「株高の調整 → 米ドル高」のトレンドも変わらず / 株式との連動性が高い通貨に注目
今日のサマリー。「株高→米ドル安」だけでなく「株高の調整→米ドル高」も健在。株式との連動性が高い通貨(ペア)の動向に注目。その通貨(ペア)とは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
「株高の調整 → 米ドル高」のトレンドも変わらず 株式との連動性が高い通貨に注目
昨日の外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。
米ドル買いの要因となったのは株高の調整だった。
6日の「株高→米ドル安」、そして昨日の「株高の調整→米ドル高」は、米国の政策によって創り出されている「政策相場」が健在であることを示している。
よって、FEDが政策を転換しないかぎり、この政策相場は続こう。
そうなると焦点は、株式市場とより連動性が高い通貨(ペア)の動向に注目する必要がある。
先進国通貨の中では、オセアニア通貨と株式との間で高い連動性が見られる。
この点は、株高トレンドが発生した4月以降の米ドル相場のパフォーマンスを見るとよくわかる。
米ドル相場のパフォーマンスチャート
上のチャートを見ると、米ドル相場は4月からオセアニア通貨、特に豪ドル(AUD)に対して下落基調が鮮明となり、現在もその状況が続いている。
対照的に対円(JPY)、ユーロ(EUR)そして英ポンド(GBP)の下落率は限定的である。
よって、現在の株高基調が続く限り、オセアニア通貨は調整の反落を挟みながらも堅調地合いを維持しよう。
しかし、株高に対する感応度が高いということは、株高の調整局面の際の感応度も他の通貨に比べて高い、ということを意味する。
FEDが現在の政策を続ける限り、3月のような急落の局面が発生するリスクは低い。
だが、水面下でくすぶるコロナショックのリスクや米中対立の激化が株高の調整要因として意識される可能性は十分にある。
そのような展開となる場合、0.70レベルで上値が抑制され続けている豪ドル/米ドル(AUD/USD)は、2つの短期サポートラインを下方ブレイクする可能性が高まろう。
豪ドル/米ドルチャート
株式との連動性が高い新興国通貨は?
一方、新興国通貨が株高との連動性を高めたのは5月からである。
これ以降の連動性を相関係数で確認すると、ブラジルレアルは株式動向と一定の相関が見られる。
しかし、南アランドやメキシコペソの方がより高い相関を示している。
つまり、株式の動向と連動しやすいのは、後者の2通貨であることがわかる。
ブラジルレアルは株式の動向も重要だが、それ以上に重要な要因がある、ということを相関係数(0.36)は示している。
その要因とは何か?
それは、政治の停滞にあると筆者は考えている。
政治的な判断の誤りにより、新型コロナウイルスの感染者数がブラジル国内で増加し、且つボルソナロ大統領自身も新型コロナウイルスの検査で陽性となったことが判明した。
ただでさえ政治の停滞が懸念される中、司令塔が不在となるリスクまで浮上した現在の状況は、社会全体の活動が停滞する懸念を増大させよう。
そして最終的には、財政リスクの懸念を高めよう。
このリスクは、ここ数年ブラジルレアルのトレンドを左右してきた最も重要な要因である。
政治の停滞が財政リスクにつながることを考えるならば、株高の局面でもブラジルレアルは南アランドやメキシコペソと比べて上昇幅は限定的となろう。
逆に株高の調整局面では下落幅の拡大を警戒したい。
株式と新興国通貨の相関マトリクス
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