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2024年米大統領選 注目の防衛関連銘柄5選

2024年の米大統領選挙が迫っています。金融市場や投資家の間では、選挙結果が株式市場に与える影響に注目が集まっています。特に防衛関連株は、政権の方針次第で大きな変動が予想され、投資チャンスが生まれる可能性が高いセクターです。今回は、2024年の大統領選におけるトランプ氏とハリス氏の勝利シナリオを比較し、それが防衛関連株にどのように影響を与えるかを分析します。

us elections imact on japanese stocks Source: Adobe images

トランプ氏勝利時の影響:米国第一主義と防衛産業の強化

2020年の米国の軍事予算は、7780億ドルに達しています。これは世界の軍事支出全体の約39%を占めるものでした1。この規模は、トランプ政権の米国第一主義(America First)政策の一環として、主に中国やロシアとの競争に備えるために設定されたものです。また、台湾や日本との軍事的な関係強化もその焦点の一部で、米国防関連企業にとって重要な契約が生まれました。

もしトランプ氏が再選されれば、米中間の緊張がさらに高まる可能性があります。米国の防衛予算が増加し続けることが予測されます。米国の大手防衛関連企業(ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン、レイセオンなど)は、特にこのような地政学的リスクが高まる状況でさらなる成長が期待されます。

これらの米国の政策は、間接的に日本の防衛関連企業にも波及します。たとえば、米国との軍事協力の強化が進む中で、日本の三菱重工業や川崎重工業、IHIなどの企業は、自衛隊の装備強化を支える役割を担い、その結果として株価が上昇する可能性があります。

このように、米国の防衛政策と選挙結果が、日本国内の市場にも多大な影響を与えることが予想されます。

ハリス氏勝利時の影響:外交重視と新たな防衛分野へのシフト

バイデン政権の2023年度の米軍事予算は、約9160億に達し、複数の分野に配分されています。この予算の一部は、ウクライナへの支援を含む国際的な取り組みや、AI、サイバーセキュリティ、無人機開発などの次世代技術への投資に向けられています2。これにより、米国の安全保障戦略は、従来の軍備からより高度な技術を活用した防衛力へシフトしています。

SIPRIによると、ウクライナ支援もこの予算において重要な項目の一つであり、米国は2023年に250億ドル超の軍事支援をウクライナに提供しました。また、国防総省は、宇宙、防衛システム、AI主導の技術開発など、未来の脅威に備えるためのプロジェクトを推進しています。

これらの政策の方向性は、カマラ・ハリス氏が勝利した場合にも継続される可能性が高いといえます。民主党は、次世代技術への投資と国際的な協力を重視する姿勢を維持しており、軍事費の配分は新興技術と従来の軍事力の両方を支えるバランスの取れた形になっています。特にレイセオン・テクノロジーズやノースロップ・グラマンなどの企業は、こうした新しい分野での契約を獲得する機会が増えると見込まれています。

このように、次期大統領選の結果がどちらになっても、米国の防衛関連株は、地政学的リスクと新技術への移行を背景に引き続き注目されるでしょう。

注目すべき米国の防衛関連株5選

以下に、特に注目すべき米国防衛関連銘柄を紹介します。これらの企業は、大統領選の結果によらず、地政学的なリスクの高まりにより長期的な成長が見込まれています。データは2024年10月17日現在のものとなっています。

  1. ロッキード・マーティン(LMT)
  2. ノースロップ・グラマン(NOC)
  3. レイセオン・テクノロジーズ(RTX)
  4. ゼネラル・ダイナミクス(GD)
  5. ボーイング(BA)

ロッキード・マーティン(LMT)

ロッキード・マーティンは、F-35戦闘機の製造をはじめとする防衛製品のリーダーとして、米国防省および同盟国向けに多くの兵器システムを提供する世界有数の防衛企業です。2024年の大統領選挙でトランプ氏が再選された場合、中国やロシアとの緊張の高まりにより、米国の国防費が増加し、同社の業績がさらに伸びる可能性があります。一方、ハリス氏が勝利した場合でも、AIやサイバー防衛といった次世代技術の開発が同社の成長を支えるでしょう。

ロッキード・マーティンのPER(株価収益率)は22.24倍と、過去平均(約19倍)よりやや高い水準にあります。しかし、国防セクター全体が堅調なことから適正範囲と考えられます。短期トレーダーにとっては、選挙結果を受けた市場の反応を活用する機会があると言えるでしょう。トランプ氏の当選が確実視される局面では、防衛予算拡大の思惑で株価が上昇する可能性が高まります。

ノースロップ・グラマン(NOC)

ノースロップ・グラマンは、米国の防衛セクターにおいて特にステルス爆撃機や無人航空機、ミサイル防衛システムの開発に強みを持つ企業です。主力プロジェクトには、次世代ステルス爆撃機「B-21 レイダー」が含まれ、米国防省との長期契約に支えられた安定した収益基盤を有しています。

2024年の大統領選挙では、トランプ氏が再選された場合、軍備拡張と米中対立の深刻化が想定されるため、ノースロップ・グラマンにさらなる恩恵があると期待されます。また、同社のAIを活用した防衛技術や無人機開発は、ハリス氏勝利のシナリオでも重要視され、サイバー防衛へのシフトが考えられることから、成長が期待されています。

PER(株価収益率)は34.68倍と割高感はあります。しかし、選挙後の市場の反応を考慮する短期トレーダーにとっては、トランプ氏が優勢な局面での買いが有利になる可能性があるため、注目すべき銘柄といえます。

レイセオン・テクノロジーズ(RTX)

レイセオン・テクノロジーズは、防衛および航空宇宙業界を代表する企業です。ミサイル防衛システム「パトリオット」やサイバーセキュリティ技術で広く知られています。2024年の大統領選でトランプ氏が再選されれば、米中関係の悪化と軍事支出の増加により、ミサイル防衛や無人システムへの需要がさらに拡大する可能性があります。一方、ハリス氏が勝利した場合でも、サイバー防衛やAI分野への政府投資が同社の成長を支えるでしょう。

2024年10月時点で、レイセオンのPER(株価収益率)は73.12倍と高水準にあります。ただし、防衛セクター全体は拡大を続けているため、レイセオンは引き続き重要な成長機会を提供する企業とも見込まれます。

同社はまた、商業航空事業も展開しており、航空需要の回復が進むことで、収益がさらに押し上げられると期待されています。大統領選の結果を問わず、レイセオンは防衛技術と次世代インフラに強みを持ち、短期トレーダーと長期投資家の双方にとって注目すべき銘柄です。

ゼネラル・ダイナミクス(GD)

ゼネラル・ダイナミクスは、米国の防衛セクターにおいて潜水艦、装甲車、および航空宇宙システムの製造を手掛ける主要企業です。特に米軍向けの「バージニア級潜水艦」や「Stryker装甲車」など、大型プロジェクトを通じた安定した収益基盤を持っています。

トランプ氏が2024年の大統領選で再選された場合、国防費の拡大によって、同社の防衛関連契約が増える可能性が高いでしょう。また、ハリス氏が勝利した場合でも、軍の近代化計画に伴い、無人航空機や通信システムなどの分野での需要が続く見込みです。

PER(株価収益率)は2024年10月時点で23.77倍です。同社の収益性が市場に評価されつつも、バリュエーションは業界平均に近い水準と言えます。したがって、ゼネラル・ダイナミクスは投資家にとって、安定した収益をもたらす防衛株としての魅力があります。

同社の強みは、防衛分野以外にも航空宇宙やITソリューションに展開している点です。選挙結果にかかわらず、国防関連支出の需要が維持される中、短期トレーダーと長期投資家の双方に有望な銘柄といえるでしょう。

ボーイング(BA)

ボーイングは、防衛・航空・宇宙分野で世界的に影響力のある企業です。戦闘機、商業航空機、宇宙開発機器などを幅広く手掛けています。しかし、近年は生産の遅延やコスト超過の問題から、財務状況に影響が出ており、2024年10月時点ではPER(株価収益率)は負数(約-33.0倍)となっています。

2024年の大統領選挙でトランプ氏が再選された場合、軍事支出の増加が期待され、ボーイングの防衛部門は契約増加の恩恵を受ける可能性が高いと考えられます。一方、ハリス氏が勝利した場合でも、宇宙開発やAIを活用した次世代航空機プロジェクトが継続される見込みで、ボーイングの長期的な成長が支えられるでしょう。

また、ボーイングは民間航空部門の復活も期待されています。パンデミック後の航空需要の回復に伴い、商業機の納入増加が見込まれており、これが企業全体の収益を押し上げる可能性があります。したがって、選挙結果にかかわらず、ボーイングのボラティリティは高い状態で推移していくことが想定されます。短期トレーダーにとっては、株価変動のうねりを取る絶好の機会が生まれる可能性があります。

これらの銘柄を取引するには

IG証券で口座を開設すれば、CFDで防衛関連株を簡単に取引することができます。

  1. 取引システムにログインし、個別株口座を選択します。
  2. 次に、取引したい銘柄名を検索し、取引チケット上で「買い」または「売り」を選択します。
  3. ロット数を選択し、「注文確定」で取引を確定します。

※詳しくは、株式CFDについてのページをご覧ください。または、コールセンターまでお問い合わせください。

出所:

  1. TRENDS IN WORLD MILITARY EXPENDITURE, 2020, SIPRI Fact Sheet (ストックホルム国際平和研究所)
  2. TRENDS IN WORLD MILITARY EXPENDITURE, 2023, SIPRI Fact Sheet (ストックホルム国際平和研究所)

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