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割高株の見つけ方

株式価格は時に公正価格以上の水準に上昇することがあります。ここでは割高の株式とは何か、また、割高であるかどうかを判断するための8つの手法について紹介します。

Source: Bloomberg

割高株とは

割高株とは、「公正」な価格よりも高い価格で取引される株式のことをいいます。株式は時に、投資家の感情的な動きや企業のファンダメンタルズに対する思惑など、さまざまな理由で公正価格を上回る、いわば割高の状況が発生します。

株式の公正価格を判断する際に用いられるのがファンダメンタルズ分析です。この分析により株式が割高と判断される場合、利益獲得の機会があると考えられます。通常、トレーダーは割高株であると判断した場合、例えばCFD取引で売りを選択し、利益獲得を狙います。

なぜ株式は過大評価されるのか

株式は、さまざまな理由により過大評価されます。例えば、次のような要因が挙げられます。

  • 需要の急増:取引量が増加するということは、それだけ買い方の需要が増していることを意味します。よって、取引量の増加は過大評価につながります。
  • 企業収益の変化:経済が悪化する状況でも、それがマーケットに完全に織り込まれない場合、その株式は過大評価される傾向にあります。
  • グッドニュース:企業にとって良いニュースが出る場合、実際に収益が増加していなくても期待先行から株式が上昇するケースがあります。この時、株式が過大に評価されます。
  • 周期的な変動:特定の四半期だけ出来高が多くなるというセクターがあります。出来高が急速に高まる場合、株式は過大評価される傾向があります。

割高株を見つける8つの方法

ファンダメンタルズ分析は主に企業の決算や財務データが元になっています。次に、代表的な8つの指標をご紹介します。

  1. 株価収益率(P/E)
  2. PEGレシオ(PEG)
  3. 相対配当利回り
  4. 負債資本倍率(D/E)
  5. 株主資本利益率(ROE)
  6. 株式益回り
  7. 流動比率
  8. 株価純資産倍率(P/B)

株価収益率 (P/E)

株価収益率(以下PER)は、株価の「割安」「割高」を判断する最も一般的な指標です。この指標は、「株価÷1株当たり利益(EPS)」で算出されます。EPSは、会社の総利益を発行した株式数で割って計算されます。PERが低いということは、株式が過小評価されていることを意味します。

PERの例:あなたは1株あたり250ドルでABC株を購入しようとしています。PERで割安かそうでないかを判断することにしました。ABC社の株数は1,000万株、利益は1億ドルです。EPSは10ドル(1億ドル÷1,000万株)となります。そしてPERは25倍(250ドル÷10ドル)となります。通常、PERが20倍以下ならばその株価は割安であると判断します。

PEGレシオ(PEG)

PEGレシオは、「PER÷一株当たりの予想利益成長率÷100」で算出されます。PEGレシオは、PEGレシオが1倍以下ならその企業の株価は割安であると判断します。一方、2倍以上ならその企業の株価は割高と判断します。

PEGレシオの例:ABC社のPERは50倍、年間の利益成長率は20%です。PEGレシオは2.5(50÷20%÷100)になります。

相対配当利回り

配当利回りは、その企業が株主を重視するスタンスであるかどうかを測る指標のひとつです。

「年間の配当額÷株価」で算出されます。収益を上げる構造がしっかりしている企業は高当を投資家に配分することができます。よって、配当利回りは企業の安全性を測る指標のひとつでもあります。

配当利回りを算出後、インデックスの平均配当利回りで割り相対配当利回りを計算します。相対配当利回りが低いということは、株式が割高であると判断します。

相対配当利回りの例:XYZ社は毎年1株あたり2ポンドの配当金を支払います。現在の株価は100ポンドです。つまり、会社の配当利回りは2%(2ポンド÷100ポンド)です。このインデックスの平均は4%です。つまり、相対配当利回りは0.5%(2%÷4%)です。

負債資本倍率(D/E)

負債資本倍率(以下DEレシオ)は、企業の財務状況を測る指標のひとつです。「負債÷株主資本」で計算されます。この指標の比率が高いということは、企業の金融機関からの借入によって事業を行っていることを意味します。注意すべきは、借入金が多いからといって、その企業の株価は必ずしも下落しない、ということです。よって、DEレシオで株式の価値を測る場合は、常に競合他社の平均と比較するべきでしょう。セクターによって借入金に対する捉え方が違うからです。

DEレシオの例:ABC社には5億ポンドの負債と10億ポンドの株主資本があります。負債資本倍率は0.5倍(5億ポンド÷10億ポンド)になります。つまり、1ポンドの株式につき0.5ポンドの負債があります。

株主資本利益率(ROE)

株主資本利益率(以下ROE)は、自己資本に対する企業の収益性を測る指標です。ROEは、純利益を株主資本で割って計算されます。ROEが高いということは、会社が株主投資額に対して多くの収入を生み出していることを意味します。ROEが高い企業の株価は将来の増収が見込めるため、割安であると判断されるケースが多く見られます。

ROEの例:ABC社の純利益は1億ポンド、株主資本は1億2,000万ポンドです。したがって、株主資本利益率は83%(1億ポンド÷1億2,000万ポンド)です。

株式益回り

株式益回りはEPSを株価で割って算出されます。簡単に言えば、PERの逆数となります。逆数であることから、この指標が高いほど株価は割安であると判断します。株式益回りは債券の利回りと比較する際に用いられます。株式益回りが長期債の利回り(通常10年債利回り)より高い場合、株式が割安であると考えます。

収益率の例:ABC社の1株当たり利益は20ポンド、株価は60ポンドです。収益率は33%(20ポンド÷60ポンド)になります。

流動比率

流動比率は、短期的な支払能力が支払能力を測る指標の一つです。「流動性資産額÷流動性負債額」で算出されます。この比率が高い程、短期債務の支払い能力十分にあると判断します。一方、流動比率が1以下の場合、企業の支払い能力が低下していることを意味します。よって、流動比率が低くなればなる程、株価には下落圧力が高まる可能性があります。それが一時的な現象であれば、割安銘柄となります。

流動比率の例:ABC社には18億ポンドの資産と10億ポンドの負債があります。流動比率は1.8(18億ポンド÷10億ポンド)になります。

株価純資産倍率(P/B)

株価純資産倍率(以下PBR)は、「株価÷1株あたり純資産(BPS)」で算出されます。この指標は、株価が純資産の何倍で取引されているかを測る指標です。PBRが低い方が割安であると判断されます。PBRが1以下ならば割安と判断されてきました。しかし、分母が純資産であることから短期的な指標としては適しておらず、PBR以外の指標も合わせて割安であるかどうかを判断する必要があります。

PBRの例:ABC社の株価は1株あたり50ポンドで売られており、その簿価は30ポンドです。つまり、株価純資産倍率は1.67(50ポンド÷30ポンド)です。


割高株の空売り方法

上記8つの指標はどれも重要です。よって、空売りする際は必ず確認すべきでしょう。指標の結果を考える上で重要なことは、取引しようとしている銘柄がどのセクターに属しているかです。セクターの標準とは異なる指標の結果が確認され、それが株式の過大評価を意味する場合、空売りを仕掛けます。高すぎる指標の結果はいずれセクター平均の水準へ回帰することを想定するからです。さらに、空売りを仕掛ける水準をテクニカル分析で具体的に選定することも重要です。
IG証券では、ファンダメンタルズ分析に必要なデータを提供しています。また、IGチャートでは豊富なテクニカル分析指標を使用することができます。


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