注目の クリーンエネルギー ( 再生可能エネルギー )関連の 株 5選
クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)は化石燃料の2倍速で普及しており、二酸化炭素排出量の削減に貢献しています。ここでは、クリーンエネルギー関連銘5柄選を紹介します。取り上げる銘柄は時価総額に基づいて選ばれています。
データセンターでのクリーンエネルギー需要増
クラウドコンピューティングやAIの進化に伴い、データセンターの電力需要が急増しています。2022年の消費量は約460TWhでしたが、2026年には1,000TWh、2034年には1,580TWhに達すると予測されています。この需要増加により、再生可能エネルギーの活用が重要なカギを握るようになっています。
米国では、データセンターが発電量の4%を消費しており、2030年には9.1%に拡大する見込みです。こうした背景から、AmazonやMicrosoftなどの大手企業は、風力や太陽光を活用する再生可能エネルギーの電力購入契約(PPA)を積極的に締結しています。また、効率的な運営を目指し、原子力型データセンターの導入も進んでいます。
さらに、冷却で使う水資源を削減するため、2030年までに「ウォーター・ポジティブ」を実現する企業も増えています。環境に配慮しながらも急成長するデータセンター関連のクリーンエネルギー市場は、トレーダーにとって注目の投資チャンスです。電力需要が拡大する中、持続可能性と収益性を両立する企業への投資が今後のカギとなるでしょう。
注目のクリーンエネルギー関連銘柄5選
ここでは、注目のクリーンエネルギー関連銘柄5選を紹介します。取り上げる銘柄は、時価総額に基づいて選ばれています。また、過去の値動きは将来の株価動向を示すものではありません。
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NextEra Energy (NEE)
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Enphase Energy, (ENPH)
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Plug Power (PLUG)
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Algonquin Power & Utilities Corp. (AQN)
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Fluence Energy (FLNC)
NextEra Energy (NEE)
NextEra Energyは、米国フロリダ州に拠点を置き、再生可能エネルギー分野で世界をリードする企業です。風力・太陽光発電に加え、原子力やバッテリー貯蔵にも注力し、持続可能なエネルギーの提供を拡大しています。主要子会社のFlorida Power & Light(FPL)は、フロリダ州内の顧客向けに電力を供給し、再生可能エネルギー市場での成長を後押ししています。
同社のPERは約27倍と、再生可能エネルギー業界の中でも高めの水準にあります。これは市場が長期的な成長を期待していることを示しており、バッテリーや脱炭素技術への積極投資も評価されています。また、四半期決算発表や政府のエネルギー政策の変更が株価に大きく影響するため、短期トレーダーにとって重要な銘柄です。
NextEra Energyは、経済指標やニュースイベントに敏感に反応するため、イベントドリブン型のトレードを好む投資家に適しています。四半期決算や政策発表のタイミングで大きな株価変動が予測されるため、機動的な取引戦略が効果を発揮するでしょう。
Enphase Energy (ENPH)
Enphase Energyは、住宅および商業用ソーラーバッテリーシステムを提供する米国の企業です。マイクロインバーター技術のリーダーとして知られています。2024年第2四半期の売上は3億350万ドルです。米国内での需要が拡大し、特にカリフォルニア州でのNEM 3.0制度の導入が好影響を与えました。さらに、同社はインフレ抑制法(IRA)の税制優遇の恩恵を受け、米国での生産を拡大しています。
株価は2024年10月時点で約91.57ドルで推移しており、業界平均を上回るPER (100倍)が成長期待を反映しています。粗利益率は47.1%と高く、効率的な運営が評価されています。新製品の投入や決算発表ごとに株価が大きく変動するため、ボラティリティの高い銘柄として短期トレーダーにとって魅力的な取引先です。
株価が政策変更や市場イベントの影響を受けやすいのも特徴です。バッテリー製品やソフトウェアの成長が進む中、次の四半期発表時の変動も注目ポイントです。
Plug Power (PLUG)
Plug Powerは、グリーン水素ソリューションを提供する企業です。燃料電池と水素インフラの構築に注力しています。2024年第2四半期の売上は1億4340万ドルで、特に電解槽(エレクトロライザー)の展開が進展しました。しかし、戦略的投資や非現金費用により2億6230万ドルの純損失を計上しました。ジョージア州の水素プラントでの生産能力の強化により、利益率は改善しており、同社はインフレ抑制法(IRA)の税制優遇も活用しています。
Plug Powerは、2024年後半にエレクトロライザー100MWの追加展開と、ルイジアナ州での新プラント立ち上げを計画しており、さらなる成長が見込まれています。また、米国エネルギー省(DOE)からのローン保証を活用し、水素インフラ拡大を推進しています。
新規事業の発表や政府の支援策に連動する株価変動が見込まれるため、市場ニュースを注視することが重要となるでしょう。
Algonquin Power & Utilities Corp. (AQN)
Algonquin Power & Utilities Corp. は、再生可能エネルギーと規制ユーティリティ事業を展開するカナダの企業です。米国やカナダを中心に電力、水道、ガスの供給を行い、125万以上の顧客にサービスを提供しています。2023年には、ユーティリティ事業への集中を目的に再生可能エネルギー資産の売却を進め、効率化を図っています。
株価は2024年10月時点で約5.17米ドルで推移しており、PERは32.2倍と高めです。これは、再編中の戦略や政策の影響を受け、将来的な利益成長への期待が反映されていると見られます。また、配当利回りは約6.9%と高く、安定的なキャッシュフローを提供する点も投資家にとって魅力的です。
Algonquinは、政策の変更や事業再編の進展などのイベントに敏感に反応するため、取引チャンスが豊富です。特に再生可能エネルギー事業の売却や四半期決算発表のタイミングで株価が変動する可能性が高く、短期的な利益を狙うトレーダーにとって有効な銘柄です。また、高配当という特徴から、安定収益を求める投資家にも支持されています。
Fluence Energy (FLNC)
Fluence Energyは、エネルギー貯蔵システムと管理ソフトウェアを提供するグローバル企業です。AIを活用した再生可能エネルギーの最適化に取り組んでいます。2024年第3四半期の売上は4億8330万ドルで、受注残高は45億ドルに達し、今後の成長が期待されています。
2024年10月時点の株価は約21.70米ドルです (同社は未だに利益を出していないためPERは算出できません)。大きな市場需要を背景に、政府の支援策や受注発表が株価を動かす主な要因となります。
Fluenceも市場イベントや受注発表に敏感なため、価格変動を狙うトレードに適しています。インフレ抑制法(IRA)の税制優遇措置も追い風となっており、政策動向に合わせた短期トレード戦略が有効です。また、受注残高が拡大しているため、今後の収益が期待されており、市場の注目を集め続けるでしょう。
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