に円高が進行する可能性が出てくる。この状況を見極めるために、以下で述べる2つのテクニカルラインの攻防に注目したい。

ドル円:日足 23年12月以降

出所:TradingView

52週線とサポートラインの攻防

今週以降、ドル円(USD/JPY)が152円以下の攻防へシフトする場合、注目したいテクニカルラインが2つある。一つは52週線である(下のチャート、青ラインを参照)。この移動平均線は150.74レベルで推移している。

次に注目したいテクニカルラインが、今の上昇トレンドを象徴しているサポートラインである。このラインは今週、23年1月安値と24年7月高値のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準148.68レベルと交錯する。

日銀イベントが円高の要因となり、下で述べる米連邦公開市場委員会(FOMC)が米ドル安の要因となる場合は、ドル円の下落幅が拡大することで、早くも上2つのテクニカルラインをトライする可能性が高まるだろう。

ドル円:週足 23年11月以降

出所:TradingView

「思惑買い、事実売り」で注目したいチャート水準は?

今週の日銀イベントの焦点は、7月の円高がすでに日銀会合での「同時決定」を織り込んだ動きなのかどうか?この点を見極めることにある、と述べた。同時決定を織り込んだ円高ならば、日銀会合後は円安へ振れる展開が予想される。相場格言でいうところの「思惑買い、事実売り」である。

155.93レベルは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる。日銀が追加の利上げを見送り、植田総裁の会見でタカ派的な要素も見当たらなければ、156.00レベルまで急速に反発する展開を想定しておきたい。

ドル円が156.00を目指す過程では、3つのチャート水準の攻防に注目したい。一つは、7月26日の反発を止めた154.80レベルである(下のチャート、黒矢印を参照)。次の水準がフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準155.17レベルである。そして最後の水準が、レジスタスのラインへ転換する可能性のある155.50レベルである(下のチャート、赤矢印を参照)。

155.50レベルの上方ブレイクは、156.00(フィボナッチ・リトレースメント76.4%)をトライするサインと想定しておきたい。

日銀会合後にドル円が156円台へしっかりと上昇する場合は、21日線を視野に上昇幅の拡大を予想する。この移動平均線は今日現在、158.17レベルで推移している(上の日足チャート、青ラインを参照)。

ドル円:1時間足 7月19日以降


米連邦公開市場委員会(FOMC)の注目ポイント

パウエル会見と今年3回の利下げ期待

7月30~31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。利下げについて短期金融市場では、「7月据え置き、9月利下げ」を意識する状況にある。

今回の会合の焦点は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の定例会見となろう。6月の消費者物価指数(CPI)と個人消費支出(PCE)価格指数はいずれも、米国のインフレが抑制・鈍化の傾向にあることを示唆した。同月の雇用統計では労働市場に軟化の兆しが見られた。定例会見でパウエルFRB議長がインフレの鈍化、そして労働市場の冷え込みが利下げ政策へ軸足を移す要因になるとの認識を示せば、今年複数回の利下げ期待が高まる可能性がある。

短期金融市場では、早くもその可能性を織り込む動きが見られる。現状、11月FOMCでの利下げを60%の確率で織り込み始めている。12月の利下げが意識されている状況で、11月の利下げ期待までが高まれば、市場は今年3回の利下げを織り込むことになる。

FOMCメンバーが想定する今年の利下げは1回である。パウエルFRB議長の会見後に3回利下げの期待が高まる場合、外為市場では米ドル安が進行することが予想される。

円高と米ドル安が同時に進行すれば、ドル円(USD/JPY)は上で述べた52週線やサポートラインを視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。

FOMC 政策金利の予想推移

FOMC 政策金利の予想推移 ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 7月29日 7時時点の動向

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