株価の調整局面とは?
株価の調整局面とは、市場サイクルで起きる自然な動きですが、トレードや投資を始めたばかりの人にとってはやっかいな存在かもしれません。ここでは、株価調整とは何か、また調整局面とみなされるための低下率や発生の頻度について、解説します。
株価の調整局面とは何か?
株価の調整局面とは、個々の株式または株価指数の価格が、52週間の最高値から10%下落したことを指します。
株式市場はつねに上下に動いています。つまり、その会社の帳簿上の成果に変化はなくとも、株価が上がることもあります。
こういった変動は、主に株式や株価指数の先読みで利益を出そうとする投資家や投機家の心理に影響されます。そして、その流れに乗る人が増えるにつれて、価格が高騰します。利益や売り上げはここには関係ありません。
特定の価格に達すると、株や指数は実際よりも高評価されすぎ(割高株)とみなされるようになります。この時点で、トレンドが逆転するイベントが発生し、市場参加者は利益確定に入りポジションをクローズし始めます。すると、価格が下がって安定します。この状態を、「株価が調整された」といいます。
株価の調整局面においては、通常、株式または株価指数の真の価値が考慮されます。 株価が紙の実際の価値を反映するように修正されている限り、会社が現実の世界で価値を失っているわけではありません。
株価が調整局面に入る要因とは?
株価が調整局面に入る要因には、「予想を下回る企業収益報告」から「混乱した政治情勢」までさまざまなものが挙げられます。
調整局面を予測することは非常に困難ですが、アナリストは多くの場合、過去の平均と同様のパフォーマンスをした資産を見て意見を述べます。
株価の調整局面はどれくらいの頻度で起こるのか?
通常、株価は長い時間をかけて上昇するものですが、調整は比較的よく起こります。「いつ起きるか」自体はあまり問題ではなく、「いつ起きて、それがどれくらいの規模になるのか」のほうが重要だといえます。
多くのマーケットアナリストは2年ごと、またはそれ以下の頻度で調整が起こると想定しています。調整は数日間で終わる場合もあれば、数週間、数カ月にわたることもあります。調整がいつ始まり、いつ終わるのかといったことはだれにもわかりません。
株価調整の歴史
分かりやすくするために、株式市場のパフォーマンスのグローバルベンチマークと見なされているS&P500を例にとって、これまでどのような調整局面があったかを見てみましょう(2018年12月現在)。次の株価の調整チャートは、過去20年間のS&P500において、10%以上の調整履歴を示しています。
最後に株価の調整が行われたのはいつ?
ここ最近で発生した株価の調整はいつか? 答えは各証券取引所の動向によってことなります。株価調整の定義は、「市場が52週間の最高値から10%下落したとき」としていますが、多くの人はこのしきい値に達する前に株価調整を話題にします。たとえば、2018年11月に、S&P 500は6%程度しか下がらなかったにもかかわらず、「株価調整された」と言われていました。また、前月の2018年10月には株価調整 に入る過程にあったと考えられていましたが、その減少は9%強でした。
ダウ・ジョーンズとS&P 500の両方が修正を経験した2018年2月に、誰もが同意できる最新の株式市場修正が行われました。それらの値は、1月下旬のピークに続いて、それぞれ10.4%と10.2%減少しました。
2020年2月には、S&P500がわずか6営業日で調整局面に入るという記録的な出来事がありました。ドイツ銀行グローバル・リサーチのデータによると、これは過去最短だということです。2月27日には2011年以来の下げ幅となる4.4%安を記録し、同19日の最高値から12%の下落となりました。
株価の調整局面とベアマーケット(弱気相場)の違い
株価の調整局面とベアマーケット(弱気相場)との違いは、価格の下落の程度です。株価の調整局面では価格は52週間の最高値から約10%下落する必要がありますが、弱気市場では株価が20%以上下落することがあります。また、平均的な株価調整が続くのは2カ月未満である傾向がありますが、ベアマーケットはずっと長く続くことがあります。
最後の重要なベアマーケットは、2008年の金融危機の際、S&P 500が56%以上下落し、517日間続いた間にありました。
弱気相場は株式市場の暴落と混同されるべきではありません。それは株価の極端で突然の下落です。市場の暴落は、長期にわたる市場の下落につながるか、市場を弱めることが知られていることは注目に値します。
株価調整はどんな影響を与えるのか?
株価調整は、投資またはトレードに短期間の影響を与えます。市場の修正は、短期の投資家とトレーダーにのみ影響を与える傾向があります。長期投資は、短期的な修正の影響を受けないほど長い間保持される可能性がありますが、売却中に投資家がパニックに陥らないことが重要です。正しい行動が何であるかを確立するために、投資家はいつ販売し、いつ市場に留まるかを知って、戦略と目標に集中する必要があります。
株価の調整局面が予測不可能であることは、トレーダーにとって適切なリスク管理戦略を実装することが重要である理由の1つにすぎません。ポジションにストップロスを付加することは、金融市場で取引をし、市場のボラティリティーに備えるために重要なのです。
ボラティリティを活用した恐怖指数(VIX指数)への投資について学ぶ
1Yardeni Research, 2018
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