ピボットポイントを使ったトレード手法
トレードに活用できるテクニカル指標の一つ「ピボットポイント」について紹介します。
ピボットポイントの計算方法は?
一般的に、ピボットポイントは5ポイントシステムで割り出します。前日の高値、安値、終値から算出したポイントを基準として、2つのサポートラインと2つのレジスタンスラインを合わせた合計5つのポイントです。各ポイントは以下のように計算します。
ピボットポイント(P)=(前日の高値+前日の安値+前日の終値)÷3
第1サポートライン(S1)=(ピボットポイント×2)-前日の高値
第2サポートライン(S2)=ピボットポイント-(前日の高値—前日の安値)
第1レジスタンスライン(R1)=(ピボットポイント×2)—前日の安値
第2レジスタンスライン(R2)=ピボットポイント+(前日の高値—前日の安値)
他のインジケーターと同様、ピボットポイントにも別の計算方法がありますが、通常は上記のように計算します。IGの取引システムでチャート上にピボットポイントを表示させるには、インジケーターのメニューから「ピボットポイント」を選ぶか、右クリックで選択します。また日足データ以外にも、長期のトレードに向いた週足データを使ったピボットポイントを表示させることもできます。
ピボットポイントを用いたトレード戦略
ピボットポイントは、大まかなトレンドを見極めたいときに活用します。例えば、相場が5つのポイントのいくつかを上抜けて上昇しているときは上昇トレンド、その反対にそれらを下抜け続ける場合は下降トレンドであると読み取れます。ただし、ピボットポイントは確実に将来を予測できる手法ではありません。サポートラインやレジスタンスラインを使った他の基本的な手法と同じように、過去の相場の状態から参考指標となる相場の水準を計算した指標です。実際の取引セッションでは、ピボットポイントで導き出された水準に相場が反応することもあれば、水準を無視して推移することもあります。
ローソク足チャートを使ったピボットポイント戦略
ピボットポイントはどのタイプのチャートでも使えますが、ローソク足チャートと組み合わせてよく使われます。ピボットポイントを活用した例として、まずは下図をご覧ください。こちらは、豪ドル/米ドル の1時間足チャートに日足データを基にしたピボットポイントを表示したものです。ここでは、相場がピボットポイント(Piv)を上回った後に、これを下回る水準に下落し、1時間足の終値はPivを下回りました。Pivをサポートラインとすると、相場がこの水準を維持できないことを示唆していると考えられ、売りポジションのエントリーに向いた機会と言えます。
一方、下図の例は米ドル/カナダドル の1時間足チャートに日足データを基にしたピボットポイントを表示したものです。ここでは、相場はピボットポイント(Piv)付近で反発しているので、買い手の圧力が相場をさらに押し上げて、R1レジスタンスラインに向かって上昇するかどうかに注目できます。
サポートラインとレジスタンスラインを使ったピボットポイント戦略
ピボットポイントのS1とS2、R1とR2は、エントリーのタイミングをより効果的に判断するために活用できます。例えば、相場の上昇や下落だけを追跡してエントリーのタイミングを探すのではなく、相場がS1まで下落した後にR1まで上昇した時にエントリーする方が強い上昇トレンド乗ることができる(トレンドに追随することができる)に可能性が高く、かつ効果的と考えられます。
一方、ピボットポイントは逆張りの取引にも利用することができます。例えば、下落の局面では相場がS1またはS2に到達する時に押し目の買いを仕掛けます。一方、下落の局面ではR1またはR2で戻り売りを狙う、といった取引手法もあります。
上昇トレンドの例として、下図のFTSE 100チャートを紹介します。このチャートでは、取引システムの「過去のピボットポイントを表示する」にチェックを入れて、過去の取引セッションにおける相場の動きを確認できるようにしています。
チャートからわかるとおり、相場は何度も反落してピボットポイント(Piv)やS1に到達し、その度に押し目買いを受けて反発しています。
値動きの激しいチャートでも、このようにピボットポイントを活用できます。トレードでは、失敗を減らし、成功を積み上げることが重要です。上記の例では、FTSE 100 が上昇するにつれて押し目買いを狙い利益を積み重ねるトレンドフォローの戦略が推奨されます。
このように、ピボットポイントはトレードに役立つ指標の一つです。確実な成功を保証することはできませんが、エントリーのポイントを探るために有効な手法であり、体系的なトレード手法を構築する上で活用したい指標です。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
こんなに豊富?IG証券のCFD銘柄は17,000以上
外国為替、日本株・外国株、株価指数、債券先物、商品(エネルギー、農産物、貴金属)など多彩な資産クラスをFX取引、CFD、バイナリーオプション、ノックアウト・オプションで提供