第3四半期に取引したい人工知能(AI)関連株5選
人工知能(AI)は、働き方や学び方に加え、旅行、医療へのアクセス、コミュニケーションなどのあり方を革新します。この記事では、トレーダーがAIの時代に対応するのに役立つ知識や、第3四半期に注目すべきAI関連株5銘柄を紹介します。
人工知能(AI)業界は、機械学習、自然言語処理、ロボット工学などの進歩により、近年大きく成長しました。世間の注目を集めるのに一役買ったのは、対話形式で質問に回答できる「ChatGPT」でした。
AIはさまざまな角度から私たちの生活に変化をもたらす可能性があります。この記事では、トレーダーがAI時代にいかに投資できるかについて、必要な知識をご紹介します。
そもそもAIとは何でしょうか。ブリタニカ百科事典では、AIを「知的生物が取り組むタスクを実行する、デジタルコンピュータまたはコンピュータ制御ロボットの能力」と定義しています。一方で、米国のエヌビディア社は、AIを「コンピュータプログラムまたは機械が、明確な命令を受けることなく、思考・学習・行動する能力」と表現しています。
2019年、AI研究所であるOpenAIが、基本的な読解を行い、文章を生成する「GPT-2」というソフトウェアプログラムを開発しました。GPT-2は当初、プロパガンダの生成を利用して悪用される懸念があったことから、一般には公開されませんでした。
しかし、2022年11月に「GPT-3」が公開され、そこから派生したインターフェイスであるChatGPTが反響を呼びました。今年3月14日、同研究所はその最新型である「GPT-4」を公開しました。このソフトウェアはより幅広い一般知識と問題解決能力を持ち、また、禁止事項に対する要求には応答しにくいとされています。すなわち、GPT-4は従来のものと比べ、より安全で強力な機能を備えていると、同研究所は述べています。
3月21日、ビル・ゲイツ氏は「AIの時代が始まった」と題するブログ記事を公開しました。この投稿でゲイツ氏は、「AIの発展は、マイクロプロセッサー、パソコン、インターネット、携帯電話の誕生と同じくらい根幹をなすものです。AIは、人々の仕事、学習、旅行、健康管理、コミュニケーションのあり方を変革させます。産業界全体がこの技術を軸として転換していくでしょう。企業はこの技術をどう活かすかで差別化を図るはずです」とコメントを残しました。
トレーダーはどのようにしてこの革命的な技術に投資すればいいのでしょうか。純粋なAI銘柄は非常に限られていますが、多くの名だたる企業がAI技術を利用し、AIに対して投資しています。
1. アドビシステムズ
アドビは世界に28,000人の従業員を擁する、グローバルソフトウェア企業です。ソリューションとして、Adobe Creative Cloud、Adobe Document Cloud、Adobe Experience Cloudなどを主に提供しています。
同社は2023年3月にクリエイティブ向けの生成AIモデルであるAdobe Firefly Betaの提供を開始しました。また5月には、同社のFireflyと、Googleが実験的に提供しているAIサービスであるBardとの連携を発表しました。同サービスのテキストベースの画像生成(Text to image)機能の強化と向上を図ることが、この提携の目的です。
同社は6月15日、好調であった第2四半期の決算を発表しました。売上高は過去最高の48.2億ドルとなり、これは為替変動の影響を除いた場合で、前年同期比13%の成長に相当します。非GAAPベースの1株あたりの利益は、アナリストの予想を上回る3.91ドルでした。
2. マイクロソフト
世界有数のテクノロジー企業であり、全世界で 221,000人の従業員を擁するマイクロソフトは、ソフトウェア、サービス、デバイス、ソリューションの開発・サポートを手掛けています。AI研究の最前線に立つ同社は、AIに多大な投資を行っており、AIは時代を定義する技術だと考えています。また、クラウドサービス「Azure」を利用したMicrosoft AIは、Windows、Xbox、Microsoft 365、Teams、Azure AI、Power Platform、Dynamics 365、Microsoft Defenderに導入されています。
マイクロソフトはOpenAIと長期的なパートナーシップを結んでおり、2019年と2021年に続き、2023年1月には同研究所に100億ドルを出資しました。このパートナーシップにより、スーパーコンピューティングシステムを開発してOpenAIのAI研究を加速させ、その結果得られた高度なAI技術を商業化することを目的としています。マイクロソフトはOpenAIのモデルを、Azure OpenAI Serviceを含む同社の家庭用および企業向け製品に展開する予定です。
3. エヌビディア
AIコンピューティングを手がけるエヌビディアは、グラフィックスとコンピュート・アンド・ネットワーキング事業を展開しています。グラフィックス分野には、ゲームやPC向けグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の「GeForce」、ゲームストリーミングサービスの「GeForce NOW」が含まれます。コンピュート・アンド・ネットワーキング事業では、データセンター・プラットフォームやAI向けシステムを展開しています。
同社のAIソリューションには、生成型AI、AIトレーニング、データ分析、推論、スピーチAI、サイバーセキュリティが含まれます。AIプラットフォームでは、コンピューティング、ソフトウェア、AIモデルおよびサービスにおけるフルスタックのイノベーションを提供します。エヌビディアは2023年に入ってから最も成長した米国株の一つです。
4. ニューラルポケット
ニューラルポケットはAI技術を活用したソリューションを提供する日本企業です。同社のソリューションである「デジフロー」では、特定の地域の人流を測り、混雑状況などの情報を提供します。また、「デジパーク」では駐車場における安全監視と誘導を、「SIGN DIGI」では商業施設やオフィスビル、スマートシティにサイネージサービスを提供しています。さらに、「リモデスク」ではリモートワークにおけるセキュリティーソリューションを、「AI MD」では世界初のファッショントレンドデータベースを展開しています。
5. ソフトバンクグループ
ソフトバンクグループの主な事業は、通信網や端末の販売、投資、SoftBank Vision FundやARMなどに分かれています。また、他にもオルタナティブ投資のフォートレス・インベストメント・グループ、福岡ソフトバンクホークス、PayPay、ソフトバンクロボティクスグループ、SBエナジーなどもあります。
同社は技術への投資で知られており、AIを戦略とビジョンの最前線に置いています。同社はまた、教育、ウェルネス、金融、モビリティ、運輸など、幅広い業界におけるAI技術にも投資をしています。
同社CEOの孫正義氏は、「私たちはAI革命に進んでおり、ソフトバンクグループはAI革命の投資会社となる」としています。
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